これは揃えておきたい!常備薬にオススメ、市販の漢方4選

2017年03月16日

はぐれ薬学院生(♀)の “しみる” ひととき 第46回

 


漢方は体質にあったものを長く飲み続けなければいけないというイメージはありませんか?実は、市販の漢方薬の中には比較的体質を問わず、とっさのケガや不調にも対応できるものがあります。家庭の常備薬として持っておくと便利な4つをご紹介します。

 

おすすめ常備薬その1.葛根湯~かぜでゾクッとした時、首肩が凝っている時~


葛根湯(かっこんとう)はすべてのかぜに効くわけではありませんが、なんだかんだ持っておくと便利な漢方です。とにかく、ひき始めの「ゾクッ」とした時にすぐ飲むのが◎(「やっぱりかぜかな」と買いに走るのはちょっと遅いかも)。実は、葛根湯はかぜ以外にも首肩のコリにも使うことができるので、手元に常備しておくのがオススメです。

 

● 向いている症状
かぜのひき始め、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や方の痛み


● 向かない症状
汗がでるタイプのかぜ、のどかぜ、ひき始めて3日以上たったかぜ

 

おすすめ常備薬その2.五苓散~二日酔いや頭痛、むくみに~

 

五苓散(ごれいさん)は水分代謝の異常によって起こるむくみやめまい、吐き気、頭痛といった症状を和らげてくれます。水分をとにかく出す利尿薬では効きすぎると脱水してしまいますが、五苓散は「水の足りないところは足して、多すぎる所からは引き抜く」という作用があるので、体の水分バランスを整えてくれます。実際、近年の研究で「アクアポリン」という細胞内外で水のやり取りをする出入り口に五苓散が作用していることがわかってきました。

 

体質を問わず使える上、多彩な症状に使えるので、個人的には常備薬として一番オススメしたい処方です。最近、小林製薬が二日酔いの頭痛に「アルピタン」という薬を発売しましたが、実はこれも、漢方薬の「五苓散」。常備薬候補のひとつです。

 

● 向いている症状

二日酔いによる頭痛や下痢、片頭痛、むくみ、めまい、乗り物酔い


● 向かない症状
しぶり腹(残便感があり、腹痛を繰り返す人)、重度の頭痛

 
 

 

おすすめ常備薬その3.芍薬甘草湯~こむら返りや急なけいれん性の筋肉痛に~


この漢方薬も、「コムレケア」という名前で売られているので、実は馴染みが深いかもしれません。
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は筋肉がけいれんするタイプの急激な痛み(さしこむような痛み)に効く漢方薬です。細胞にカルシウムイオンが入るのを抑え、けいれんと痛みを和らげる「芍薬」と、炎症を抑える「甘草」の2つだけでできている切れ味の鋭い漢方薬です。


運動不足の方が急な運動で足がつってしまったとき、寝る前にこむら返りが起こる方などに適しています。また、生理痛や腰痛にも使うことができます。


長期的に飲むのではなく、痛みを感じた時に単発で飲むタイプの漢方薬です。

 

 

● 向いている症状

急性の筋肉がけいれんする痛み、足のつり(こむら返り)、腰痛


● 向かない症状
慢性の痛み、神経性の痛み


甘草を含んでおり、体のイオンバランスに影響するため、利尿剤を飲んでいる方や腎機能が落ちている方、心臓病や高血圧の方、糖尿病の方は注意が必要です(電解質異常が起こり、不整脈などにつながる可能性があります)。
また、症状が起きてから飲むタイプのお薬なので、予防には使えません。

 

 

おすすめ常備薬その4.紫雲膏~急なやけど、切り傷、痔に~


料理などで軽いやけどをしてしまった時に、昔から使われている紫雲膏(しうんこう)。これは日本初の漢方薬で、世界で初めて全身麻酔手術をしたことで有名な江戸時代の外科医、華岡青洲が考案したものです。

 

やけど以外にも、うっかり作ってしまった切り傷や湿疹など、軽い皮膚のトラブルに幅広く使えます。見た目の色(紫根が使われているので赤紫色)やベトベトした使用感、胡麻油の独特の匂いで敬遠する方もいらっしゃいますが、長く使われてきた良い薬だと思います。

 

紫根(抗菌、解熱・抗炎症、創傷治療の促進)と当帰(血行促進)が傷の治りを早め、胡麻油、みつろう、豚脂でしっかり保湿をしてくれます。

 

 ● 向いている症状
皮膚が乾いて(カサカサ)熱感のある状態
急性のやけど、切り傷、湿疹、あぜも、あかぎれ、痔など

 

● 向かない症状
重度のやけど(市販薬で対応できるのは最も軽度なⅠ度のやけどまでとなります。水ぶくれができたり、色素沈着が起こるようなやけどは皮膚科へ)
皮膚がじゅくじゅくしたり、化膿している状態
傷ができて時間がたっているもの(傷跡を薄くしたい場合は、「アットノン」のようなヘパリン類似物質が入っている塗り薬を使いましょう)

 

日常の軽い不調には漢方もオススメ、でも重い症状、長引く症状はお医者さんへ!


こうして見てみると、西洋薬ではカバーできない多彩な症状に漢方薬が使えることが改めてわかりました。もちろん、これらで対応できるのは応急的な軽い症状まで。重い・激しい症状や長引く症状は、市販薬に頼り切らず、お医者さんに診てもらってくださいね。

 

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