効果的に聴いて、より不調がスッキリ。音楽を聴く4つのポイント

2015年12月08日

聴くだけでスッキリ! Dr.藤本の「音楽は名医」(全12回) 第6回

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「弦の響きには幾何学があり、天空の配置には音楽がある」-有名なピタゴラスの言葉です。僕自身、医学を始め、数学、物理、化学、工学、薬学・・・といった主に理系の学問に傾倒していますが、理系の学問を得意とする人々は数式を解く面白さと同じような好奇心でもってクラシック音楽に魅了されている人も多い気がします。音楽は人類共通のものでありあらゆる文化に様々な形で存在しますが、これはヒトに限ったことで、ヒト以外の動物には音楽がほぼ存在しません。

ヒトと音楽はDNAレベルで繋がっている

人類史の中で最初は天災や外敵から身を守るために音楽は生まれたと考えられています。自らの声や、手を使い打楽器の先祖となるもので音を組み合わせる中でまずリズムが生まれ、それがいつしかメロディーとなり、ハーモニーを楽しむようになった、音楽が祈りを生み、舞を生み、祭りを生み出した・・・人間であれば生まれたばかりの赤ちゃんでも音楽を認識しますので、ヒトとして生まれた以上、我々の想像を遥かに超えたDNAレベルでヒトと音楽は繋がり、その歴史の中で常に身近にある存在であったことは間違いありません。

今回そんな音楽に、サイエンスの発展があったからこそ可視化できるようになった医学的な意味や効果について誰もがわかるような解説をつけることで、今まであまりに身近にあるからこそあえて注目をすることもなかったその音楽が持つ「力」に今一度注目し、敬意を払い、意思を持って日常生活に取り入れる、そんなきっかけのひとつに僕のコラムがなればいいな、と考えています。

さて、ここまでは、リズム、メロディー、ハーモニーが三位一体となりいわば「音の集大成」とも言える音楽が、聴覚を通してヒトの脳に働きかけ、自律神経を整えたり、ホルモンの活性化を促進させる仕組みをお話してきました。

脳はより複雑で難解なものを好むことから、最初は聴きなれなくとも理解が深まるにつれその良さがじわじわとわかるもの、数ある音楽ジャンルの中でもクラシック音楽のような周波数が幅広く、一曲を奏でるために必要な時間数も長く、理論構築と構成がしっかりしている音楽を積極的に取り入れることでより効果が増す、というお話もしてきたかと思います。

今回はそうしたクラシック音楽の楽しみ方、聴き方のポイントをご紹介します。

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ポイント1:音楽を記憶してワクワクする

これはクラシック音楽に限りませんが、曲を何度も聴き込みメロディーを記憶することは、脳の活性化につながります。そしてどんな曲にも「サビ」と呼ばれる、一曲の中で一番盛り上がるパート、その曲の世界観を凝縮したパート、オープニングやクライマックスなど、場所に関係なく聴衆に好まれ支持を得ているパートがあるかと思います。そうした部分を意識して記憶するようにしたり、あるいは単純にその曲の中で自分は一番ここが好きだな、という場所を見つけておくことはとても重要です。

こうした場所がひとつでも見つかると、脳の中に変化が起こります。曲を聴くときに、そのパートがくるぞくるぞ、という期待感が生まれ、まさにその部分がくる直前に、ドーパミンが放出されるのです。期待、そしてワクワク感が脳内快楽ホルモンであるドーパミンの大量放出を助ける、というわけです。ドーパミン放出によって得られる快楽感が、痛みを含めた不快感からの脱却に役立つことでしょう。

ポイント2:曲に浸って全身をゆだねる

何かをしながら、または何かを見たり、何かに気を取られている最中BGMとして音楽を聴く・・・そんな楽しみ方も音楽にはあることでしょう。しかしながら、もし音楽の力を感じたい、音楽を薬として感じたい、という場合には、できたら音楽だけに集中できる環境を一度整えてみてください。身体をリラックスさせ、視覚を刺激しすぎない明りの元、できれば目を閉じてひとつの曲をじっくりと聴いてみてください。このほうが脳も曲に集中できます。特に痛みや悩みがあるとき、意識はどうしてもそちらに向かいます。そこで音の響き、メロディーやハーモニーの美しさ、そのストーリーに意識を集中してみてください。痛みや悩みから少しでも気持ちを切り離すこと、溜まっているストレスから少しでも解放される時間をつくること。これが結果として良い効果を生んでくれます。

ポイント3:繰り返し聴いてリピーターになる

音楽を繰り返し聴くことは、その曲への理解を深めてくれるだけでなく、脳の神経回路もより太く頑丈にします。神経回路が頑丈になると、脳がスムーズにその曲を受け止め消化することができ、自律神経やホルモン活性への働き掛けも活発になります。それにより、ホルモンの全体的なバランスが良くなり、心と体をコントロールしている自律神経が整う効果もより期待できます。音楽がもつ、体の中から調子を整える、まさに「ナチュラルメディスン」的効果をダイレクトに期待できるようになるのです。

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ポイント4:快適な環境で聴く

言うまでもありませんが、環境も大事です。いくら目を閉じ音楽以外の音はできるだけ遮断しても、何か気になる不快な匂いがあったり、お腹が空いていたり、喉が渇いていたり、何か不自然な体勢をとっていたり、埃が舞うような部屋で聴くのでは心からリラックスすることは出来ません。こうしたこともぜひ少し気にかけてみてください。

また、寝るときに聴く場合は、いつ眠ってもいいように室温を調整したり、照明を落とすか消すのがよいでしょう。そして、音のボリュームも出来るだけ絞り、余計なことは出来るだけ考えず、音楽だけを感じてみてください。

もしそれがうまくいくようであれば、過去にあった懐かしい記憶や、大好きなものや人を思い浮かべてみたり、あなたにとって幸せのイメージとはなんであったかを思い出してみてください。ささやかでも温かく、つい笑顔になってしまうような記憶を手繰り寄せることも脳がとても喜ぶことのひとつです。こうした脳を喜ばせる小さな積み重ねが、少しずつあなたの日常を明るい方角へと導いてくれます。

6回にわたり音楽が不調の改善に役立つことをお伝えしてきましたが、いかがでしたか。次回からは、音楽と美容やアンチエイジングの効果についてお話していきましょう。

プロフィール

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藤本 幸弘(ふじもと たかひろ)
クリニックF院長、医学博士、工学博士

麻酔科医として勤務した痛み治療外来でレーザーによる痛み治療と出会い、レーザー専門医の道に転向。現在は主にアンチエイジング領域におけるレーザーに特化した研究を行っている。海外で精力的に研究発表を行う中、自身の趣味でもあるクラシック音楽の科学的効果についても独自に検証を行う。本年ユニバーサルミュージック社よりCD「聴くだけでスッキリ」シリーズを刊行。クリニックFでも自ら選曲を行い診療に役立てている。

参考サイト
クリニックF http://clinic-f.com/
藤本先生ブログ http://clinic-f.com/blog/

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サン=サーンス:組曲《動物の謝肉祭》、他
マルタ・アルゲリッチ

ヒトだけに存在する音楽。その楽しみは年齢を問いません。この一枚は、家族みんなで楽しめる『音楽で巡るアニマルパーク』。動物の鳴き声や動作がユーモラスなメロディーで表現されています。クラシック界最高峰の豪華な名手達がそろった名演としても聞きのがせません。

品番:UCCD-4344
価格:¥1,728(税込)
レーベル:デッカ
発売日:2015年6月3日
発売元:ユニバーサルミュージック合同会社
http://www.universal-music.co.jp/p/uccd-4344

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