プリモもセコンドも看護師さんにオーダーできる! イタリアの病院食

2015年11月19日

スローフード・スローライフの地イタリア*シエナより愛をこめて 第3回

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早朝に救急車を呼び、検査を受け、美味しい病院食をしっかりといただいた3日間の入院費のお会計総額はゼロ。しかも、病院では食べたいメニューを看護師さんにオーダーできるとは。国家予算がなくても、食べることと弱者を見放さないイタリア。国中に愛のスパイスが効いてます!

イタリアでまさか救急車体験

数年前、貧血で倒れ、救急車で運ばれた事がある。
朝の4時に目が覚めたので、コンピュータでメールの確認をしたところまでは覚えているが、
その後、気が付くと、私は床に横たわっていて、頭には大きなコブが出来ていた。

救急に電話を入れると、女医さんを含め、4名のスタッフを乗せた救急車が迎えに来てくれた。
後頭部の近くを打ったものだから、ベッドにくくりつけられ、CTスキャンを終えるまでは絶対安静で寝返りを打つことも許されなかった。

ボランティアスタッフの言葉に感涙

いくつかの検査の後、運ばれた病室は、とても明るくて清潔な一人部屋だった。
ぼーっとしていたら、一人の女性が部屋に入ってきた。

「今日は。私は病院ボランティアの者です。何か、困ったことはありますか? お腹が空いているとか、喉が渇いているとか・・・。」
「はい。喉が渇いています。」
「では、お水を持ってきますね。」

女性はペットボトルのお水を持ってきてくれた。
話を聞くと、彼女は仕事以外の時間をボランティアにあてているとのこと。

「たくさんの恵みをいただいて生きているから、その一部を、お返ししているだけです。」

彼女が静かにほほ笑んで言った時、私は思わず、涙がこぼれてしまった。

ここはレストラン? お客さん気分でメニューをオーダー、入院費はタダ

その後、看護師さんが小さなコンピュータ端末を持って現れた。

「気分はどう?」
「とてもいいです」
「良かったわね! じゃあ、今から、夜食のメニューを読みあげるわね。プリモはラグースパゲッティ、ショートパスタのトマトソース、ミネストローネ、季節野菜のリゾット・・・はい、どれがいい?」

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「えっ? 選べるんですか? では、トマトソースのパスタをお願いします。」
「了解。お次はセコンドよ。鶏肉のロースト、牛肉の煮込み、豚肉のアリスタ、モッツァレラチーズ・・・」

看護師さんは、レストラン同様に、プリモ、セコンド、さらに付け合わせやデザートまでメニューを読み上げ、私のオーダーを端末に入力して、部屋を去った。

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入院中の行動範囲が限られた環境では、食事の時間が待ち遠しい。
加えて、メニューを選べるシステムに、大感激してしまった。

ちなみに、今回、早朝に救急車を呼び、検査を受け、美味しい病院食をしっかりといただいた3日間の入院費のお会計総額は、0(ゼロ)。今年の春、日本人観光客の女性が転倒してしまい、救急にお連れしたが、その時も、水やジュース、クラッカー、検査&診療代は保険会社に請求が行くこともなく、すべて無料だった。

国家の予算がなくても、食べることと弱者を見放さないイタリア。
美味しい国には、愛のスパイスが効いていたのでした。

プロフィール

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大多和聖美(おおたわきよみ)
トスカーナ州・シエナ在住。ソムリエ。ワインショップ、小麦粉アレルギー対応レストランでのコック体験を経て独立。「エノテカトスカーナ」を立ち上げ、日本にワインやオリーブオイルの販売を行う。

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