サプリメントの光と影(サプリメント〜Vol.5)

2016年06月16日


「食品」に分類されるサプリメントは、栄養を補給したり、体調を整えたり健康増進のために多くの人が利用しています。サプリメントを飲み続けることで「以前より体調が良くなった」と、プラスの効果を感じる人がいる一方で、持病がある人や高齢者に副作用が出ることもあります。サプリメントならいくら摂っても大丈夫と思い込んでいませんか?

 

サプリメントのメリットとデメリット


サプリメントの広告には、「これで血圧が下がった」「膝の痛みが消えた」など体験談や口コミが多く見られますが、サプリメントの普及に伴い、有効性や作用メカニズム、安全性を検証する科学的な研究が行われるようになりました。
多数の人を対象にした信頼性が高い臨床試験のデータなどから、成分の有効性とともに、マイナスの作用も報告されていますので、「たくさん飲めばより効果が上がる」という考え方を改める必要があるでしょう。
 たとえば、日本人に一般的に不足していると言われる「カルシウム」は、骨を強くし骨粗しょう症を予防してくれるというエビデンス(科学的根拠)がある一方で、摂り過ぎる状態が続くと動脈硬化を促進させるという研究結果が出ています。
また、女性に不足しがちな「鉄」は、医薬品として貧血の治療にも使われますが、過剰摂取により、体に有害な影響を与える「酸化ストレス」を増加させることが分かっています。
サプリメントは食品だからいくら飲んでも安全・安心と油断していると、思わぬ健康被害が出ることもあるのです。

 

サプリメントと薬は一緒に飲んでも大丈夫?


食品には、グレープフルーツと一部の血圧降下剤、納豆などビタミンKを多く含む食品と血栓症治療薬など、薬の作用に影響を与えるものがあります。サプリメントも同様に、薬と一緒に飲むと、相互作用が出る場合があり、飲み合わせに注意が必要です。
たとえば、認知症に用いられる「イチョウの葉エキス」を、抗血小板薬・抗血液凝固薬と併用すると、薬の作用が増強されて出血しやすくなることがあります。
また、料理や漢方薬でよく利用される「ウコン」ですが、胆石のある人は、成分が濃縮されたサプリメントの摂取で症状を悪化させるおそれがあります。健康な人には問題がなくても、持病のある方や妊娠中の方、高齢者などには体調に影響が出やすい成分があるのです。
サプリメントを利用するときに最も重要なのは、利用しているサプリメントの成分名や成分量を把握すること。医療機関にかかるときは、医師や薬剤師に利用しているサプリメントの内容を伝え、お薬手帳にも記入しておくことが大切です。

<プロフィール>

 

◆監修:久保 明(くぼ・あきら)

 


1979年、慶應義塾大学医学部卒業。医学博士。米国ワシントン州立大医学部に留学後、一貫して抗加齢医学・生活習慣病の研究と臨床の場での実践に取り組む。日本臨床栄養協会理事、厚生労働省 薬事・食品衛生審議会 専門委員、日本抗加齢医学会評議員、東海大学医学部客員教授等、歴任。歌舞伎座タワーにある銀座医院にエイジングケアを専門とする「プレミアムドック」を立ち上げ、院長補佐として診療を行っている。近著に『週に1度食べないだけで体の不調はリセットできる』(日東書院)、『一生寝たきりにならない「動ける体」のつくり方』(長岡書店)、『「糖化」をふせいで老けない・病まない体になる!』(PHP研究所)等がある。

参考:
「サプリメント・健康食品素材の光と影」久保先生 提供資料
健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」(厚生労働省)

 

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