音楽はアンチエイジングの妙薬

2015年12月15日

聴くだけでスッキリ! Dr.藤本の「音楽は名医」(全12回) 第7回

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いつまでも若々しく現役でありたい―科学が発展した今日、男女共通のこの願いを叶える方法は様々ありますが、そのひとつに音楽を活用できることをご存じでしょうか?

音楽を効果的に日々の生活に取り入れ、気軽に聴く習慣を持つことは、加齢によるホルモン分泌の低下や自律神経の恒常的な乱れの解消に役立ち、心と体の若さと健康をサポートします。

音楽を聴いて若返る

老化~加齢によって体内に起きる現象で現在までに明らかになっていることを医学的にわかりやすく解説すると、主に5つのトピックを挙げることができます。 それらは、
①ホルモン分泌の減少、それによる代謝の衰え、脳を始めとした各種機能低下
②酸化
③糖化
④脱水
⑤自律神経の恒常的な乱れ
ということになります。
遺伝的な要素に起因するものもありますが、この中で②~④については日常生活における食生活や運動を含む生活習慣を見直したり、ストレスファクターをできるだけ遠ざける生活を再考することで状態が改善し、また我々医師および専門の医療機関を頼ることで受けられる検査、治療、施術、投薬といった対応策もあります。人間にとって最大の臓器である皮膚において、こうした衰えやエイジングのサインは見た目に顕著である分、努力や治療がわかりやすい結果に結びつくものでもあることでしょう。見た目のアンチエイジングという意味では、姿勢や服装、ヘアスタイル、基礎化粧品、メイクアップといったものを工夫することでもだいぶ変わってくることと思います。

こうした前提を踏まえた上で、老化をこれ以上進行させずむしろ今よりも若返るために音楽の力を借りることは、先に挙げた加齢に伴う ①ホルモン分泌の減少 と ⑤自律神経の恒常的な乱れ に対し有効です。
近年、音楽は脳に働きかけるということが、科学的に証明されるようになりました(vol. 1)。脳を刺激する音楽を活用すれば、脳がコントロールするホルモンの分泌を促したり自律神経を整えることができるのです。生活習慣の改善や周辺環境の見直しはもちろんですが、音楽を聴くことでもアンチエイジングが叶うということになります。

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直接・間接 二重に期待できる音楽のアンチエイジング効果

医学的に美肌とアンチエイジングに直接関連する主なホルモンを考えてみると、例えばヒト成長ホルモン(HGH:Human Growth Hormone)やDHEA、男性にとってはテストステロン、アンドロステロンを始めとした男性ホルモン、女性にとってはエストロゲン、プロゲステロンを始めとした女性ホルモンなどがあります。これらにプラスして代謝を司る甲状腺ホルモンや、またこのシリーズでもお話ししてきた「幸せホルモン」「自信ホルモン」と呼ばれるセロトニン、記憶に関わるアセチルコリンや「脳内麻薬」とも呼ばれるβ‐エンドルフィンといったものも挙げることができるでしょう。いずれも加齢とともに活性が下がり、皮膚はもちろん、日々のモチベーションや好奇心、記憶力、運動能力といったものにも影響を与えるホルモンです。

音楽を意識的に聴くことで叶うホルモンへの働きかけとしては、活性の度合いを若かりしころのピーク時まで回復させることは難しくても、定期的に聴き続けることで、ある一定の活性化を望むことができるということが挙げられます。また、ホルモンの活性はストレスがかかることでブロックされてしまうことも多々あるため、ストレスを軽くするために音楽を採用することで、ホルモン活性は正常な機能を取り戻す方向にまた舵を切ることができます。加えて、アンチエイジングに重要なこれらホルモンは、良質の睡眠により活性化されますが、シリーズvol. 5でお話ししたように、音楽は良い睡眠を得ることにも効果を発揮します。つまり音楽にはアンチエイジングに対し直接的な働きかけと間接的な働きかけのどちらも期待することができるのです。

適度な運動や食生活、生活習慣の改善と同じように、とても健康的で自然な若返り方法として音楽は大変有効であると思います。

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知覚・言語・思考など高次機能を操る新脳にはモーツァルト
食欲・性欲・睡眠欲など生存欲求を操る旧脳にはジャズ

では、アンチエイジングのためにどんな音楽を聴けばよいのか? については、クラシック音楽でいうとモーツァルトなどはとても良いと思います。ロココ様式と呼ばれる装飾音の多い軽快で優美な曲、長調を主とした、明るく、華やかで転調も鮮やかな曲を特徴とするモーツァルトの楽曲は、新脳(大脳新皮質)に良い刺激を送る要素に事欠きません。新脳は知覚、言語、随意運動、思考、推理、記憶など脳の高次機能を司りますが、音に関しても複雑で知的、幅広い周波数のある豊かで重厚感あるメロディとハーモニーを好み、またそれによって反応を起こします。一曲の楽曲の中に比類ないアイディアがぎっしりと詰め込まれたモーツァルトの楽曲は「快」に満ち溢れていますし、また聴いたことのある馴染み深いものも多いので、聴けばわくわくとした気持ち、前向きな気持ちを思い出させてくれることでしょう。

クラシック以外ではジャズもアンチエイジングにぴったりなジャンルです。こちらはモーツァルトとは一転、セロトニンが深く関わる旧脳(大脳旧皮質)を刺激していきます。音の中で旧脳がとりわけ好むのはリズムであり、心地よいリズムによる刺激が日ごろから様々なストレス、プレッシャーによって抑え込まれた旧脳を解放し、ホルモン活性を高めます。身体と心が解けていくような、リラックスできるものを選んでみてください。

この他、安眠を誘うものに焦点を当てることも有効でしょう。このジャンルでは例えばマイスキーの「ララバイ」など聴いたことのない方は試してみてください。僕自身とても気に入っている曲です。

運動や食事と同じように、音楽も試行錯誤しながら自分に合うもの、お気に入りのパターンを見つけることにもまた楽しみがあるかと思います。昔と違って今はあらゆる楽曲を気軽にダウンロードできたり、インターネットで検索できる時代ですので、ぜひご自身にとってのベストナンバーを探してみてください。

次回は、私が日々追及する美肌に焦点を当ててお話します。

プロフィール

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藤本 幸弘(ふじもと たかひろ)
クリニックF院長、医学博士、工学博士

麻酔科医として勤務した痛み治療外来でレーザーによる痛み治療と出会い、レーザー専門医の道に転向。現在は主にアンチエイジング領域におけるレーザーに特化した研究を行っている。海外で精力的に研究発表を行う中、自身の趣味でもあるクラシック音楽の科学的効果についても独自に検証を行う。本年ユニバーサルミュージック社よりCD「聴くだけでスッキリ」シリーズを刊行。クリニックFでも自ら選曲を行い診療に役立てている。

参考サイト
クリニックF http://clinic-f.com/
藤本先生ブログ http://clinic-f.com/blog/

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ララバイ
ミッシャ・マイスキー

チェロの詩人マイスキーが愛する子供達のために演奏した曲は、一度は耳にしたことのある親しみやすい曲ばかり。しっとりした、それでいて暖かみを感じる音色は心をほぐし、若さと健康に不可欠な上質な眠りをサポートしてくれるでしょう。

品番:UCCG-4718
価格:¥1,646(税込)
レーベル:ドイツ・グラモフォン
発売日:2010年11月10日
発売元:ユニバーサルミュージック合同会社
http://www.universal-music.co.jp/mischa-maisky/products/uccg-4718/

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