ジェネリックの普及が遅れる日本

2016年04月04日

 

 高齢化が進む日本では今後も医療費の増大が見込まれます。政府は膨らむ一方の 医療保険財政を改善する目的で、2018年3月までにジェネリック医薬品(後発医薬品)の数量シェアを60%以上にするという目標を掲げています。ジェネリックという言葉は広く知られるようになりましたが、その中身はいったいどのようなものなのでしょうか。

増大する医療費とジェネリックの関係


ジェネリック医薬品とは先発医薬品の特許が切れたあとに、同じ品質、同じ有効成分・効果効能で製造販売される薬のことを言います。

先発医薬品(新薬)の開発には9年から17年の期間と300億円以上の費用がかかります。その膨大な開発費の回収のために、新薬には20~25年の特許期間が認められています。一方、後発医薬品(ジェネリック)は、新薬で既に有効性や安全性が確認されている成分を使って開発するため、費用も1億円程度と安く、時間も3年程度ですむと言われています。

アメリカでは、ジェネリック医薬品のシェアは90%を超え、カナダ、イギリス、ドイツ、フランスにおいても普及率60%を超えています。ところが、日本は2014年の時点でのジェネリック医薬品のシェアは31%程度です。

なぜ日本は普及率が低いのか


同じ成分、同じ効き目で安価ならもっと普及してもよいはずですが、日本は医療保険制度のおかげで、アメリカなどと比較すると薬の値段がべらぼうに高いわけではないことも、普及を遅らせる理由の一つに挙げられます。また、先発医薬品に比べてメーカーのMR(医療情報担当者)から医師や薬剤師への情報提供量が少ないことや安定供給の問題などで、医療従事者の信頼が十分に得られていない状況も一因です。ジェネリック医薬品を国が承認する際の試験項目やデータが少なく、有効性や安全性に問題があるのではないか、品質管理はどうなっているのか、海外の粗悪品を原料に使っているから安いのではないか…などといった疑念も払拭しきれていないようです。

これに対して厚生労働省は、ジェネリック医薬品は国の厳しい審査をクリアし、薬事法に基づく厚生労働大臣の承認を受けており、その品質・有効性・安全性は先発医薬品と同等であると説明しています。処方する立場の医師からは、品質保証が十分であることの周知徹底を求める声が多く上がっているとか。

膨張を続ける医療費の軽減は急務で、ジェネリック医薬品の使用を促進することで、それがある程度、抑制できると言われています。医療の質を落とすことなく、患者の薬剤費の自己負担を減らし、日本のすぐれた医療保険制度を次世代に引き継ぐことの助けとなるなら、大いに推進してもらいたいものです。

 

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