こんなとき何科に行けばいいの? 今さら基本的な話2

2016年09月07日

小児科医 Dr. しろくま子の“みんなも知っていたらいいのにと思うこと”(水曜更新) 第31回

 

行ってから「専門外だから診られない」と言われて、医療機関をハシゴするなんてイヤ。あきらめて家に帰りたくなります。だけど「どういうときに何科にかかるか」を、意外と知らなかったりしませんか?「中学校で少し習えればいいのに」とさえ思います。

 

わからなかったら電話で聞く

 

 

「学校で判断の仕方を教えろ」とボヤくわりに、いきなり調子はずれな助言ですみません。でも、一番てっとり早いのは、問い合わせることなのです。行こうと思う医療機関に電話をして、症状を伝えて診てもらえるか聞いてみましょう。同じ科でも得意不得意、守備範囲は医師によって異なります。しかも休診情報も確かめることができるので、電話は有用です(たまに受付の人が間違った返事をする、というリスクも、ないではないのですけれど)。

 

いや、でも、「シャイなので、なるべく電話したくない」「バカな質問と思われたくない」という方もいらっしゃるでしょう。そうではなくても、「これくらい心得ておけばよさそう」という範囲を見ていきます。

 

基本:病気は内科、ケガは外科

 

 

とても大雑把な目安で例外も多いのですが、かなりあてはまると思います。「小児科」と呼ばれているところは、ふつう「小児内科」です。「じゃあ眼科や耳鼻科はどうなるの?」って言われそうですね。

体の部分の名前がついている科は、比較的わかりやすくないですか?その部分の悩みを抱えていたら、その名前の科へ行けばハズレにくいはずです。応用としては、首、肩、腕、手、指、脚、足などの問題はまず整形外科で相談を。顔のケガは形成外科にかかると、なるべく傷が残らないように考えてくれます。

 

頭を打ったかどうか 

事故やケガで病院にかかるとき、まず聞かれるのは「頭を打ったか」です。脳は最優先されますからね。自治体の救急相談に電話するときも、返事を用意しておきましょう。もちろん子どもの場合、保護者が「見ていなかったからわからない」ということも多くあります。そのときは状況をしっかり伝えます。

 

頭を打ったなら、脳外科へ

 

実はけっこう小児科にも来ます。転んだとか、ソファから落ちたとか。でも、おすすめは脳外科です。なぜならば、子どもでも頭のケガの治療は脳外科で行うからです。

小児科では診察を断られるか、一般的な診察をして注意事項を話しておしまいです。必要ならば脳外科へ紹介されますが、特に異常がなくても「だいじょうぶ」とは言われません。「慎重に様子を見て」なんていう、家庭の医学書と変わらないコメントをもらいます。なぜなら頭を打ったときは、少し後から具合が悪くなることもあるためです。だから安心したくて受診しても、あまり気持ちがすっきりしないかもしれません。

したがって、後で症状が出てきたときのことを考えて、最初から脳外科にかかっておくほうが頼りになります。特に救急診療を行っている病院であれば、夜に急変しても相談できると思います。

 

そのほか小児科から、よく他の科へ紹介・案内する例を挙げておきます。

 

眼科へ

・目やに、目が赤い、目をぶつけた、目が痛い、かゆい

 

耳鼻咽喉科へ

・鼻にぬいぐるみのスポンジが入った(かもしれない)

鼻息がくさくて気づかれることもあります

・耳に虫が入った

・よく鼻血がでる、鼻血が止まりにくい

・聞こえがわるそう

 

皮膚科へ

・ぶつぶつ(熱がない)

・水いぼ、みずむし

やけど

・あざ、ほくろ、しみ

・とげが刺さった、虫などにさされた

 

泌尿器科へ

・陰嚢がはれている

小さい子どもがお腹を痛がっているときは、パンツの中も確認を!

胃腸より下の問題だった、ということがあります。

 

整形外科へ

・手足を痛がる、腕を動かさない、

・びっこをひく、歩き方がおかしい

 

歯科

・歯茎のできもの、気になる歯など

 

上にあげたものも、場合によっては小児科で診ることもあります。でも専門分野ということで並べておきました。

 

専門の科の下調べ

 

特に子どもを連れて行く場合は、下調べをしておくとよいと思います。子どもが苦手な医師に当たると疲れますから。

 

 

1. ホームページや電話などで得意な診療分野を確認

(建前上のよい返事に期待して、現実にがっかりする可能性はあり)

 

2.  口コミ

(主観や相性の問題について考慮する必要あり)

 

3.  健診や予防接種の際に、医師や看護師さん、保健師さんに質問

(客観情報の収集:前に小児病院に勤めていた眼科・耳鼻科などの先生が開業した、など)

 

などがあります。

 

実際、子どもでも小児科以外にかかる機会はけっこうあって、多くは急に受診が必要になります。その時はバタバタしていて、あれこれ調べるのは大変です。だから赤ちゃんをむかえたら、さっそくアンテナを張っておくとよいと思います。

 

 

プロフィール

Dr.しろくま子

 

20世紀の末に某国公立大学医学部卒業。二児の母。両親は非医師。三十代後半からは月に何度も当直を行う体力がなく、研修医を教えたり専門外来やセレブ的小児科外来担当したりしています。好きなものはテディベア。今はドイツ語が読めるようになりたい。二年半ほど北米に住んでいました。

 

編集:プサラ研究所

 

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