西洋医学と漢方、上手く使い分けるのが台湾の常識

2016年01月08日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第9回

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台湾では西洋医を「西医」、漢方医を「中医」と呼び、それぞれが大事な役割を担っています。また、漢方食材店や漢方薬店とも上手に付き合い、日ごろから健康管理をしています。実際のところを台湾の人たちに聞きました。

紀元前の漢方医学書、いまだに健在


台北の「誠品書店」信義店は、私が足しげく通う大好きな総合書店。3階の「健康・医療」売場をちょっとのぞいてみると、漢方関連書籍の多さにびっくりします。床から天井までの大型書棚3つ分が漢方の本で埋め尽くされている様子は圧巻の一言。しかも、前漢時代(紀元前206-8年)に書かれたという中国最古の医学書『黄帝内経』や、16世紀の薬草辞典『本草綱目』の「現代版」が続々と出版され、平積みで売られています。漢方医学に関する解説書も豊富で、漢方が現代にも通用する医学として広く親しまれていることがわかります。

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西洋医と漢方医の使い分け、なんと全員が同じ答え


台湾にももちろん、日本と変わらない最新設備の整った普通の病院はたくさんあります。私も風邪をひいた時に何回か受診したことがあります。じゃあ、どんな時に漢方医(中医)に行くんだろう? 10人以上の台湾の友人に尋ねてみたところ、判で押したように同じ答えが返ってきました。
「急性の病気はまず西医に、慢性的な病気は中医に行くんだよ。」

急に熱が出たとか、お腹がいたいとか、ケガをしたというような場合は、台湾の人も日本と同じようにまず西洋医の病院に行って治療します。それ以外の体の不調、例えば月経不順、高血圧、糖尿病など慢性的な病気の場合は、漢方医を頼ります。
「あのね、西薬(西洋薬)はその場で症状を抑えてくれるもので、根本的な原因は解決してくれないの。体質を改善して病気の元をなくすには、やっぱり中薬(漢方薬)じゃないとダメなわけよ。」
・・・なるほど。

そもそも私、病気というものが降りかかってきたらその都度薬でやっつけるという考え方しか持っていませんでした。「体質改善」なんて、野菜をたくさんとって便秘しないように気をつけるとか、その程度しか頭になかったかも。

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みんなが漢方に詳しいわけではないけれど


台湾の友人は私と同世代の30~40代が多いのですが、別に「健康オタク」が多いわけではありません。むしろ、みんな働き盛りで健康を顧みる暇もないような感じです。それでも、漢方について話をふってみると、漢方の基本概念に照らした食べ物の選び方はわかっているし、本人が詳しくなくても、近いところに漢方に詳しい友人・知人が必ずいるようで、やはり漢方の普及度が日本とは全然違うんだなあと実感します。

台湾には、「中医」という看板を掲げた漢方医のほかに、「中薬(漢方薬)」店もたくさんあります。「なんとなく調子が悪いな」と思った時には、とりあえず「中薬」のお店に行って気軽に相談できるんだそう。また、「台北のアメ横」・迪化街(ディーファージエ)には、薬膳スープに使う「中薬材(漢方食材)」を扱うお店がたくさんあるのですが、干ししいたけやドライフルーツ、からすみと一緒に漢方食材を売っていたり、漢方食材と漢方薬のお店を兼ねていたり、色々なタイプの店があります。漢方の世界では、食材と薬がシームレスにつながっているんですね。

私が取材も兼ねて漢方医に行くつもりだという話をしたら、
「あ、中医行くの? そしたら、薬を出してもらう時に、スープに入れるタイプのやつを出してもらうといいよ。」
「へ? スープに入れる薬?」
「そう。薬膳スープを作る時に一緒に入れられるようになってる。」
・・・それは薬なのか。漢方食材と漢方薬の境目が、本当にわからなくなってきました。

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プロフィール

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松浦優子
東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾に語学留学。帰国後に日本語教師資格を取得、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの翻訳などを手掛ける。台湾には年数回「里帰り」。

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