身近にもいるセクシュアル・マイノリティ「LGBT」を正しく知ろう

2016年05月24日


地球上の生物はオスとメスしかいない…わけではありません。たとえばカタツムリやミミズは雌雄同体(しゆうどうたい)といって、1つの個体がオスとメス両方の器官を持っています。鯛などの魚類はしばしば性転換するし、ゾウリムシにはオスとメスの区別さえありません。私たち人間だって、例外ではないのです。

 

最近よく聞く「LGBT」、それぞれ何を指す?


世の中で「当たり前」と思われている性の在り方に当てはまらない人たちのことを、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)といいます。近ごろよく聞く「LGBT」が概ねそれに当てはまります。LGBTはそれぞれ、

L:レズビアン(Lesbian)
G:ゲイ(Gay)
B:バイセクシュアル(Bisexual)
T:トランスジェンダー(Transgender)
を表しています。

レズビアン(L)とゲイ(G)は、レズビアンが女性の同性愛者、ゲイが男性の同性愛者を指します。さらに、同性愛者でもあり異性愛者でもある人のことを、バイセクシャル(B)といいます。
トランスジェンダー(T)は直訳すると「性別を超越した人」という意味。生まれ持った身体的な性別に対して違和感を覚えていたり、身体的な性と心の性が一致しない状態、または既存の性役割にとらわれない人のことをいいます。トランスジェンダーには広義と狭義の意味があり、さらに細分化されていること、そして立場によって意味合いが変わってくることなどから、当事者以外の人にとっては難解に感じるかもしれません。

 

「LGBT」は1つのカテゴリーとされていますが、「LGB」がある特定の性的志向(恋愛や性愛の対象になる性)による分類であるのに対して、「T」は性自認(自分がどの性に属するかの認識)による分類であるため、本来はひとくくりにできるものではありません。さらに、トランスジェンダーと混同される言葉に「性同一性障害」がありますが、こちらは医学的な病名を指します。生物学的な性と心の性が一致しない状態のことで、別の性への適合を望む人も多くいます。
また、LGBTはそれぞれ独立していることもあれば、複合的に絡み合っていることもあります。たとえば、「体は男性、心は女性、恋愛対象は女性」の場合は、「トランスジェンダーかつ同性愛者」ということになります。実際にはこの判断さえはっきりしないこともあり、これがセクシュアル・マイノリティへの理解をさらに難しくしています。

 

日本でのセクシュアル・マイノリティの位置づけは?


欧米はセクシュアル・マイノリティの先進国というイメージがあります。事実、それぞれのコミュニティの活動は活発で、一部の地域では同性婚が認められています。その一方で、極端な差別も存在するようです。

日本では、2015年に電通が行った調査で、日本国内の13人に1人(7.6%)がLGBTに該当するという結果が出ています。しかし実際には、その認知度や理解度は高いとは言えず、その反面、「ニューハーフ」とか「オネエ」「女装家」といった人たちが特別な社会的地位を得ているという、混沌とした現状があります。その背後には、悩み、苦しんでいるLGBT当事者がたくさんいるのもまた事実です。
 国や自治体によるLGBTへのサポートは、2015年から本格的にスタートしました。東京都渋谷区や世田谷区では同性パートナーに対し、結婚に準じる関係と認める条約や要綱を制定したほか、宝塚市や横浜市でも同性パートナー認定制度の導入を予定しています。(2016年3月現在)

日本でのLGBTの理解はまだ始まったばかり。今後はカミングアウトする人もさらに増えていくことでしょう。性の多様性を認め、正しく理解していくことが当たり前の時代になっていくはずです。

ライター/照井みき

◆参考文献
『LGBTQを知っていますか?“みんなとは違う”は“ヘン”じゃない』星野慎二・著 日高庸晴・監修(少年写真新聞社)
『セクシュアルマイノリティ第3版―同性愛、性同一障害、インターセックスの当事者が語る人間の多用な性』セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク・編著(明石書店)

 

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