イタリアのちょい悪ノンノ(おじいさん)は医者知らず

2015年11月26日

スローフード・スローライフの地イタリア*シエナより愛をこめて 第4回

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大家のアルドは78歳。仕事と趣味に精を出し、女性への関心もいまだ衰えず。本場イタリア産ちょい悪ノンノ(じいさん)は、48年間医者にかかったことがない。喜寿を超す彼の、医者いらずの秘訣。それは『ひたすら動いていること』。

油断するとお尻に手が! 喜寿を過ぎた本場「ちょい悪」ノンノの動きはいまだすばしっこい

「キヨミ~、いるかい? キヨミ~!」
外で、大家のアルドが叫んでいる。
「居るわよ~」
ドアを開けたとたん、
「ちょっとごめんよ。点検させてくれ」
と言って、2メートル程あるはしごを抱えて入ってきた。

私の収納部屋の天井には、屋根裏に通じる扉がある。屋根裏部屋にある水槽から水が漏れ、隣の部屋で雨漏りが起きているらしい。
このアパートではちょっとした故障が頻繁に起こり、その都度、アルドは梯子や大工道具を抱えて威勢よくやってくる。調子にのって、私のお尻に触れようとすることもあるから、いつも一定の距離を置きながら彼と話す。
イタリアでは、この手のことにいちいち目くじらを立てていられない。
貧乏ゆすりのように、ある類の癖だと思えばよい。

動いていれば病気がよりつく暇もない?

「あなたっていつも元気ね。病院なんて縁がなさそう」
「その通り! 確か、最後に病院に行ったのは48年前、30歳のころだ。盲腸の疑いがあったが、当時の俺は痩せていて手術ができず、医者には『様子を見よう』と言われた。それっきりさ。今じゃ80キロあるが、腹は痛くならん」

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「その時から医者知らずなの?」
「そうだ。」
「例えば、風邪やインフルエンザにかかったな、と思ったらどうするの?」
「滅多にないが、そういう時はアスピリンを飲んで1~2日寝てから、店に出る。仕事につくと脳みそは何をすべきか考え、病気であることを忘れて、病気は自然に去っていくさ。年金生活だといって朝から晩まで新聞を読んでじっと過ごしていたら、俺は今ごろ、墓場で眠っとるよ!」

自分の店に立ち、仕事以外は狩猟や家庭菜園に没頭する。
食生活はいたって普通だが、しいて言うなら、寝る前にコップ1杯の水を飲み、翌朝、目覚めるとすぐに、またコップ2杯の水を飲む。そうすることで体内に結石を溜めないように心がけているそうだ。

心も頭も体も、そして『ちょい悪』の感性も、毎日動かして錆を付けない。
それが、喜寿を過ぎてもはつらつと現役でいられる秘訣かな? と感じる今日このごろです。

プロフィール

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大多和聖美(おおたわきよみ)
トスカーナ州・シエナ在住。ソムリエ。ワインショップ、小麦粉アレルギー対応レストランでのコック体験を経て独立。「エノテカトスカーナ」を立ち上げ、日本にワインやオリーブオイルの販売を行う。

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