ノンカロリー甘味料は、肥満、心疾患、その他の健康問題に関連

山野秋生 | 世界の論文から見える最新の健康・栄養ニュース 第19回

ノンカロリー甘味料に、ダイエット効果を期待する人が多いかもしれませんが、意外にも肥満や生活習慣病のリスクを高めるという報告が多いそうです。妊婦の摂取による胎児への悪影響も指摘されています。

 

 

ノンカロリー甘味料は、長期的な体重増加をもたらし、肥満、糖尿病、高血圧、心疾患などのリスクを高めるようだ、という研究結果が『カナダ医学会雑誌(CMAJ)』に発表されました。

 

アスパルテーム、スクラロース、ステビアなどのノンカロリー甘味料は、現在では様々な食品・飲料に使われています。最新のデータでは、ノンカロリー甘味料には、代謝系、腸内細菌、味覚などにネガティブな影響を及ぼすことも示唆されていますが、現在のところエビデンスには不一致がみられハッキリした結論には至っていません。

 

ノンカロリー甘味料の摂取が長期にわたって健康に負の影響を及ぼしているかどうかを検証するために、マニトバ大学の研究チームは、37件のこのテーマに関連する先行研究について、システマティック・レビュー(系統的レビュー)を実施しました。これらの研究には総計4万人以上の平均10年にわたる追跡データが含まれていましたが大半が観察研究で、うち7件の研究(1,003名を平均6か月追跡)だけが、ランダム化対照臨床試験という信頼性の高い種類の介入研究でした。

 

ノンカロリー甘味料は健康リスクを高める

 

レビューの結果、介入研究では、ノンカロリー甘味料は、減量効果を示す場合と示さない場合があって一定せず、長期の観察研究では、ノンカロリー甘味料の摂取は、体重増加と肥満、高血圧、糖尿病、心疾患その他の健康問題の相対リスクをむしろ高めることが示されていることがわかりました。

 

「何千万もの人々が日常的にノンカロリー甘味料を摂取しているという事実にも関わらず、その臨床試験は、かなり少数の参加者を対象にしたものに限られています」と研究チームのリアン・ザリチャンスキー博士は語っています。「私たちが発見したのは、介入研究のデータがノンカロリー甘味料を体重管理に用いることの有効性を明確に支持してはいないということでした。」

 

「ノンカロリー甘味料の長期健康影響が完全に明らかにされるまでは、データは注意して取り扱わなければなりません」と筆頭研究者のメーガン・アザッド博士は語っています。

 

妊婦のノンカロリー甘味料摂取は胎児に良くない?

 

博士らの研究チームは最近、「カナダ健康乳幼児縦断発育(CHILD)」研究の解析から、妊婦のノンカロリー甘味料摂取が、子供の高いBMIに関連していることを発見しました。「けれども、私たちはこの関係の背後にある生物学的な原因を知りません。私たちは、乳幼児の便や尿の解析から、腸内細菌と代謝について調べているところです。この研究は、妊娠中のノンカロリー甘味料の摂取が乳幼児の体重増加にどう関与しているかを明らかにする助けになるでしょう」とアザッド博士は語っています。

 

分からない部分も多く、さらなる研究が必要

 

ノンカロリー甘味料の使用がますます高まっていることと、肥満とその関連疾患の世界的な流行を考えた時、その長期のリスクと有効性を明らかにするためのさらなる研究が必要なことは明らかです」とアザッド博士は語っています。

 

本研究は、カナダ・マニトバ州ウィニペグにあるマニトバ大学ジョージ&フェイ・イー・ヘルスケア・イノベーション・センターとマニトバ小児病院研究所の研究チームによって実施されたものです。

 

出典:『カナダ医師会雑誌

編集者プロフィール

  • 山野秋生(やまの あきお)
  • 薬学博士。専門は栄養学。科学的根拠に基づいた栄養と健康に関する知識の普及および啓発活動に努める。ダイエットアプリ『Mealthy』の理論面のサポートも担当。《ダイエットアプリ》 Mealthy

連載情報

コメント

この記事へのコメントはありません。

この記事の関連ワード

新着の記事

Sidekibit b 36721a96ca968326c426bd24e800e7fbdce16ea2edb7fe133c34a0ba4a2e3c89

人工知能KIBITが、あなたに合った記事をおすすめします。 初めてKIBITに教えた時は翌朝までお待ちください。