気がつけますか?顔のむくみ−見過ごして後悔したくない体の悲鳴4

2016年04月27日

小児科医 Dr. しろくま子の“みんなも知っていたらいいのにと思うこと”(水曜更新) 第15回

 

「毎日のように見ているはずなのに、どうして本人や家族は顔が変わったことがわからなかったのだろう?」と、患者さんを前にして思うことがあります。いえ、逆にいつも見ているからこそ、少しずつの変化を感じにくいのかもしれません。今回は顔にまつわる症状について紹介します。登場する患者さんは子どもですが、大人でも注意すべきことは同じです!

 

慣れと楽観の罠? 

 

中学二年生の男の子が、土曜の救急外来に現れました。医師・看護師からみると、顔のむくみは明らか。体重は13kgも増えていました。でもママは「ちょっと顔がふっくらしたかな」と思うくらいだったそうです。とはいえ1週間前からなんとなく気になっていたとのこと。「でも元から丸顔だし、仕事が忙しかったから…」と苦笑い。本人の動きは鈍く、とても怠そうでしたが「これも普通にありえる」とのママ。本当?

 

顔のむくみは様子を見ないで

 

彼の診断はネフローゼ症候群でした。栄養や免疫を担うタンパクがどんどん尿に出てしまう腎臓の病気です。もう数日早く来ていたら、血液製剤を使わないで済んだかと思うのです。
ネフローゼ症候群にはどの年齢でもなりえます。発見までに時間がかかると、血液製剤で栄養や免疫の成分を補う必要が生じます。難しいけれど、ぜひ早めに診断したい病気の一つです。

 

小学校高学年以上では、受診が遅れがちになる?

 

別の例です。五年生の女の子が、頭痛を訴えて来院しました。まぶたはぽってりと腫れています。体重は7kg増。お母さんは「少し顔が変わったかしらね」と。(いえいえ、治療後は別人と呼べる顔になっていましたよ!)
この子の頭痛は急に始まったわけでなく、ご家族は様子をみていたそうです。学校にも行っていたとのこと。やっと時間がとれたから来たと言っていました。不調より都合を優先していたわけです。体力が備わってくると、多少の症状は我慢できるようになります。でも、それは大丈夫という意味ではありません。この子の高血圧を知り、お母さんはびっくりしていました。

 

咽の風邪にかかったら、2週間から1か月後に要注意

 

この子は溶連菌感染症後の急性糸球体腎炎でした(溶連菌についてはこちら)。溶連菌と診断されたことはないけれど、咽の風邪にはかかったそうです。溶連菌の抗体がしっかりと上がっていたので、自力で咽症状を治したのでしょう。その後の2週間から1か月の間に腎炎になったようです。
この頭痛は高血圧の症状で、原因は腎臓にあります。腎臓が強く炎症を起こしている間は、尿量が減って身体に水が溜まります。だから顔もむくむのです。このような場合は入院して水と塩分の管理をしなければなりません。

 

「むくんだかな」と思ったら、体重を測ってみて

 

むくみは主観的に感じられるので、評価が難しいと思います。脛を押してみてもよいのですが、客観性があるという点で体重計測をおすすめします。間近の検診や記憶より体重が増えてたいら理由を探しましょう。

 

意外と症状は顔に現れる

 

他にも、例えばEBウイルス感染などでもまぶたが腫れます。また、リンゴ病でほっぺたが赤くなるのは有名ですが、頬の赤みは感染症でなく膠原病が原因のこともあります。それ以外にも、眼が少しずつ出てくる甲状腺の病気などもあります。

 

でも、外見は周囲に注意されにくい

 

だって「顔が太った?」なんて、やや無礼な指摘はしづらいですよね。久しぶりに顔を見た人こそ気づきやすいけれど、なかなか言えないものです。だから、「誰にも言われないから変わっていない」と考えるのは危ないかもしれません。でも逆に「少し変わったかな?」と聞いてみれば、意見をもらえるのではないでしょうか。

さて、今回もいろいろと偉そうなことを書いてしまいました。そろそろ次回は誤診の話にしようかと考えています…。

 

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