がんだから、好きなものを食べて心身イキイキ

2016年02月04日

スローフード・スローライフの地イタリア*シエナより愛をこめて 第14回

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がんの告知を受けた後、3度の肝動脈化学塞栓術を行いがん細胞を殺し終えたパトリッツィオ。 うつ病になるがん患者もいるけど、彼は好きなものを食べながら、心身の健康を取り戻している。

さようなら、過度な負担がかかる食べ物たち!


パトリッツィオががんだと知った時、私はショックをかき消すように、数多くの情報を漁った。
アルカリ性の食品を勧め、外食もビーガンレストランにしか通わなかった。時間が経つにつれ、これでは栄養が偏ってしまい、ストレスも溜まってしまうので、どこか違うな? と感じ、献立の話題は消えていった。

一方、パトリッツィオは、多くの情報を読み漁ることなく、
どうしてそうなったのか? 今後、どうなっていくのか? を調べた。
そして、そうなった原因を絶とうと決めた。

がんが気付かせてくれたこと。体調が良いことは、喜びだ!


「俺は今まで、グリルされた赤身の肉、ソーセージやサラミなどの加工肉、
脂肪分たっぷりのチーズ、チョコレートなど、好きなものだけを口にしていた。
長年にわたり身体は過度な刺激を受け、結果、細胞に異常をもたらすのは当然だと思う。
おまけに、タバコやアルコールで体に毒を溜めてきたから、だるい状態で生きるのが辛かったよ。
がんを抱えてから、これまでの習慣を改め、体に働きかけてくれる食品をとるようにしたんだ。
オメガ3が豊富な魚、ビタミンが豊富な野菜や果物等・・・
それまで嫌いだったものばかりだ。
しかし、今ではすっかり好きになってしまった。そのプロセスを支えてくれたのは、家族だ。
俺のために特別に作ってくれるメニューだから、有難くいただくうちに、習慣になる。
すると、体に影響が現れた。
突き出ていた腹は引っこんで呼吸が楽になり、消化が良くなって、お通じもいい。
体の組織が、‟人生は素晴らしい!“って喜んでいるんだ」

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ベリー類が大好物に

好きなことで、他人に迷惑がかからなければ、それをする。エゴイスト。それだけのことさ


「長生きしようが死ぬことになろうが、宿命には逆らえない。
でも、生きている時間は心地よく生きるぞ。

だから、好きなこと(体調が良い状態)をして、嫌いなこと(体調が悪くなるようなこと)を避ける。 単に、エゴさ。

以前は何も考えずオレンジを絞っては飲んでいた。
今思えば、フルーツを食べている、とは言えないな。楽だからそうしてたって感じだ。
今では、オレンジの皮をむいて、丸ごと食べるよ。
スーパーマーケットに並ぶことのない、庭になる小さな林檎や洋ナシなんて、すっごくヘルシーで旨い。

年を取ると身体に支障が出て当たり前 という人もいるけど、そうじゃないんだ。
車に例えると、もし、エンジンオイル交換をせずに使い続けていたらエンジンがダメになる。
10万キロ走行したから、廃車になる訳ではない。
オイル交換をすることによって、20万キロ走行できるんだよ。
身体だって同じさ。点検を怠らなければ長く持つ。そして生き心地がいい」

完治にとらわれ、試練に耐えるようにして毎日を送ると、その通りに運ばない場合、冷静さを失い挫折してしまうかもしれない。

病気を抱えた時、イタリア風エゴスタイル「これはこれで、好きなことをしてるんだ!」という気持ちに切り替えられたら、細やかな幸せを作り出せる。
それには、患者を取り巻く人の愛の力、野菜や果物など新鮮な食材のパワーがしっかりとスクラムを組んでいることを感じる、今日このごろです。

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イタリアの黄桃。甘酸っぱさが格別。

プロフィール

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大多和聖美(おおたわきよみ)
トスカーナ州・シエナ在住。ソムリエ。ワインショップ、小麦粉アレルギー対応レストランでのコック体験を経て独立。「エノテカトスカーナ」を立ち上げ、日本にワインやオリーブオイルの販売を行う。

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