もしかすると花粉症?花粉症のセルフケア方法

2016年03月16日

小児科医 Dr. しろくま子の“みんなも知っていたらいいのにと思うこと”(水曜更新) 第8回

 

花粉症のつらさ。わかる人には言わなくても通じるし、わからない人には説明しても伝わらない憂うつ。とはいえ何とか生活できてしまい、不快をくすぶらせながらも受診はしていない人も多いかと思います。今回は花粉症のセルフケアを中心に書いていきます。

 

悩める症状は何ですか?

 

サラサラの鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、どれが一番つらいでしょうか。鼻症状だけだと花粉症でないことも考えられます。たとえばアレルギーでない鼻炎など。目の症状も感染症と紛らわしいこともあります。時期だけで決めつけないように注意してください。ちなみに英語でhay feverと言うけれど、ふつう花粉症で熱は出ません。

 

あまり薬に頼りたくない場合

 

 

 

外出を避ける、高温のお湯で洗濯をするなど、生活の工夫はあります。また、食品なども注目されています。メチル化カテキンを含む緑茶については、花粉が飛ぶ前から飲んだら症状を軽減できたと報告されています。ビタミンCの有効性も言われています。その他、カモミールティー、抗酸化作用のあるオイル(ペパーミント、ココナッツ、オレンジ)、ビタミンE、生姜など、「よさそう」と考えられているものも。これらは治療的に推奨されていませんが、好みの範囲で取り入れることはできると思います。ただし必ず安全というわけでなく、特にアレルギーにはご注意を。

 

市販薬を使うなら

 

まず心構えを。診察を受けずに薬を使うということは、「自己判断で治療をする」、あるいは「症状を和らげようとする」ということです。確かに本人は症状がどんなものかを誰より知っています。でもその症状を何が引き起こしているかを一番わかるというわけではありません。したがって「症状が和らいだか」を正しく評価できても、「治療として適切か」という点については慎重な気持ちを抱く必要があります。

 

しつこいサラサラ鼻水に飲み薬

 

第二世代の抗ヒスタミン薬を使うのが一般的です。主な副作用は多少の眠気で、フェキソフェナジンやエピナスチン、エバスチンの順に軽いことになっています(理論上)。その日から鼻水が楽になる人、一週間くらいは飲まないと違いを感じない人がいます。また、相性のようなものもあります。しかし自己診断が外れていたとしても、まず実害はないと思います。つらいのが夜ならば、第一世代抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン)を含む風邪薬を飲んで寝るという方法も。ただし抗ヒスタミン薬がもたらす睡眠の質は、よくないとも言われます。

 

早めの対策が有効

 

アレルギーの薬は効果に時間がかかることもあり、症状が強くなる前に飲んだほうがよいとされています。あまり副作用を気にせず使えるメディエーター遊離抑制薬(クロモグリク酸ナトリウムなど)の点鼻薬も即効性を期待するものではありません。鼻をかむと皮膚が荒れますが、これも前もってワセリンなどを塗っておくと摩擦をやわらげられます。また、やわらかいティッシュをおすすめします。

 

鼻の症状がつらいとき

 

 

まず生理食塩水で鼻洗いをして花粉抗原を取り除きましょう。それからステロイドの点鼻を使うと楽になると思います。鼻づまりには血管収縮薬(ナファゾリンなど)がよく効くのですが、重症用です。漫然と頼ると問題をこじらせます。ステロイドの点鼻より避けたい薬です。ガイドラインでも、鼻づまりが強い花粉症は専門医にかかることを推奨しています。

 

目の症状は自己判断が難しい

 

コンタクトレンズを外して眼鏡を使うのはよいとして、市販の点眼薬を試す前に眼科へ行ったほうが安心だと思います。特に充血や目やにがあるときには、感染症などがからんでいると困るので。何も考えずに目を洗いすぎるのもよくないようです。

 

受診する場合

 

1.症状によって診療科を決める
鼻の症状であれば耳鼻咽喉科、目の症状であれば眼科へ。そこでアレルギーが原因と言われてから、アレルギーの外来を受診しても遅くありません。点鼻薬・点眼薬は、耳鼻咽喉科や眼科の診察によって決めるのが基本です。

2.受診の際には経過の整理を
特に少しずつ悩んでいた場合、振り返ってから受診することをおすすめします。市販薬を使ったならば、添付文書を持っていきましょう。準備することによって言い忘れを防ぎ、的確な質問を。適切な治療にもつながるはずです。

3.早めの相談と長い目を
アレルギーの薬は少し時間をかけて効果を示すものもあります。1週間ほど飲んでから効きはじめ、4週間で安定してくるなど。そして個人差もあります。すぐによくならないからといって、通院をやめてしまうのはもったいないと思います。相談して薬を変えていくこともあります。

どうかお互い、うまくのりきれますように。

 

 

 

参考文献 
1)鼻アレルギー診療ガイドライン

2)Clinical practice guideline: Allergic rhinitis.
Seidman MD et al. ; Guideline Otolaryngology Development Group. AAO-HNSF.
Otolaryngol Head Neck Surg. 2015 Feb; 152(1 Suppl): S1-43.

3)今日の治療薬2015

4)The physiological and pathophysiological roles of neuronal histamine: an insight from human positron emission tomography studies.
Yanai K, Tashiro M. Pharmacol Ther. 2007 Jan; 113(1): 1-15.

5)Antioxidant components of naturally-occurring oils exhibit marked anti-inflammatory activity in epithelial cells of the human upper respiratory system. Gao M, et al. Respir Res. 2011; 12(1): 92.

6)Complementary and alternative interventions in asthma, allergy, and immunology.
Bielory L. Ann Allergy Asthma Immunol. 2004 Aug; 93(2 Suppl 1): S45-54.

7)Conventional, complementary, and alternative options for seasonal allergies.
Moyad MA. Urol Nurs. 2008 Jun; 28(3): 227-8.

8)Chamomile: A herbal medicine of the past with bright future.
Srivastava JK, et al. Mol Med Rep. 2010 Nov 1; 3(6): 895-901.

9)'Benifuuki' green tea containing o-methylated catechin reduces symptoms of Japanese cedar pollinosis: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial.
Masuda S, et al. Allergol Int. 2014 Jun; 63(2): 211-7.

 

 

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