受診のときにできること 小児科の待ち時間を短くしたい2

2017年02月15日

小児科医 Dr. しろくま子の“みんなも知っていたらいいのにと思うこと”(水曜更新) 第53回


前回は受診するまでにできることという視点で、待ち時間を短くする工夫を考えました。今回はまさに小児科外来で待っているとき、どうするかという話です。

待ち時間を長くしているのは、誰なのか。それに合わせて対策を考えていきますと・・・

 

1.医療者側が原因となっている場合

 

1) 医師の診察が遅い

 


いきなり弁解みたいで恐縮なのですが、これが原因であることは意外と少ないと思います。
もちろん、診察が遅い医師もいます。だけど彼らはふつう上司や看護師さんから圧力をかけられます。指導されたり厭味を言われたりするわけです。確かにそれでもスピードを上げないか上げられない人もいます。でも多くの医師は、待っている患者さんの人数に合わせてスピード調整をしているはずです。
 

2) 事務手続き、検査などに時間がかかっている

 

カルテを出すとか、検査の結果を入力するとか、ちょこちょこしたところで足止めされていて、なかなか診療の準備が整わないことがあります。

 

上記の二つが原因の場合に患者さん側ができることは、以下の二つかと思います。

 

(1) 受付の人や看護師さんに声をかけて聞いてみる

 


 

患者さんからの一言は、原因となっている部門に催促が行くきっかけとなります。「患者さんから疑問を投げかけられる」というのは、苦情の一歩手前だという意識を持つ職員は多いはずです。


(2) 投書する


大きな病院には「みなさまの声」のようなポストがあります。こちらへの投書は院長などの幹部が目を通すので効果絶大です。部門管理者に改善の命が下ることが期待できます。

 

2.患者さん側が原因となっている場合

 

3) 重症の患者さんが来院した


これに対しては、どうにもできないような気がします。どうかおゆるしを。

 

4) 患者さんが時間をとっている


特に小児科外来では、小さなロスタイムが積み重なってみんなの待ち時間を長くしているきらいがあります。以下、具体的にみていきます。

 

(1) 診察室での脱ぎ着
子どもの服を着脱するのに、とても時間がかかることがあります。特に赤ちゃんでは、ロンパースの股のボタンに手間取ります。できるだけ脱ぎ着しやすい服で来て、あらかじめ股のボタンは外しておいてもらえると助かります。(第35回参照)
そして診察後の丁寧な身支度も、部屋を出てからお願いします。コートを羽織るとか、診察室の中でなくてもいいですよね?小児科外来の待合室にはベビーベッドがあって、ゆっくりロンパースのボタンを留め直すこともできるはずです。

 

(2) 診察台でオムツ替え

 


 

診察で服を脱がせたらオムツが濡れていることに気づくことはよくあります。早くキレイにしてあげたいのは当然だと思います。でもオムツ替えは診察室を出てからにしてもらえると、次の方を早く呼ぶことができます。

 

(3) 子どもが飲食している

 


 
待ち時間が長くて子どもがぐずると、なんとかして静かにさせたいという気持ちはわかります。食べ物は手っ取り早く乳幼児の気を逸らすことができますものね。診察室に入ってきたとき、お菓子や飴を食べている子を時おり見かけます。このような状態だと、口の中の診察ができません。食べ物を出してもらい、口をゆすいでもらう必要があります。診察直前、診察中の飲食はぜひ避けるようにしてください。

 

(4) 質問をまとめておく(後だしにしない)


処方箋を渡して「お大事に」と言ってから、「そういえば、前から気になっていたんですけど…」と戻ってくる方がいらっしゃいます。その結果、処方箋を書き直すことになることもあります。したがって待ち時間のあいだに用件を整理しておいてもらえると助かります。

 

(5) 受診に必要なものがそろっていない


これが意外と時間を取ります。詳しくは第34回を参照してください。

 

以上、後半はお願いばかりになりましたが・・・。どうも直接は注意しづらいのです。ただでさえ医者は保護者にこうしろ、ああしろと言ってばかりで、さらに「ここでゆっくり着替をしないで」なんて厳しい態度をとりにくいのです。赤ちゃんの親は疲れていたり、すでに精いっぱいやっていたり、心が折れそうだったりもするのに、注意ばかりされると本当につらいと思いますし。だからこうして客観的な情報媒体であるWeb上でポイントを示せたらなと考えて書きました。多くの方が実施してくだされば、きっと待ち時間はだいぶ短くなります。ぜひとも温かいご協力を!

 


プロフィール

Dr.しろくま子

 

20世紀の末に某国公立大学医学部卒業。二児の母。両親は非医師。フルタイム勤務に復活する際、保育所探しに難渋して転居。通勤・夜間労働と子育てに四苦八苦で家が荒れる。三十代前半に配偶者事情で北米へ。帰国後は小児科一般診療や専門外来を担当。好きなものはテディベア、通勤電車での読書。ドイツ語が少し読めるようになってきました!

 

編集:プサラ研究所

 

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