台湾の漢方クリニック・フルコース体験

2016年02月19日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第15回

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台湾で訪れた「中醫(漢方医)」。診察後、「陰」に偏っている私には「陽」を補う漢方薬とサプリを処方してもらいました。この他に、鍼(ハリ)、おへそを暖める丹田灸、伝統マッサージ「推拿(トゥイナー:すいな)」も初めて体験してみました。

脈でわかった私の体質は「虚寒」


問診と脈診、そして、話しながらさりげなくチェックされていた舌の状態などから先生が私に告げたのは、「かなり『虚寒(シューハン)』ですね」という診断。連載第13回に載せた図を再掲しますが、陰陽の気のうち、陰の気が大きい状態が「虚寒」です。

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確かに、ものすごい冷え性で寒がりで、眠りも浅く、疲れやすいのです。なので、「陽」の気を補い、胃酸を抑えて神経をリラックスさせる漢方を処方するからねと説明を受けました。ついでに、代謝アップとダイエットにも効果があるというサプリも出してもらいました。実はこの漢方クリニック、普通の病気の他に、漢方による体質改善を促すダイエット・豊胸(!)・アンチエイジング、鍼によるフェイスリフトアップまで対応しています。

体質改善が目的だったので、漢方薬とサプリは一ヶ月分をお願いしました。先生によると、台湾に来るたびに診察を受け、長期分の漢方薬をもらって帰る外国人の患者さんも多いのだそうです。

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▲漢方薬とサプリ一ヶ月分

これで一ヶ月分です。台湾の粉の漢方薬は一包の量が多くてびっくりします。私はこれまでずっと、薬を口に入れてから水を飲んでいたのですが、台湾の人は先に水を口に入れてから薬を飲むんです。まねしてみたら、粉薬がダイレクトに舌に触れないので、苦くて量の多い粉薬も楽に飲むことができました。ささいなことですが目からウロコの発見。

初めての鍼と丹田灸を体験


せっかくなので、パソコンワークでがちがちになっている上半身もなんとかしてもらおうと、鍼治療もお願いしてみました。別室に案内されると、そこはベッドが並んだ施術室。うつ伏せになった私の首・肩・腰に先生が鍼を打っていくのですが、ものすごく無造作に刺していくにもかかわらず全然痛くありません。鍼を打ち終わった後、一部の鍼にワニ口クリップをつけて電気も通します。電気が流れているところだけ、ピリピリと痛気持ちいい。

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▲鍼を打った後、電極をつなぐ

漢方医学の理論に基づいた伝統マッサージ「推拿」


次のメニューは「推拿(トゥイナー:すいな)」。台湾のマッサージはとても有名ですが、こちらは普通のマッサージとは違い、漢方医学の理論に基づいたもので、街のどこにでもある訳ではありません。

漢方では、体内の代謝をつかさどる気や血、体液などが流れている経路を「経絡(ジンルオ:けいらく)」と呼びます。「推拿」では、経絡やツボを刺激してその流れをよくします。それから、手技を使って陰陽のバランスを整え、こわばった筋肉をほぐし、骨格などのゆがみを直します。実際に行われる行程は、マッサージと整体を合わせたようなものです。

大きな違いは、台湾で一般的なマッサージよりもはるかに優しいこと。ぐいぐい押しまくり、揉みまくってほぐすという感じではなくて、優しくさすられている時もあれば、じっと一か所(そこがツボなのでしょう)を押さえられている時間もあります。

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▲推拿の様子。さする動作が多い

逆に、普通のマッサージでは念入りに揉みほぐされる肩や腕・足などは全然力を入れて揉まれません。私は気の流れも血の流れもわかりませんが、随時それらの流れ方をチェックしながら進めていることはわかります。ああ、私、今身体をメンテしてもらってるなあ。

「推拿」は、漢方医の先生ではなくて専門の推拿師さんが行います。最後のステップは、日本の整体と似た感じのストレッチなのですが、日本の整体よりもはるかに強い力で連続して押されます。お医者さんの本気の心臓マッサージさながらの、肺の空気が全部出るくらいの勢いです。全体重をかけてのしかかられるので無茶苦茶重いですが、痛いということはありません。
整体と同じく首周りを「ぽきっ!」とやるのもありまして、「骨がすごい音しましたよ!」と言うと、推拿師さんは笑って、「いやいや、これはこわばっていた筋肉がほどけた音ですよ」とのこと。

丹田をぽかぽか暖めるお灸、気持ちいい!


最後はおへそのお灸です。いわゆる「丹田灸」ですが、丹田を暖めることで内臓のはたらきを活性化し、むくみや便秘、生理痛などをやわらげる効果があります。おへそに直接もぐさを乗せるのかとどきどきしていましたが(そういうタイプもあります)、ここの丹田灸は陶器のボウルの天井部分に固形のもぐさがついていて、間接的に暖めるスタイル。おへそを燻製にするかのようにボウルをかぶせ、タオルをかけるとおなかがぽかぽかしてきます。気持ちよくて爆睡してしまいました。

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▲「おへそ燻製器」。真ん中がお灸

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▲おへそに乗せ、この後タオルをかけて40分

診察から鍼、灸、推拿まで、フルコースで体験した2度目の漢方医体験。実はまだ漢方薬は飲み始めていません。寒い日本でそろそろまた胃の調子が狂ってきたので、漢方薬と食べ物で「陽」の気を補給しにかかるとしますか。


プロフィール

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松浦優子
東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾・台北に語学留学し、すっかり台湾に魅了される。帰国後に日本語教師資格を取得し、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの日本語翻訳などを手掛ける。その後も台湾には年数回のペースで訪れ、一年のうち約1か月は台湾に滞在。現地の友達との旧交を温めつつ、もっと深く台湾を知るべく取材活動を行っている。

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