東洋医学の「食養」で梅雨や夏バテに負けない体を作る

2016年06月21日

はぐれ薬学院生(♀)の “しみる” ひととき 第26回


ジメジメ、ジリジリ…梅雨やその後にくる夏の暑気で体調を崩す方、多いのではないでしょうか。四季のある日本だからこその悩み、東洋医学で対策してみませんか。今回は、気軽に取り入れられる「食養(食事による養生法)」をご紹介します。

 

梅雨のだるさ、夏バテは湿気に体が負ける「湿邪」が原因?


梅雨の時期になると、なんだか頭が重くなったり、胸がつかえたり、いつもよりだるくなりませんか?もしかしたら、それは「湿邪」のせいかも。

東洋医学では、病気のもとを「内因」「外因」「不内外因」という3つのカテゴリーに分けています。

内因は体の内側からくるもので、感情のバランスが崩れることを指します。

外因は、季節のような環境変化によるもので、湿邪はここに当てはまります。

また不内外因は、運動不足、暴飲暴食といった生活習慣や外傷などをいいます。

外因はさらに6種類の気候変化(六気)に分けられ、
風・寒・暑・湿・燥・火
があります。

これらの六気が過剰に出たり、季節外れの時期に出てくると、「六邪」という害となります。

六邪が体に入ってくると、体の抵抗力(正気)が戦うため、正気が六邪を排除できれば病気にはなりません。しかし、六邪の方が勝ってしまうと、五臓六腑や経路に邪気が入り込み、病気となってしまうのです。

湿邪」は、字の通り湿気が多くなると表れやすいもので、粘りや濁りの性質がある(重い)ことから、体の巡りを詰まらせてしまいます。

湿邪によっておこる症状としては、下痢・頭重感・尿のトラブル・胸のつかえ・足のむくみ・倦怠感などがあります。

 

 

「湿」が溜まると消化機能が落ち、むくみや下痢、胃もたれに


湿邪が体に入り込むと、特に影響を受けやすいのは消化器系のようです。
五臓六腑の中でも、消化吸収をつかさどり、気・血を全身に送る「脾」、関連臓器の「胃」が関係しています。

これらが湿邪や熱にとりつかれると、「脾胃湿熱」という状態になり、気や血の巡りが悪くなります。
その結果、気が停滞して胸のつかえを感じるようになったり、体や四肢の重だるさを感じるようになります。

また、脾の機能が低下すると、飲食物の消化吸収が低下するため、胃もたれがおこったり、下痢につながったりすることもあるようです。

夏バテで胃腸がおかしくなる、やつれてしまう…という方は、まさに脾胃が弱っている状態。

次にご紹介する食材や漢方をお試し頂くと、少しは楽になるかもしれません。

 

梅雨に備える「健脾」・夏バテ予防の「清熱」の食材


東洋医学では季節=六気のバランスに併せて食事を変え、五臓六腑の調子を整える養生法があります(いわゆる薬膳がこれに当たります)。

本格的な薬膳となると、本人の体質や食べ物同士の相性を考える必要があるため、かなりややこしいのですが、季節に合わせて食材を変える(食養)くらいなら、気軽に取り入れられますね。

梅雨のだるさや夏バテには、「脾胃を高めて湿邪のダメージを予防する」「溜まった湿を排出する」「熱を冷ます」といった養生法がとられているようです。

今回は、これからの季節にぴったりの食材をご紹介します。

 



【消化機能を高め、湿を予防する食材】

・イモ類(特にヤマイモ)、大豆、栗、穀類、鶏肉、ナツメ(補気補脾)

・生姜、大葉、大根、うど、冬瓜、ジャスミン茶、はと麦茶、香味野菜(湿を排出)

【夏バテの予防によい食材】

・キュウリ、ハス、スイカ、トマト、ニガウリ(清熱)

・トマト、卵、あわ、そば、小麦(水分・ミネラル補給)

 

 

梅雨時や夏の胃腸症状には六君子湯がオススメ


食養だけでは不十分で薬を試したいという方に、市販の漢方薬をいくつかご紹介しましょう。

まず最初のオススメは六君子湯(りっくんしとう)です。

六君子湯はもともと胃腸が弱まりストレスの多い現代人に向いている処方と言われ、お医者さんでも西洋薬と一緒に出されることも多い漢方ですが、代表的な健脾薬としても有名です。

市販の胃腸薬で胸焼けやもたれに効くものは、「安中散」という漢方処方が含まれているものが多いのですが、こちらはどちらかというと胃の痛みにより効果的な処方です。

安中散でも良いですが、食欲がでない、夏場に胃がもたれるといった方には六君子湯の方がより向いていると考えられます。

また、なかなか在庫のあるお店は少ないのですが、香蘇散を飲んでみるのも良さそうです。香蘇散は湿邪で停滞してしまった胃の気を巡らせてくれる漢方で、胃腸かぜにも使われます。胸のつかえが強い方はお試しされてはいかがでしょうか。

ちなみに、香蘇散に入っているのは、シソや生姜、みかんの皮などです。これらを日頃の食事に取り入れるのも良いかもしれません!

薬味たっぷりのそうめんなんて、いかがでしょうか。

 

【漢方薬を試す際の注意】

当然ですが、現在、何らかの病気でお医者さんにかかっている方は、勝手にお薬を飲むことはできません。
必ず主治医の先生の指示に従ってください。

また、飲んで副作用が現れた場合には、直ちに服用を中止して、医師の診察を受けてくださいね。

各市販薬に書かれている書注意をよく読んでから服用してください。

気になることがあれば、薬局の薬剤師に遠慮なく尋ねてみてください。

 

 

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