じめじめの季節、家だけじゃなくて体内も除湿を

2016年06月03日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第29回


梅雨の時期は自然界の湿度が上がり、過剰な「湿の気(湿邪)」が体に入り込んで、体調を崩す元になります。体の除湿に有効なのは、あずき(紅豆)とハトムギ(薏仁)。簡単調理のおしるこで、中からカラっと快適に!

 

風邪って「かぜ」じゃないよ、「ふうじゃ」だよ


「風邪」ってどうして「かぜ」って読むんだろう?「風」とは違うのかな?…と、子どもの頃に思ったことはありませんか?
わたくし、齢30を超えてから台湾に行き、やっとその答えがわかりました(いや、台湾に行かなくても漢方を勉強したらわかるんですけど)。

「風邪」は「かぜ」ではなくて、「ふうじゃ」なのです。「邪」、つまり体に悪いものが自然界から体に入ってきて病気になるんです。でもって、その「邪」の一つが「風邪(ふうじゃ)」。
「邪」は、漢方の考えでは6つあります。これを「六邪(りくじゃ)」、または「六淫(りくいん)」と言います。

六邪の中で、季節を問わず活動し、体の中に入れば動き回ってあちこちを具合悪くし、外からさらに病気を運び込んでしまうのが「風邪(ふうじゃ)」です。まさに「風」のような性質。「風邪は万病の元」ともいいますしね。

 


▲六邪の種類(イメージ)


この6つは、元々は自然界の6種類の気候「六気」から来ていて、本来は体に害はありません。でも、自然界と人の体の気のバランスが崩れていると「六邪」として悪さをします。

 

漢方医学が最も「気をつけろ!」と警戒するのは、なじみ深い「風邪(ふうじゃ)」ではなく、「湿邪(しつじゃ)」。つまり、体の中の水分が蒸発せず、湿気がたまってしまう状態です。じめじめ・べたべたして、排除しにくい「邪」なんだそうですよ。

 

梅雨の時期は特に注意!湿気がたまった体はこうなる

 


台湾では、友人たちに勧められるがまま体に良さそうなことをぼちぼちやっている私ですが、ある日、とあることをやった後に、

「ほら、体の湿気が抜けた感じがするでしょ?」

「湿気??? 湿気が抜ける??? ごめんわかんない。というか、そもそも体に湿気がたまるって何?」

「え~?!」

というやり取りがありまして。いやでも本当にわかんないし。
後日、「湿邪」ってどんな状態(症状)なのか確認してみました。


◆体に湿気がたまっちゃってるサイン

①痰が多い(湿邪は肺を傷つけるため)

②全身がだるい

③唾液が多い(水が余ってるから)

④太る(水太り)


朝起きた時、「自分、湿気たまってるかしら?」と簡単チェックもできます。


◆体に湿気がたまっちゃってるサイン・朝のチェック項目

①(起床時)すっきり起きられない、疲れがとれていない、だるい

②(トイレで)便がゆるめでペースト状、便器にへばりつく(湿邪はべたべたの性質)

③(歯みがきで)舌の状態がおかしい


正常な舌:ピンク色で潤いがある。薄く舌苔があり、その舌苔は少し白い。

舌はなかなか判断が難しいと感じるかもしれませんが、舌苔が厚く、黄ばんでいたら湿熱があります。逆に、舌が赤く舌苔が全然ない場合は、「熱」が体を傷め、陰の気が不足しているサインです。

 

湿邪の撃退に有効な、あずきとハトムギのゴールデンコンビ

 


体内除湿に効く漢方食材の優等生はずばり、あずき(中国語:紅豆・ホンドウ)とハトムギ(中国語:薏仁・イーレン)。もう一つ、夏場に台湾人がこぞって食べる「除湿・解熱系台湾スイーツ」には緑豆のおしるこもあります。

 


▲緑豆。夏の暑さ対策に人気


が、あずきとハトムギは「平性(ニュートラル)」なのに対し、緑豆は「涼性(ひんやり系)」の食材。陽の気が不足ぎみの人や妊婦さんは、緑豆は食べ過ぎ注意です。体を冷やしてしまいますので。あと、ハトムギも「平性」なんですが少し体を冷やすので注意。

水で煮て作る「あずき水(紅豆水)」や「ハトムギ水(薏仁水)」は、ここ二年ほど台湾でブームになっていまして、コンビニでもペットボトル入り飲料などが売られています。その「ハトムギ水」は飲んだことがありますが、味は…率直に申せば、お米のとぎ汁(+砂糖)みたいな感じでした。うーん、わざわざ買うほどのものではないかもしれない。

ハトムギは美白効果、便秘やむくみ解消効果も期待されるだけあって、台湾では「女子必飲!」という感じで出ています。ネットを見ると自作レシピもたくさん。

 


▲最近よく見かけるハトムギ水(濃縮粉末タイプ)

 

あずきとハトムギ、驚きのバリエーション


豆や穀物類は水に浸しておく時間がとにかく面倒くさいので、圧力鍋を使ってしまいます。私、日本のあんこは甘すぎて苦手なので、「あずき&ハトムギのおしるこ(薏仁紅豆湯)」は水たっぷり・無糖で作ってしまいます。

柔らかくて中が粉っぽいあずきと、ぷりっとした歯ごたえのあるハトムギは、食感的にもかなりナイスな組み合わせです。
水と材料だけで作っているので、そのままなら「あずき&ハトムギ粥」としてごはん代わりに、ちょっと甘いものが欲しい時なら、よそった後に糖分を加えれば健康的な台湾スイーツに早変わり。しかも、温かくても冷たくても美味しいのですよ。優秀だ。

私が色々やってみて、落ち着いたのは以下のレシピです。圧力鍋使用の時短バージョン。

◆材料・作り方

①あずきとハトムギを、米用のカップに好きな割合で入れる。(あずき3:ハトムギ1のレシピが多いみたい)

②あずきとハトムギをざっと洗って、圧力鍋に入れる。

③水1000cc投入。(台湾のネットのレシピよりやや少なめ)

④圧力鍋のフタをして、加圧開始から15分間最弱火。

その後は圧がなくなるまで自然冷却。

⑤お好みで砂糖などを加えても、そのままでもOK。

 


▲お米のカップ1の材料に水1リットル。覚えやすくしてみた

 


▲あずき&ハトムギのおしるこ。無糖でさっぱり!

 


そして、必要に応じて材料を足したりしてアレンジできちゃうのが漢方食材。

 

●「あずき&ハトムギ」+桂圓(リュウガン):頭のだるさ、動悸、元気不足に

●「あずき&ハトムギ」+ユリ根、蓮の実:いらいら、不眠、吹き出物に

●「あずき&ハトムギ」+ショウガ:風邪の引き始めの寒気、食欲不振、冷え性に

●「あずき&ハトムギ」+黒豆:腎虚(じんきょ:精力減退)に

●「あずき&ハトムギ」+大豆:脚気(かっけ)予防に

●「あずき&ハトムギ」+梨:咳止めに

●「あずき&ハトムギ」+カボチャ:消化不良、腹痛、糖尿病に

 


なんという応用範囲の広さ…!
日本のおしることはちょっと違う台湾風「紅豆湯」、是非お試しあれ。


プロフィール


松浦優子


東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾・台北に語学留学し、すっかり台湾に魅了される。帰国後に日本語教師資格を取得し、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの日本語翻訳などを手掛ける。その後も台湾には年数回のペースで訪れ、一年のうち約1か月は台湾に滞在。現地の友達との旧交を温めつつ、もっと深く台湾を知るべく取材活動を行っている。

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