夫にラブレターをしたため街へ・・・街おしゃべりのアンチエイジング効果

2015年12月17日

スローフード・スローライフの地イタリア*シエナより愛をこめて 第7回

1463485888

イタリア国民のうち21.7%は65歳以上。介護を必要とする高齢者の増加に、政府は対応していけるのだろうかと思いきや、街を歩いていると、あちこちから高齢者の威勢の良い声が聞こえる。夫にラブレターをしたため、今日もひとり街へ繰り出す元気なフランスのシニョーラ(ご婦人)もそのひとり。

愛の表現はイタリア人より一枚上手!? なフランスのシニョーラ


町に出るため、バスに乗った。
乗っているのは大抵、学生や移民、そして老人たちで、運行本数が少ないゆえに、乗客同士は顔見知りになり、車内にはいつも挨拶や会話が飛び交っている。

1463485888


乗り込むと、今日もシニョーラ フランチェーゼ(フランスのご婦人)の姿があった。

「昼寝をしている旦那に置手紙を残して出てきたのさ。

“私のルイージ、愛しているわ。

 ごめんなさいね。私、街に行きたくなったので、ちょっくら外出してきます。
 遅くならないうちに戻ります。キス キス キス ”
そう綴ってきたんだよ。
 私たちフランス人はね、日常生活に愛の表現を取り入れて、夫婦仲を円満に保つ達人なのさ」

「まぁ、素晴らしい! 愛してる、なんて書かれたら、誰だって気持が丸くなりますね。
今日はこれからお買い物ですか?」

「いいや。買い物は午前中に済ませたよ。退屈だから街を歩くのさ。耳を澄まして、フランス語が聞こえたら、‟あらっ!フランスからお越しなの?”と話しかけ、それから、シエナの街の情報を教えてあげるんだよ」

1463485888


50年前にパリから移り住んできた婦人は人並み以上に元気があり、時々、ピンクや緑の縁をしたサングラスをしている。シャキッと背筋を伸ばし、サッサッと歩く彼女が78歳だと知った時は驚いた。

フレイルもへっちゃら!? 公共の場におしゃべりを!


高齢になると筋肉や思考が衰え、要介護状態に陥る人がいるが、その手前の現象をフレイルと呼ぶ。

外出頻度が少ない人ほどフレイルになりやすく、歩行障害や認知機能障害の割合が増える、という研究結果がある。しかし、いくら外出頻度が高くても、同居者以外の人と交流をしていない場合は、健康状態は悪化する傾向になるらしい。

イタリアでは、電車やバスの中、病院の待合室、エレベータの中など、至るところにおしゃべりがある。

1463485888 • 飼い主のおしゃべりはいつ終わるの??? 


日本と同様、イタリアでも高齢者の割合は年々上昇していく見込みだ。

財政困難のイタリア政府に、高齢者に優しい社会づくりを求めるよりも、個人が予防医学の意識を高め、
自分を自分で支えていかなければならない。
けれど、要介護の高齢者を生み出さないよう、特別なプロジェクトや仕組みを考えなくても、
「私語厳禁」「お静かに」などの張り紙が公共のあちらこちらで貼られでもしない限り、
この国のフレイル現象は、自然に抑制されていることになるのかな? なんて感じる今日このごろです。

• 参考文献
『ロハス・メディカル』(編集発行/ロハスメディア)

プロフィール

1463485888

大多和聖美(おおたわきよみ)
トスカーナ州・シエナ在住。ソムリエ。ワインショップ、小麦粉アレルギー対応レストランでのコック体験を経て独立。「エノテカトスカーナ」を立ち上げ、日本にワインやオリーブオイルの販売を行う。

コメント

この記事へのコメントはありません。

この記事の関連ワード

新着の記事

Sidekibit b fefa1c4699a4986147a527399409cd3c5417e373a7c81d98947fd955971daf54

人工知能KIBITが、あなたに合った記事をおすすめします。 初めてKIBITに教えた時は翌朝までお待ちください。