お茶がくれるリラックスタイム:台湾烏龍茶入門

2016年07月01日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第33回


烏龍茶は体を温める「ぽかぽか系」。覚醒・解毒・利尿作用に加え、香りによるリラックス効果も絶大です。お茶の香りを楽しむ「聞香杯」の誕生には日本のあるものが関係?初めての茶器セットのそろえ方も紹介します。

 

烏龍茶の漢方的効能は「ぽかぽか系」


さて、まずは漢方でお茶が「熱・温・涼・寒」のどれに属するかと言いますと、実は種類によって異なります。茶葉というのはその発酵度によって分類され、緑茶は無発酵、烏龍茶は半発酵、紅茶や黒茶は発酵でしたね(前回の復習)。

緑茶は「涼性」=ひんやり系、そして烏龍茶は「温性」=ぽかぽか系にあたります。もっと体を温めてくれるのは紅茶や黒茶(プーアル茶)です。
つまり、冷え性でお困りの方には緑茶よりも烏龍茶がオススメ。あ、もちろん、冷やしたのじゃなくて温かいものを飲んでくださいね。

それから、漢方薬としての「薬効」の部分ですが、カフェインによる「覚醒作用」、「解毒作用」、「利尿作用」などが挙げられます。一方で、台湾烏龍茶のすばらしい香りは、人の呼吸を自然と深くし、それによる「リラックス・鎮静作用」も強力です。

 

▲お茶で心を開く時間を(岩咲ナオコ先生)

 

台湾烏龍茶の香りに驚き、癒やされる


台湾烏龍茶の魅力は、その味わいもさることながら、なんといっても香りのすばらしさだと私は思っています。香りというのは人の脳の記憶野との結びつきが強く、人の感情を強く動かすそうです。

さて、烏龍茶の香りというのは3~4種類に分けられます。4種類の場合、①温壺香、②杯面香、③杯底香、④杯底冷香といいます。
烏龍茶は、100~95度の熱いお湯で淹れます。淹れる前には、茶壺(チャフー:急須)などの茶器にもお湯を入れて温めておきます。温まった茶壺に烏龍茶の茶葉を投入した後に立ち上る香りが「温壺香」、淹れたお茶から香るのが「杯面香」、飲み干した茶杯(茶碗)の残り香が「杯底香」、最後の残り香が「杯底冷香」です。

なんだか複雑そうですが、実はこれらの香りの違いは、私のようなど素人でもはっきりわかるんです。そして、台湾烏龍茶を楽しむなら絶対に外せない感動の香りは「杯底香」。お茶を飲んだ時とは全然違う香りがする!と驚くこと請け合いです。その甘くて華やかな香りは、本当に衝撃的です。

 

香りを楽しむための杯、「聞香杯(ウェンシャンベイ)」


台湾烏龍茶の大きな魅力である香りを楽しむために台湾で発明されたのが「聞香杯(ウェンシャンベイ:もんこうはい)」です。お茶を飲むための「飲茶杯」は日本の茶碗をミニチュアにしたような形ですが、「聞香杯」は細長い形をしています。香りを楽しむのに最適な形に作ってあるんですね。小さい茶托にセットで乗っていると本当にかわいいです。

台湾烏龍茶をこのセットで楽しむ場合は、まず、淹れたお茶を聞香杯に入れます。そして、聞香杯から飲茶杯へお茶を移して、空になった聞香杯の中の香りをかぎます。優雅な感じでいくなら、聞香杯を片手で持って鼻の近くでゆらゆらさせながら。カジュアルな感じでいくなら、聞香杯を両手の手のひらにはさんでコロコロしながら(これは聞香杯が熱いからです)思いっきり香りを吸い込んでしまいます。私は後者のタイプ。

 

▲左が聞香杯、右が飲茶杯。まず聞香杯にお茶を注ぐ


淹れたお茶そのものもいい香りなのですが、聞香杯で味わえる香りはまったくの別物。お茶を飲むのを忘れるほどすばらしい香りです。聞香杯を発明した人、本当に天才だわ。
・・・と思っていたら、茶禅草堂の岩咲ナオコ先生(前回参照)が、
「あ、聞香杯を発明した人って、私が懇意にしている台湾の茶芸師の知り合いの方なんですよ」
ええええ、そうなんですか!
「その方は、日本のあるものを参考にして聞香杯を開発したんですって」
なな、なんと!台湾の宝・烏龍茶のキーアイテムが日本と関係ありとは!すごい。それで、その日本のあるものって?

「おちょこ、です(^^)」

台湾茶の香りを楽しむための茶器が欲しいと思っていたその人は、ある日、日本のおちょこを見て、ピンとひらめいたんだそう。うわ~、そんな誕生秘話があったとは。

この聞香杯は台湾発祥のものなので、元々中国にはありません。そして、売られている茶器セットにはあったりなかったりします。ただ、台湾烏龍茶を楽しむつもりなら、私は聞香杯付きのセットを断然オススメします。聞香杯がない場合は、飲茶杯を余分に用意して、聞香杯のように使ってみてください。ほんと、感動しますよ。

 

▲茶壺・茶海・飲茶杯(6個)のセット

 

台北近くの焼きものの街・鶯歌(イングー)で楽しい茶器探し


台北から電車(台湾鉄路)で30分ほどの鶯歌(イングー・新北市)という町は、昔から窯業が盛んだった場所。「新北市立鶯歌陶瓷博物館(陶磁博物館)」もあります。駅から歩いて少しのところにある「陶瓷老街」は、掘り出しものの陶器を探すのにぴったりの場所。

 

▲鶯歌陶瓷老街。メイン通り2本の両側すべてが陶磁器の店


さて、台湾茶をおうちで楽しみたい!という方がとりあえず用意した方が良いアイテムは、
・茶壺(チャフー):急須
・茶海(チャハイ):急須からお茶を入れる器
・飲茶杯(インチャーベイ):お茶を飲む小さな杯
・聞香杯(ウェンシャンベイ):香りを楽しむ杯 ・・・なくてもいいけどオススメ

 

▲聞香杯と飲茶杯はバラでも買えます。ひとつ30元(約98円)。安い!


これらすべての茶器は事前にお湯を入れて温めるため、茶芸館などでは茶盤(チャパン)という、すのこタイプのお盆も使います。が、大きなお皿を下に置いて、お湯を捨てるどんぶりでも準備すれば大丈夫です。

 

▲台北市・青田茶館の茶器セット。一番左は茶海、一番右の器にはお湯や茶葉を捨てる


さらに、がぶがぶ飲んじゃえ!という人には、茶こし付きマグカップもあります。

 

▲ふた・茶こし付きマグカップ。手軽で簡単


できれば最初にちょっと奮発して、質の良い台湾烏龍茶を手に入れてみてください。
お茶を淹れる前に、すべての茶器にお湯を入れて温めてください。それから、茶葉を茶壺(急須)に入れ、熱いお湯を注いだら、すぐに捨ててしまいましょう。これは、茶葉表面のほこりを洗い流すと同時に、茶葉を開かせるためです。

2回目に茶壺に注いだお茶は、茶海に全部出し切ります。それから、小さくてかわいい聞香杯に分けて注ぎましょう。聞香杯から飲茶杯にお茶を移したら、まずは聞香杯でその香りを楽しんで。そして、爽やかで心まで癒やしてくれる烏龍茶の味を、しみじみと味わってみてください。良い茶葉なら5~6回は楽しめますし、毎回変化していく香りもまた素敵です。

 

▲台湾旅行の時、茶芸館で淹れ方を教えてもらうのもオススメ


もうちょっと詳しく中国茶が知りたくなったら、是非岩咲ナオコ先生を尋ねてみてください。初心者向けから中国茶芸の神髄まで、さまざまな講座が開かれています。

駆け足でご紹介してきた台湾烏龍茶特集は今回で終わりです。
みなさま、是非癒やしの烏龍茶タイムを!

【岩咲ナオコさんの「茶禅草堂」】
茶禅草堂中国茶教室&サロン:http://cha-zen.com/


プロフィール

 

 

松浦優子


東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾・台北に語学留学し、すっかり台湾に魅了される。帰国後に日本語教師資格を取得し、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの日本語翻訳などを手掛ける。その後も台湾には年数回のペースで訪れ、一年のうち約1か月は台湾に滞在。現地の友達との旧交を温めつつ、もっと深く台湾を知るべく取材活動を行っている。

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