前ぶれもなくおそう激しいめまいや耳鳴り~メニエール病

2016年10月11日

 

最近、めまいを訴えてクリニックを訪れる人が増えているようです。激しいめまいをおこす疾患のひとつにメニエール病があります。30〜50代の女性に多い疾患ですが、このところ30~40代の働き盛りの男性の患者が急増しているといいます。あの有名な画家ゴッホも患っていたといわれるメニエール病とはいったいどのようなものなのでしょうか。

 

メニエール病の症状

 

メニエール病は、難聴・耳鳴り・耳がつまった感じの3つの症状と同時に、激しい「めまい発作」を反復する内耳の病気です。内耳を満たしているリンパ液が異常に増えると、内リンパ水腫を作り、これが神経を圧迫することでメニエール病がおこります。発作は何の前ぶれもなく突然おこり、吐き気や嘔吐などをともなった激しいめまいのため、立つことはおろか、身動きすらできなくなることもあります。

 

発作の頻度は週1回くらいから年に数回程度、1回の発作の時間は数十分から数時間と、個人差があります。発作が治まると耳の症状も軽減するのですが、発作を繰り返すうちに耳鳴りや難聴が改善しにくくなっていきます。
今のところ、内リンパ水腫がなぜできるのかはわかっていません。ストレスの多い働き盛りの年齢にこの病気が多く発症していることから、睡眠不足・過労・気圧の変化などに加え、責任感が強く、几帳面な性格が影響すると考えられています。

 

診断と治療はどうする?

 

メニエール病の診断には十分な問診を行います。めまいの診察では体のバランスを調べるために目を閉じて足踏みをする検査や、目の動きの異常を調べる眼振検査、難聴の有無を調べる聴力検査などを行います。

 

薬を使った治療は、対症療法と予防が目的になります。
発作がおこっているときは部屋を暗くし、音に対しても過敏になるので静かな環境を作るようにします。発作は時間がたてば自然におさまりますが、薬を処方する場合は、めまいや吐き気、動悸、冷や汗などの自律神経症状や不安感を解消するために、抗ヒスタミン剤、安定剤を用います。

 

発作の予防や症状の軽減を図るには、めまい止めや吐き気止め、血行をよくする薬、聴力の改善に役立つビタミンB12、リンパ水腫の改善を目的とした利尿剤などを飲みます。

 

薬を飲んでも発作がおき、難聴の度合いも進んでいくようであれば、手術による治療が必要になってきます。メニエール病患者の中で、手術を行うのは10%程度。めまいに対する治療が主で、難聴や耳鳴りの改善はあまり望めないと言われています。

 

メニエール病は難病に指定されている病気で、すぐに完全に治すことは困難ですが、多くの場合、1~2年で自然に改善します。それまでは根気よく治療を続けながら、疲労やストレスをためない生活を送ることがとても重要になります。

 

◆参考文献:『めまい メニエール病を自分で治す本』(マキノ出版)JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診察部長 石井正則氏の記事より
◆主な参考サイト:
日本めまい平行医学会 めまいのQ&A http://www.memai.jp/QandA/QandA-index.html
東京医科歯科大耳鼻咽喉科頭頸部外科 http://tmd-otohns.jp/medical/giddiness.html

 

(ライター/和田朋子)

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