ボケは40代に始まっていた〜その1

2015年11月04日

 

大切な約束をすっかり忘れていた、偶然顔を合わせた同級生の名前が思い出せない、会社の電話番号をド忘れした、携帯電話をどこに置いてきたかわからない、クイズ番組で回答がわかっているのに答えが出てこない……中高年になると、誰もが悩まされるのが物忘れです。

ボケと物忘れはどう違う?

 

そして、物忘れの頻度が増すにつれ、これは単なる老化なのか、もしかしたら認知症の始まりではないかという不安に直面します。加齢による物忘れと認知症、いったいどこが違うのでしょうか。

年齢を重ねると、昔ほど頭が働かなくなったなあと感じる瞬間は多々あります。しかし、老化による物忘れの場合は、体験したことが記憶の帯となってつながっています。一方、認知症による物忘れは、体験したにもかかわらず、その記憶が抜け落ちてしまっているのです。

たとえば、昨日の夕飯に何を食べたか覚えていますか? 「何だっけ?」と思い出せなくても、心配いりません。どんな献立だったか思い出せなくても、誰とどこで食事をしたかを覚えていれば大丈夫です。認知症による記憶障害の場合は、昨日食事をしたかどうかがわからなくなってしまうのです。

人の名前や物の名前がとっさに出てこなくても、何かヒントがあれば思い出せるのであれば、まだまだ認知症を心配する必要はないというわけです。

 

脳のどこに異変が起こるか

 

認知症には、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症といった種類があります。このうち最も発症数が多いのがアルツハイマー病です。

 

アルツハイマー病は、脳の神経細胞が冒され、委縮する病気で、脳の部位のうち、まず記憶をつかさどる「海馬」に変化が現れます。記憶は、1、脳に情報をインプットする「記銘」、2、それをキープする「保持」、3、必要に応じて取り出す「再生」という3つの過程から成り立っていますが、アルツハイマー病では記銘と保持の能力が大きく低下します。

そのため、中核的な症状として、時間や場所の見当がつかない、新しいことが覚えられないなどの記憶障害が生じます。病気が進行すると、指令を出したり、運動を司る大脳皮質にも委縮が及ぶようになり、日常生活に支障をきたすようになります。脳の委縮とは神経細胞の死を意味しているのです。

自分の物忘れはまだまだ大丈夫と安心しきってはいけません。認知症の症状が出る10〜20年前には、脳の中ではすでに神経細胞がくたびれ始めていることが、最近の研究で明らかになりつつあります。今のうちから、認知症予防を実践することが大事なのです。

 

ライター/森田理恵子(もりた・りえこ)

参考文献:『ボケは40代に始まっていた』西道 隆臣編著(かんき出版)

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