薬を使ってもよくならない?別の医療機関にかかる前に考えること1

2016年09月14日

小児科医 Dr. しろくま子の“みんなも知っていたらいいのにと思うこと”(水曜更新) 第32回

 

「お母さんに処方してもらった薬、あまり効かないんだけど」と、しろくま子に不満顔の我が娘。表情からすると、「あまり」というより「全然効かない」といった感じ。患者さんと同じ控えめな言い方、気を遣ってくれたのかな?でも親をヤブ医者扱いする前に、考えることがあるのですよ。薬というのは「何を」と同じくらい、「どう」使うかが大切なので!

 

そもそも指示通りに薬を使っている?

 

忙しい、忘れた、などの理由で、薬を飲む回数を減らしちゃうという話はよく聞きます。

例えば、

「朝昼晩で5日分の処方をもらったんだけど、昼は保育園で飲ませられないから、朝晩で一週間あげました」など。

しろくま子の娘もこれでした:「めんどくさいから昼はとばした」

 

 

抗生物質などだと、飲み忘れることで効き目がガクンと落ちてしまいます。病原菌を一気にドカドカっと攻めるはずが、武器を小出しにして相手に復活する時間を与えるわけですから。

 

同じくらいよくあるのが、途中で服用をやめてしまう

 

「熱が下がったので次の日から抗生物質をやめたら、その次の日からまた微熱があって…」など。

あまり長く薬を使いたくない気持ちはわかりますが、「解熱した=菌がいなくなった」ではありません。抗生物質は「これならぶり返さないだろう」という日数分が処方されます。治りきらずに薬を飲み直すことになると、結局トータルでは処方の量も種類も増えてしまいます。

 

近ごろは医師のさじ加減でなく、実績に基づいた指針にしたがって処方するようになってきています。つまり、服用の仕方にはちゃんと理由があって、なんとなく変えるべきではないのです。

 

指示された用法が守れないときは

 

 

自分でテキトウに薬の使い方をアレンジせずに、処方を変えてもらうといいと思います。処方されるとき、「昼は飲めそうもない」「眠くなる薬はきつい」などの事情を素直に言いましょう。世の中には似たような別の薬がいろいろあるので、考えてもらえることも多いはずです。あるいは、次善の策を相談できるかもしれません。昼・夕食後の代わりに、帰宅後と寝る前に飲むなど。

 

もちろん、あんまりワガママを並べると(「それも無理、これもダメ」と連発すると)、さすがに「治す気あるの?」という顔をされちゃいます。だからボチボチ譲歩もよろしくお願いします。

 

そして薬をもらうとき、薬剤師さんに質問するのもいいと思います。「食後っていうけど、空腹ではいけないの?オヤツくらいでもいい?」など。効果や副作用に差が出るのか、聞いておいてはどうでしょう。

 

薬が効くまでの時間

 

 

「先生に処方してもらったお薬を使ったら、すぐ治ったんです。ホントありがとうございました!!」と言われると、参ったなあと思います。

だって薬は魔法じゃないから、すぐは効かないもの。吸収されて効果を発揮するのに、少し時間がかかります。だからすぐ治ったというのは、気のせいか、自然によくなったのです。

 

逆にいうと、薬を使っても症状が続いているのは、まだ効果が出てきていないだけかもしれません。

 

処方された用法・日数から狙いを見る

 

薬には一気に力を発揮するものと、重ねて使ってじわじわと効くものがあります。

 

痛み止め、吐き気止めなど、いわゆる頓用の薬は一発勝負型です。これらは使って数時間で効いているかを判断できます。病気の勢いが強いときには、あまり効かないかもしれません。でも症状をやわらげるための薬は、完全におさえることを目的とはしていません。安全を重視するので、少し楽になっていればよしとすることもあります。

 

アレルギーの薬・ある種の漢方薬など、ある程度は続けて効果が見えてくるものもあります。こういった薬は長めに処方され、数日でやめてしまうと効果がわかりにくいものです。

 

今回はわりと一般的なことを書きました。次回は他の理由に触れていきます。

 

コメント

この記事へのコメントはありません。

この記事の関連ワード

新着の記事

Sidekibit b fefa1c4699a4986147a527399409cd3c5417e373a7c81d98947fd955971daf54

人工知能KIBITが、あなたに合った記事をおすすめします。 初めてKIBITに教えた時は翌朝までお待ちください。