いつかは産みたい、美しくあり続けたい! 自分を知ることと、レディースドック

2016年06月29日

小児科医 Dr. しろくま子の“みんなも知っていたらいいのにと思うこと”(水曜更新) 第23回


美しさは人それぞれだとしても、思わぬ落とし穴にはまって外見や将来を損ないたくないもの。今回のテーマは「転ばぬ先の杖」。内容は少し雑多ですが、盲点を拾ったつもりです。

 

強敵、水ぼうそう


美肌ママたちが慌てる姿を時おり見かけます。水ぼうそうの流行に接したとき、「わたしは大丈夫かしら?」と不安になりませんか?思春期以降の水ぼうそうはつらいものです。強烈な皮膚症状で、長年のお肌のお手入れが水の泡になることもあります。痕が残ってしまう恐れもあるのです。

水ぼうそうの予防接種をみんなが受けるようになったのは最近です。中学生でさえ注射していない子がたくさんいます。ふつう水ぼうそうは不顕性感染(気づかないうちに軽くかかっている)をしないと言われていて、かかったらわかるとされています。ぜひ記憶をたどるか、ご家族に聞いてみてください。あるいは母子手帳の確認を。

 

ご自身の母子手帳をお持ちですか?

 


母子健康手帳には有用な情報が書いてあります。予防接種の記録や、これまでかかってきた感染症など。そして子どもの頃に小さかったのか、大きかったのか。こういったことが成人してから、あるいは親になってから役に立つことがあります。ぜひご自身で保管を。

 

妊娠したときに怖い、リンゴ病


ほっぺが赤くなって腕に網状の発疹がでるリンゴ病。妊娠中にかかると赤ちゃんの命にかかわることがあります。大人の場合には症状が典型的でないこともあり、知らずにかかっている可能性も考えなくてはなりません。このため妊婦さんの心配の種となります。予防接種はありませんが、一度かかっている場合には免疫がついています。したがって妊娠の前に、子どものころにリンゴ病にかかったかを確認しておきたいところです。

 

女性ドック(レディースドック)

 


人間ドックというと、病気を早期発見する検診のイメージがあるとは思います。もちろんその印象は正しいのですが、ブライダル前を想定したメニューや、女性専用の人間ドック(レディースドック)を持つ病院もあります。ドックは自費なので、本人の希望で気になる検査を入れやすいものです。上記の感染症も抗体検査をすることで、免疫がついているかわかります。たとえ予防接種記録が不明でも、抗体があることを証明できれば安心できます。

また、レディースドックの検診では、内容やスタッフが配慮されています。美しく健やかであり続けるために活用できそうです。「健康がすべてではないが、健康でなければすべてが台無し※」というのは言い過ぎだとしても、どうか体は大切に。

 

 

いつ産む?

 


卵子が老化していくことをご存知ですか?卵子は生まれてから増えることがないそうです。学生時代に習ったときに愕然とした憶えがあります。だって精子は新しく作られ続けるのだから。悲しいことですが、母体の加齢とともに、染色体異常の確率が上がっていくことは避けられないのです。もし漫然と後延ばしにするのであれば、無意識にリスクを背負っていることになってしまいます。

そして、子育てには体力が必要だということも痛感するところです。「母は強し」と言うものの、不自由と寝不足の日々は消耗を誘います。できるだけ計画と準備を。
もちろん、女性が生物学的に適切な時期に出産しやすい社会になってほしいと願っています。

 

どこで産む?

 


便利さ快適さで選ぶとしても、出産が一大事だということは忘れないでください。ふつうのお産が一気に暗転することが実際にあるのです。それが何万分の一の確率であろうと、遭遇すれば自分のことです。何かあったときの対応(院内で何でもできる、どのくらいの距離のどの規模の施設に搬送される)などについて、必ず確認しておきましょう。「あちらの病院で産んでいたら、違った未来が待っていたのに」と、悔やむことのないよう決断してください。

何かにつけて選択肢が増えて、身近な医療も個人の判断にゆだねられるようになってきました。でも、知識はうまく広まっていないように感じています。「知らなかった」「考えたことなかった」ということによる後悔が、少しでも減らせればいいなと思って書きました。

※ショーペンハウエルの言葉より:
Die Gesundheit ist zwar nicht alles, aber ohne Gesundheit ist alles nichts.
Schopenhauer



参考文献
1)Rates of Down syndrome at livebirth by one-year maternal age intervals in studies with apparent close to complete ascertainment in populations of European origin: a proposed revised rate schedule for use in genetic and prenatal screening.
Hecht CA, Hook EB: Am J Med Genet62(4); 376-85, 1996

2)小児感染症学 : 岡部 信彦 編集

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