アロマテラピーが秘める力(アロマテラピー講座~Vol.1)

2016年06月27日


現代社会はストレスと隣り合わせ。高齢者でなくとも、ストレスが細胞を傷つけ、ガン化させるリスクを負っています。リスクを減らし、心身ともに健やかであることが理想ですが、ストレス社会にあっては心からリラックスすること自体、とても難しくなっています。そこで今月から、天然生薬による薬効を長年にわたって研究してきた著者が「植物芳香療法」(アロマテラピー)で体を癒し、心をケアする方法についてご紹介します。

 

薬学的視野でアロマテラピーを考える


アロマテラピーは、体の自然治癒力と心のケアの双方に働き、病気を治す手法として西欧の医療現場ではすでにその地位が確かなものとして受け入れられています。とりわけフランスやイギリスでは価値のあるホリスティック(全人的)療法として広く実施されているのです。重篤な病気にかかった人のなかには、がくんと日々の生活のありよう(QOL)が落ちてしまう方がいますが、その向上にひと役買ってくれるのがアロマテラピーです。

森の中を散歩した時や川のせせらぎを聞きながらハイキングした時、あるいは大きな滝の前に立った時など、自然と心地いい思いをした経験は誰にでもあるでしょう。それと同じ視点で1998年、国立がんセンター内で、ガン患者のストレス解消に、ヒノキの香りなどの精油を成分にした微風が吹き出す装置が導入されました。患者さんに病室でもう少しくつろいだ気分になってもらおうという配慮からでした。
精油(植物の果皮や花びら、葉、茎などに含まれている芳香性のオイル)を用いてマッサージしたり、入浴したり、吸入したりすることで患部が癒され、心が落ち着くことは薬学的医療の視点からも近年、注目されるようになっています。
外科手術や化学療法(抗ガン剤投与など)を補助する自然療法としての効用のほか、心理的不安を軽減し、活力の減退をおしとどめ、大脳の神経細胞に作用してリラックスした状態へ導く…。患者さん自身が病気とうまく付き合えるように、日々の暮らしを自分らしく穏やかに過ごせるように、アロマテラピーは進化を遂げているのです。

 

薬という字は「草かんむり」に「楽」と書く〜自然からの恵みをもらう


カネボウ化粧品美容研究所の島上和則博士は、香りの伝承医学的効用を調べるため種々の実験を行っています。そして、以下のような結果が認められると記しています。

▶入眠用香料
ラベンダー、バレリアン、ディル、カモミール、マジョラム、アニス、メリッサ、サイプレス
▶覚醒用香料
ローズマリー、ペパーミント、スペアミント、バジル、ユーカリ
▶食欲促進用香料
精油(バジル、ベリラ、タイム、ローレル、ナツメグ、オニオン、ガーリック等)、カルボン、エレモール
▶食欲抑制用香料
精油(よもぎ、ユーカリ、ミル、ローズマリー)
▶抗偏頭痛用香料
精油(オレンジ、レモン、ラベンダー、ペパーミント、樟脳)、メントール、シオネール
▶制吐・抗失神用香料
ペパーミント油、メントール、カンファー
▶不安解消・抗うつ用香料
ラベンダー、ベルガモット、レモン、ローズ
▶嫌煙用香料
精油(オレンジ、ベルガモット、クローブ)
▶催淫性香料
サンダルウッド油、ムスク、コスタス油
▶無性欲性香料
カンファー、ユーカリ、サルビア、シオネール

次回は、アロマテラピーの具体的な薬理作用についてお話しします。

<プロフィール>
長谷川記子(はせがわ・のりこ)

1955年、茨城県水戸市生まれ。星薬科大学薬学部卒業、薬剤師。在学中より皮膚科、予防医学、香りに興味をもち、ガンや認知症患者を対象にアロマテラピーの実践とQOLの向上に取り組む。有限会社チェリッシュ・インターナショナル代表取締役。本稿は自著『ガンを癒すアロマテラピー』(リヨン社)からの引用、抜粋による。

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