いろいろありすぎてわからない!自分にあった痛み止めの選び方

2016年07月05日

はぐれ薬学院生(♀)の “しみる” ひととき 第28回


昔からあるけど、数が多くて選びにくい痛み止め。病院で処方される薬と違い、市販品は効き目や副作用を考えて複数の成分が配合されていることが多いです。急ぎの時にも自分のニーズに合った製品を選ぶコツをご紹介します。

 

痛み止めは「必要なとき、必要な成分を、必要な分飲む」ことが大切


最近、痛み止め(解熱鎮痛薬)売り場に次々と新製品が現れています。同じブランドでも、シリーズがいろいろあって、一体何を選べば良いのかわからなくなりますよね。最近だと、商品名が似ているけれど、成分はまったく違うということも・・・。

痛み止めは短期間の頓服(とんぷく、必要なときだけ飲むこと)が基本。効きが弱いからと何となくだらだら飲み続けるのは、副作用のリスクを上げてしまいます。自分にあった製品をしっかり選ぶことが大切です。

市販の解熱鎮痛薬は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれるものがほとんどです(アセトアミノフェンだけ例外)。痛みの原因となるプロスタグランジンの生成を抑えるという効き方のメカニズムは全部一緒です。ただ、成分によって効き始めの時間が早いとか、痛みを抑える力が強いとか、副作用が出にくいといった特徴が少しずつ違います。

頭痛、歯の痛み、のどの痛み、生理痛、腰痛、肩こり痛…いろいろな痛みがありますが、市販のものであればどの症状に成分が良いということはありません。まずは「副作用が出にくいもの」「痛みの程度にあうもの」というポイントで選ぶのが良いでしょう。

 

 


忘れてはいけないのが、あくまでも痛み止めは痛みを抑える対処療法ということ。原因は取り除けないことを心に留めておいてください。5日以上長引く痛みや、原因がわからない痛みは、まずお医者さんにかかりましょう。また、片頭痛は市販薬では対応できないので、必ずお医者さんにかかってください。

あ、あと胃痛には使わないでくださいね!悪化します。胃腸薬コーナーに行きましょう。

 

 

副作用が心配な方は、唯一の例外・アセトアミノフェンが無難


初めて痛み止めを買う方、副作用が心配な方はこちらの記事にある通り、アセトアミノフェンが単独で入っている製品がオススメです。アセトアミノフェンはNSAIDsとちょっと違った効き方をするため、胃腸症状や腎障害といった副作用が起きにくく、アスピリン喘息というNSAIDsで起きるアレルギー症状のある方にも使いやすい成分です。空腹時でも気にせず服用することができ、お子様やインフルエンザの方にも使えます。

ただし、アセトアミノフェン単独では効き目が弱いため、市販では他の成分と一緒になって売られていることが多いです()。
代表的なものが「ACE処方」と書かれている製品です。

弱いからとアセトアミノフェンを大量に摂ると、肝障害が起こってしまうことがあります。お子様に使う場合は必ず小児用の薬を買いましょう!

ACE処方とは、「A=アセトアミノフェン」「C=カフェイン」「E=エテンザミド」を組み合わせたもの。カフェインは血管を収縮させて痛みを抑え(コーヒーを少し飲むと頭痛がおさまるのと一緒です)、エテンザミドはNSAIDsの仲間で、胃腸障害の起きにくいアスピリンというイメージです。カフェインに敏感な方は避けるべきですが、そうでなければ初めての方でも比較的チャレンジしやすい処方です。こちらの場合だと、NSAIDsが含まれているので、空腹時に飲むのは避けることになります。

 

 

炎症を伴う痛みにはイブプロフェンかロキソプロフェン(ロキソニンS)


アセトアミノフェンは比較的対象を選ばず使える痛み止めですが、NSAIDsと違って炎症を抑える効果はほとんどありません
そのため、スポーツやケガなどで炎症が起きている場合、のどが痛い場合、生理痛には、イブプロフェンやロキソプロフェンを使った方が良いかもしれません。(※生理痛の原因はプロスタグランジンが増えることと言われています)
風邪薬でのどの痛みに効くと謳っている製品は、たいていイブプロフェンが入っています。

ロキソプロフェンは、薬剤師がいないと買えない(第1類医薬品)ですが、イブプロフェンより副作用が多いかというと実はそういう訳でもありません。痛みに対してはロキソプロフェンの方が若干早く強く効くと言われていますが、痛み自体個人差の大きいものですので、イブプロフェンの方が良いという方もいらっしゃいます。この辺りは薬剤師さんと相談して、自分に合う方を決めると良いと思います。

生理痛には鎮痙剤ブチルスコポラミン配合のものがベスト
生理痛は、お腹がシクシク痛むのが辛いですよね。市販品だと生理痛向けに、痛み止めに加えて鎮痙剤(内臓の緊張や痙攣を取る)を配合したものが売っています。ブチルスコポラミンという成分がこれに当たります。胃薬(胃痛)の成分として使われていることが多いものです。
この成分自体、生理痛に効能効果が認められているわけではないのですが、下腹部の緊張をほぐしてくれることから、イブプロフェンなどの痛み止めとの相乗効果を期待して配合されているようです。

 

 

注意すべき成分は、イソプロピルアンチピリン、ブロモバレニル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素


イソプロピルアンチピリン:初めての人は避ける
たまにイソプロピルアンチピリンが配合されたものがありますが、初めてならこれは避けた方が無難です。
イソプロピルアンチピリンはNSAIDs1つで、細かい分類だとピリン系という仲間に入ります。このピリン系の解熱鎮痛成分は、他のNSAIDsより比較的アレルギーを起こしやすいことがわかっています。ピリン疹といって、お肌にブツブツや赤みができることがあります。
ピリン系の薬は、合う人には良い成分ですが、人を選ぶ成分なので、初めての方はあえて選ぶことはないでしょう。ちなみに、同じくNSAIDsに属するアスピリンは名前にピリンが入っていますが、ピリン系ではありません(アスピリンも蕁麻疹やぜんそくの悪化、消化管出血、肝障害など色々と副作用が出ることがあるため、薬剤師と相談してくださいね・・・)。

ブロモバレニル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素:眠気を引き起こす
よくある誤解として、「鎮痛剤は眠くなる」というものがあります。解熱鎮痛成分そのものは眠気と関係なく、一緒に配合されている鎮静成分が眠気を引き起こすのです。その代表的な2つが、ブロモバレニル尿素とアリルイソプロピルアセチル尿素。

鎮静成分が含まれる理由は、痛みに対する反応を鈍くさせるため。ストレスで頭痛がひどく、ちょっと薬を飲んで横になりたいという方には逆にオススメだったりします。
お仕事が忙しい方、受験勉強中の方、車の運転や高所作業、危険を伴う機械作業などに従事されている方は、これらの入った成分は避けた方が良いでしょう。

★市販薬はたいていの場合、数種類の薬剤がブレンドされています!実にいろいろな組み合わせがありますので、ぜひお手に取って見てみてください。薬の名前をよく確認して、ご自身に合ったお薬を選びましょう。

 

 

痛み止めを飲むときの注意


風邪薬との併用は基本的にNG
解熱剤は痛み止めと成分が一緒なので、効果が強く出て胃が荒れやすくなります。漢方の風邪薬との併用は問題ないですが、漢方のコンセプト的にどうなのかな・・・と個人的には思います。よほど痛みが強い場合は、もちろん我慢せず漢方と併せて飲んでくださいね。

水か白湯と一緒に飲むのを忘れずに
そのまま飲むと、薬が粘膜に張り付いてうまく溶けてくれないばかりか、粘膜を傷つけてしまい、胃腸が荒れる原因にもなります。必ず水分と一緒に飲みましょう。あまりオススメはしませんが、市販の痛み止めはお茶や牛乳、ジュースと一緒に飲んでも大丈夫です。アルコールはやめてくださいね。
この辺りは薬の種類によって違うので、よほどの事がなければ水で飲むのが安心です。

食後じゃないけど飲みたい時は
アメ玉やビスケットなどをちょっとつまんでから飲みましょう。これだけで胃への負担が全然違ってきます。また、このような機会が多い人は、最初から胃薬も一緒に入っている痛み止めを選ぶとより安心かもしれません。

病院で出される「ムコスタ」「セルベックス」の代わりになる胃薬はある?
病院だと、痛み止めと一緒に胃薬が処方されますよね。大抵この2つのどちらかだと思いますが、市販で代替できるのは「セルべール」という製品になります。これは「セルベックス」と同じ成分です。ちなみに、「ムコスタ」「セルベックス」の胃に対する効き方はほとんど一緒です。

病院の薬が切れて、緊急で代わりになるものが欲しいとか、たまに歯痛で薬をもらうんだけど、休日だからとりあえず似たようなものでしのぎたい、といったリクエストには、痛み止めとセルベールのコンボをおすすめしています。


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