ダーミーとシャオミー:小米粥の超パワー

2016年05月20日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第27回


ダーミー(大米)は米、シャオミー(小米)はアワ(粟)のこと。粥の種類が豊富な中華粥の中でも「小米粥」は胃を元気にするお粥として人気です。栄養たっぷりの雑穀・小米のパワーで、しっかり胃腸を養生しましょう。

中華のお粥のバリエーションはものすごく豊か


お粥&中華と言えば、「朝ごはんの定番」というイメージがあるのではないでしょうか。台北にも「お粥横町」という場所があります。かつてお粥屋さんがずらっと並んでいたことからこう呼ばれており、今は数軒しかありませんが、それでも人気の観光スポットです。場所はMRT「大安」駅と「科技大樓」駅の間、復興路あたり。台北に行ったら是非お試しあれ。

日本では「お粥=病人食=白粥」ですが、中華圏のお粥は具入りが普通。肉や野菜、漢方食材などをたっぷり入れて、その時その時に必要な栄養補給に活用します。台湾で一番メジャーなお粥は「地瓜(ディーグワ)粥」かなあと思います。地瓜はサツマイモのことで、お粥の中に黄色くて甘いサツマイモがごろごろ入ってます。

日本人である私にとって、中華粥のカルチャーショックは、

●甘いお粥があること

●米じゃないお粥があること


でした。甘いお粥には、有名なところでは「八宝粥」があります。8種類の漢方食材や雑穀を入れて炊いた、仏教由来のお粥です。
「米じゃないお粥」というのは、例えば、山芋をすり下ろして煮たもの(つまり「とろろ」)も「お粥」に分類されます。お粥の定義が広いんですねえ。

 


▲「八宝粥」は、缶入りでも売られている

 


台湾のお粥についてはもう一つ。私は、行きつけにしていたお粥屋さんでは「皮蛋瘦肉粥(ピータンと豚ひき肉のお粥)」が大好きで、よく食べていました。粘度の高い、生米から大鍋でぐつぐつと長時間煮込んだお粥は絶品です。
が、日本人が「中華粥」でイメージすることが多いこの「にちゃにちゃ系」のお粥は、実は広東料理。確かにそのお店は「廣東粥」のお店でした。台湾のじゃないんですね。

台湾でいうお粥は、「稀飯(シーファン)」と呼ばれる、炊きあがったごはんを使ったものが多いです。日本の雑炊に近い感じで、かなりさらっとしています。さらに、「泡飯(パオファン)」という、ごはんにスープをかけたお茶漬けに近い料理もあります。

 

忘れられない、シャオミーのお粥


私は割と胃もたれや胃痛を起こしやすいのですが、先日胃の調子が悪かった時、「ああ、シャオミー粥食べたい!」と思い立ったのでした。

中国語で、普通のお米は「大米(ダーミー)」。シャオミーは「小米」で、粟(アワ)のことです。前に台湾で食べた「小米(シャオミー)粥」、おいしかったなあ。すごく鮮やかな黄色で、とろっとしていて、ぷちぷちした食感で。「小米粥」は私には馴染みのない甘いタイプのお粥なのですが、初めて食べた時からすっかり気に入ったのでした。

ヒエやアワと言えば、日本では貧しさのイメージがつきまといます。それから、アワは昔飼っていた文鳥にあげていたなあ。正直、アワは鳥の餌だと思っていました。
いやでも実際、台湾で食べたのは本当においしかったし。小米(シャオミー)、食べよう。近所のスーパーをいくつか回ってみたのですが手に入らず、ネットで入手しました。何となくおいしそうかなと思って「もちあわ」というのにしてみました。

 


▲ネットで買ってみた国産「もちあわ」

 


…あれ、思ったより黄色くない。これだと「鳥の餌」のイメージから逃れられない。どうしたものか。ネットで調べてみたら、「南瓜枸杞小米粥」というのを見つけました。よし、これにしよう!

 

滋養たっぷり、「南瓜枸杞小米粥」の作りかた


カボチャでおいしそうな黄色と甘みが出せて、枸杞(クコ)の栄養もプラスしたアワのお粥です。

 


▲カボチャとクコとアワのお粥。カボチャを細かく切った方が個人的には好き

 


【材料】(お茶碗2杯分くらい)

・アワ(小米):40~50g

・カボチャ:120g

・クコ(枸杞):5g

・水:400cc


【作りかた】

① アワは水洗いして、20分浸水しておく

② カボチャは電子レンジで少し温めて皮をむき、一口以下のお好みのサイズに切る

③ カボチャと水を小鍋に入れ、柔らかくなるまで煮る

④ アワ(小米)を投入し、20分くらいかき混ぜながら中火で煮る

⑤ クコ(枸杞)は、アワ(小米)投入の10分後くらいに入れる

⑥ お好みで白砂糖・黒砂糖・はちみつなどを入れる



アワを洗っている時は本当に「ああ、なんという鳥の餌感…」と思っていたのですが、火にかけてしばらく煮てみると、とろみが出てきてぷちぷちとおいしそうな感じになってきます。カボチャの甘みが加わった、ひよこのように可愛く黄色い「小米粥」です。若干ですが青臭い味はするので、多少砂糖を入れた方がおいしいかも。人によっては砂糖ではなく塩味で食べたりもするそうです。
それから、カボチャの代わりにスイートコーン缶(粗みじん切りする)を使ってもおいしいですよ。小豆と一緒に煮込む「紅豆小米粥」なんてのもあります。

 

小米(アワ)の栄養価、あなどりがたし!


「五穀豊穣」の「五穀」は本来、米・麦・アワ・キビ・豆。最近は栄養豊富な雑穀に注目が集まっていますが、中でもアワ(小米)はかなりの優等生です。ちなみにカロリーはアワの方がわずかに高め。

 


▲日本食品標準成分表(2015年版・七訂)より

 


また、漢方の考え方では、小米(アワ)は「涼性食材」。お粥にして食べると丹田に良く、胃腸の働きを助けてくれ、「胃」と「脾」の養生に効果的。なので、小米粥は胃の調子が悪いときにオススメです。
それから、不眠症は、漢方では「陽虚(ヤンシュー)」つまり陽の気の不足によって起こるのですが、これにも小米粥は効果があるそうですよ。

日本ではお米に混ぜて炊くことが多いアワですが、たまには中華風の小米(シャオミー)粥はいかがでしょう。簡単でおいしくて栄養たっぷりです。


プロフィール


松浦優子

 


東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾・台北に語学留学し、すっかり台湾に魅了される。帰国後に日本語教師資格を取得し、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの日本語翻訳などを手掛ける。その後も台湾には年数回のペースで訪れ、一年のうち約1か月は台湾に滞在。現地の友達との旧交を温めつつ、もっと深く台湾を知るべく取材活動を行っている。

コメント

この記事へのコメントはありません。

この記事の関連ワード

新着の記事

Sidekibit b fefa1c4699a4986147a527399409cd3c5417e373a7c81d98947fd955971daf54

人工知能KIBITが、あなたに合った記事をおすすめします。 初めてKIBITに教えた時は翌朝までお待ちください。