蚊アレルギー?ハチにさされた? 虫さされが心配なとき

2016年05月25日

小児科医 Dr. しろくま子の“みんなも知っていたらいいのにと思うこと”(水曜更新) 第18回


たかが虫さされと思われがちですが、危ない症状があります。今回は虫さされの手当や、注意すべき症状について紹介します。

 

なんか変な虫にさされちゃった・・・?


まずは基本的な考え方について。

1.たいていの反応は深刻なものではありません

さされた場所が赤くなる、腫れる、痛い、かゆい、などはよく起こることです。冷やすとよくなることもあります。

2.でも、症状が長時間続いたり、腫れが大きかったり、うんだりしたら、診察を受けましょう

何にさされたかがわかると、診断・治療の参考になります。どこでいつどんなものにさされたのかを説明できるとよいと思います。抗ヒスタミン薬の軟膏、のみ薬や、ステロイドの塗り薬が出されることが多いようです。

3.全身の反応はまれですが、深刻な場合があります。苦しがったり顔色が悪かったり、様子が変だったら119番を

この反応を起こした場合は、同じ虫にさされることを本格的に避けます。そして、次に同じような反応、ショックを起こしたときのために、エピネフリン注射を携帯することを考慮します。

 

蚊にさされると熱が出る子ども〜蚊アレルギーにご用心

 


皮膚の症状が派手なだけでなく、38度から40度の熱が出る場合には蚊アレルギーを考えます。

蚊にさされた場所に水ぶくれができたり、周りが広く赤く腫れたりします。そして何より、肝臓や脾臓などの全身の反応を起こす点でこわい病気です。

蚊にさされるたびに、同じような反応をくり返します。これを放置するのは危険です。じわじわと病気が進んで、将来、気づかないうちに深刻な(命にかかわる)状態に陥っていることがあります。したがって、長期的に通院し、経過をみる必要があります。

 

子どものほうがよく蚊にさされる?


小さい子の虫さされって、かわいそうなくらい目立ちますね。そして二日後に「あらら・・大きく腫れていて、しかも傷になっている、どうしよう」ということもしばしば。

「親は大丈夫なのに子どもばかりが蚊にさされる」とよく聞きます。でも、実は、大人もさされています。だけど今までくり返しさされているために、反応が地味で気づかれにくく、このように言われるのだと考えられます。

 

虫さされのホームケア


さされた直後から薬をぬりましょう。そのほうがひどくならないですむようです。多くは市販のかゆみ止めで反応が落ち着きます。そして温めないようにしてください。だってかゆくなるから。

ジュクジュクした傷になってしまったら、軟膏タイプのぬり薬を使います。細菌が増えやすい状態になっていて、注意が必要です。このくらいになると、使うなら処方の薬のほうがいいかもしれません。

浴槽でお湯につかることは避けましょう。シャワーだけにして、傷をしっかり洗ってください。ひどい時にはプールもお休みです。

 

虫にさされの傷から黄色い汁がでてくるとき


「うわあ、これ、ばい菌が入ってるんじゃないの、関節まで太くなってる・・・」というほどの状態でも、検査してみると菌は検出されず、虫にさされただけの反応だったのだなということもあります。自然に治ることも多いようです。

だけど、かゆいし、かくとひどくなるし、なんとかしたくなります。傷から黄色い汁が出てくるまでになると、治りにくいですよね。

こんなとき、発熱がない場合には皮膚科へ。小児科や内科で、かぜをもらいたくないので。ただし、熱があると子どもは小児科のほうがよいかと思います。

 

とびひ、蜂窩織炎


とびひは虫さされなどの皮膚トラブルをひっかいてしまったときに起こります。あちこちにジュクジュクした傷ができて、「ばい菌がとんだ」感じがイメージされると思います。

傷が数か所ならば抗生物質の入った塗り薬を使うだけですみますが、かなり広がっている場合は抗生物質をのむことになります。

蜂窩織炎(ほうかしきえん)は一か所の傷から細菌が入って、その周りがどんどん赤く腫れあがっていくものです。熱が出ることもあります。抗生物質を飲んで治療します。

入院となることもあります。ですから虫さされのトラブルをあなどらず、長引く場合には診察を受けましょう。

 

ハチにさされたかもしれない

 


もちろん呼吸が苦しい、全身のじんましん、顔色不良、けいれんなどがあれば救急車を呼んでください。

でも、大きく腫れただけで全身の症状がない場合は、皮膚科に行くのがよいと思います。

ここで、大きく腫れるとは、およそ次のような状態を指します。

1.24〜48時間で大きくなる

2.10cm以上

3.よくなるのに5〜10日かかる



このタイプの人が次にさされたときに全身の反応を起こす可能性は、5〜10%と報告されています。したがって、エピネフリン注射を持っておくことは、ふつう必要がないとされています。

どうかよい夏をむかえられますように。

 

参考文献
Stinging insect hypersensitivity: A practice parameter update 2011
Golden DB, et al. J Allergy Clin Immunol 2011; 127(4): 852-4, e1-23



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