イタリア流 笑いで免疫力を育てる方法

2015年11月12日

スローフード・スローライフの地イタリア*シエナより愛をこめて 第2回

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ある日招かれた友人宅では、子供のアレッシイ君がシェフ。ディナーメニューは「コウモリの目玉の盛り合わせ」「生首ピッツァ」「魔女の葉の妙薬」「吸血コウモリの混合物」…。イタリアでは、子供のうちからユーモアを身に着け、笑いを通じて免疫力をチャージしている。

キッチンに響く子供シェフたちの笑い声

友達夫婦から、夕食の誘いをうけた。
今回は、子供たちがシェフとなり、父親が料理をサポートする、といった趣旨で、
招待客である母親と私は、指定された時間まで外で過ごし、ころ合いを見計らって訪問した。
キッチンに響くシェフたちの笑い声は、まるで、日没前に賑わう鳥たちのように可愛らしくヴィヴァーチェ(*)だ。

「生首ピッツァ」の味やいかに

テーブルの上には、シェフ直筆のメニューが置かれ、
「コウモリの目玉の盛り合わせ」「生首ピッツァ」「魔女の葉の妙薬」「吸血コウモリの混合物」
など、今まで食べたことのないようなメニューが書かれている。

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コウモリの目玉はニョッキのようで、生首ピッツァは、トマトとオリーブ、ズッキーニの味がし、魔女の葉の妙薬は、ミントのシロップを水で薄めたジュースのような味がした。

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笑いの感性は熱いうちに打て

この食事会の発起人アレッシオ君は、ジョルナリーノと呼ばれる子供用の雑誌が大好きで、そこに登場するアニメの動物たちから、笑い話、なぞなぞ~社会の仕組みに至るまで、たくさんのことを教わっている。
今日テーブルに並んだメニューもある号のジョルナリーノに掲載されていたもので、大人たちも大満足。
食事中、アレッシオ君が小話を披露し、それに大人たちがドッと笑うと、彼は調子に乗り、次々と小話を続け止まらなくなったので、
「アレッシオ、もうおしまいよ。ちょっと、大人しくしていて!」
とママが声をあげた。

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イタリアでは、小さな子供がいる家庭を訪れると、アレッシオ君のように小話をしたくてたまらない、といった子供によく遭遇する。
どこの書店でも古本屋でも見つかるユーモアたっぷりの子供用雑誌。それに親も参加して楽しむ。
子供たちは笑い話に触れ、それを自分のものにして、他人を笑わせたがるようになる。
大人たちも、そうやって子供時代を過ごしてきた。
ちょっとしたことだけど、そうして生まれたユーモアの種があちこちで発芽している。

「笑い」には免疫力を高め、ストレスの解消や生活習慣病の予防、がんの進行を遅らせるなど、様々な効能があることがわかってきている。
テクノロジーが発達し、交通機関やサービスがさらに効率的に整備されていくけれど、ストレスは一向に減らない。心の病を抱える子供たちが増え、考えられないような犯罪も生まれている。勉強以前に、子供が自分で自分の心を守る術を身に着けることが必要とされているのだ。

失業率が高く、不況が続いていても、イタリアには笑いがあふれている。
野に咲く花のように、ユーモアは誰がしかけるということなく、日常生活のあちこちに咲いてもらいたい、
と願う今日このごろです。

*ヴィヴァーチェ(vivace)イタリア語で活発な、元気のよい、快活な、などの意。

プロフィール

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大多和聖美(おおたわきよみ)
トスカーナ州・シエナ在住。ソムリエ。ワインショップ、小麦粉アレルギー対応レストランでのコック体験を経て独立。「エノテカトスカーナ」を立ち上げ、日本にワインやオリーブオイルの販売を行う。

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