お出かけ、集まり、お招きご飯で… 食中毒や、食べ物の大きなトラブル

2016年06月22日

小児科医 Dr. しろくま子の“みんなも知っていたらいいのにと思うこと”(水曜更新) 第22回


「ちょっと体調をくずす」くらいではなく、命にかかわるような話を集めました。楽しい思い出になるはずが、すべてを台無しにしてしまわないように。

 

サルモネラ脳症


食中毒の原因として、サルモネラ菌は有名かと思います。でも、電撃的な経過をとることがあるのはご存知ですか?

自分が経験した脳症例では、本当にあっという間に病気が進みました。

行楽帰りにお腹をこわして急患室に連れられてきた小学生です。

激しい下痢ということで、検査とともに点滴を始めました。結果を待っているうちに、この子はけいれんを起こしたのです。

幸いすぐに急変対応できて、集中治療で全快しました。本当に早く来てくれてよかったと思います。

さて、この子は行楽先で生焼けの鶏肉を食べたとのこと。サルモネラは生卵、鶏肉などがよく原因となります

しっかりと加熱したものを、さっさと食べましょう。

ちなみにご両親は同じ食事を摂って無症状でした。

子どものほうが胃酸分泌や免疫機能が未熟で、食中毒が重症になりやすいようです。

したがって

「乳幼児に生卵を使った卵かけご飯をあげないように」

と言われているのです。

また、鳥や爬虫類、両生類からの感染があります。

ですから「動物ふれあいコーナー」で遊んだら、必ず手を洗いましょう。

 

病原性大腸菌(腸管出血性大腸菌O-157など)

 


夏はサラダが爽やかで好まれますね。

オーガニック、泥付き野菜、わたしも好きで使いますが、汚染されている可能性はあります。よくよく洗ってください。

特にレタスなど葉物。裏も表も、本当にしつこいくらい。

さほど多くない菌量でも食中毒を起こしえます。安全を考えるならば、外側の葉っぱは炒め物やスープに使ってはいかがでしょう。

生の牛肉も食中毒の原因となります。箸についた少量の肉汁でさえ感染を引き起こします

「元気な大人はだいじょうぶだったのに、高齢者や子どもが重症になった」

という事例を見かけます。

みんなで焼き肉を楽しむときには、加熱と非加熱で箸を分けましょう

病原性大腸菌は多種類あります。下痢がひどくなくても、血便があったら診察を受けてください

胃腸症状の後にけいれんや腎臓障害などを起こして重症化するHUS(溶血性尿毒症症候群)は、ニュースなどで有名になったかと思います。

 

お好み焼き粉に混入したダニによるアナフィラキシー

 

 


ご自宅の小麦粉、開封してからどのくらい経ちますか?

小麦にアレルギーはないはずなのに、お好み焼きを食べてアナフィラキシーを起こしてしまった例があります。

アナフィラキシーは重いアレルギー症状です。強く気道がむくんで呼吸ができなくなることがあります命にかかわりうる状態です。

何か食べて(その後に運動して)ゼイゼイ苦しがっていたら、救急車を呼んでもいいと思います。

この例の原因は小麦でなく、小麦粉の中で増えていたダニでした。

特に夏は食品の管理をしっかりと

ちなみにアナフィラキシーで顔色が悪くなった人をおんぶしてはいけません

脳へ向かう血液が減って危険です。

むしろ足を高めにして寝かせます

 

小さい子に食べさせると危ないもの

 

 


突然ですが、ここでクイズです

カッコの中を埋めてください。

 


1. 1歳未満の乳児に(   )を与えてはいけない。

2.(   )は年の数以上食べてはならない。
 

 


最初の問題は乳児ボツリヌス症の予防です。

赤ちゃんにはちみつを与えてはいけません

二番目の問題の答えはぎんなんです。

ぎんなん中毒は嘔吐やけいれんを引き起こします

たくさん食べると症状がでやすくなることや、子どもの中毒例が多いために、このような表現をされているのだと思います。

その他、輸入ソフトチーズを食べた幼児のリステリア髄膜炎などの報告もあります。

大人の味を急ぐことはないのでしょう。

 

イクラ、枝豆、ミニトマト、ナッツ、飴玉、甘栗


何の例だかわかりますか?

窒息です。

ほどよい硬さの粒状のもの。これらは気道にすっぽりはまりやすいようです。

イクラ赤ちゃんの話です。乳児にあげる必要のない食品だと思います。

枝豆ミニトマトなどは普段の食卓で使うもの。上手に噛めないうちは、小さな粒も切ったり潰したりして与えてください。

ナッツ飴玉はふざけたり遊んだりしているときが要注意。咽に詰まらせる危険があります。

こんな事故で一生が終わりうるなんて、本当に恐ろしいことですよ!

歩きながら飴をなめさせない、揺れる車の中でナッツ類を食べさせない。ふわふわのパンをしゃぶらせているほうが安全でしょう。

いくつか例を挙げてみました。

「慎重になるときりがない」

とも言われそうですが、まずは知ることだと思います。

認識していなければ、気をつけることもできないので。


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