本物のエキストラヴァージンオリーブオイルに出会うには?(後編)

2016年04月21日

スローフード・スローライフの地イタリア*シエナより愛をこめて 第25回


オリーブの実を絞っただけのエキストラヴァージンオリーブオイル。あまりにもシンプルな工程ゆえに、オイルにはその年々の気象条件が現れる。これぞ、本物に出会うポイント!自然の恵みが詰まったエキストラヴァージンオイルで、健やかな食生活を謳歌しよう。

 

収穫して絞るだけのシンプルな工程


まずは、とてもシンプルなエキストラヴァージンオリーブオイルの生産工程を見てみたい。

秋の収穫後、オリーブの実は種ごと砕かれ、ペースト状に練られると、オイルが浮き出てくる。

 


次に、オリーブの果汁と水分が分離される。


そして最終的にオイルだけが抽出される。


▲なんと美しい色!

 

もう一歩踏み込んで、エキストラヴァージンオリーブオイルを確認するには?


前回の記事では、信頼性の目安となる認定マークについて触れたが、
時々、偽りのラベルを使用した悪質な作り手が摘発されたり、
ラベル無しの正直なエキストラヴァージンオリーブオイルも存在する。

そこでもう一歩、本物かどうかに迫るため、
オリーブの素性を尋ねてみたい。

 

本物のエキストラヴァージンオリーブオイルの定義、それは自然が知っている


エキストラヴァージンオリーブオイルは、自然の産物ゆえにその年の気象が味に反映され、2年続けて同じ風味になることはあり得ない。

もしそうだとしたら、そこにはビジネス的な工程が入っているのかな?
と想像がよぎってしまう。

日本ではイタリアフェアが各地で開催され、
エキストラヴァージンオリーブオイルに携わる関係者の姿もみられる。そこで、

「このエキストラヴァージンオリーブオイルと、1年前のものとでは、どのような違いがありますか?」

と質問してみよう。

その年の気象から生じた味の特徴が聞けたら、
扱っているオイルには大きな太鼓判を押していい。

 


本物のオイルの定義として、
〈濃いグリーンをしていて、深い味わいのものが本物〉、と言いたいところだが、
圧搾直後は生き生きとした色と香りがあっても、
時間の経過と共に、少しずつ落ち着いていくのも自然の現象。

それに、イタリアにはたくさんの品種があり、どの品種も緑を出すとは限らない。

またレッチーノという品種からはエメラルドグリーンのオイルが抽出されるが、
2~3か月経つと香りが褪せていくし、
黄金色をして味覚が長期間持続する良質な品種もある。

苦味や辛味成分が豊富な品種もあればマイルドな品種もあり、
同じ品種であってもその年の雨量や日照量によって、出来が変わって来る。

年ごとに変化があるエキストラヴァージンオリーブオイルこそが本物なのだ。

 


▲風通しがよい小山の上で育つオリーブの木

 

販売価格も本物とニセ物を見分ける参考に


あるエキストラヴァージンオリーブオイルの生産者曰く、
1ℓのエキストラヴァージンオリーブオイルあたりにかかる人件費や堆肥、圧搾などのコストは、トスカーナの場合で7ユーロ前後、南イタリアだと約4ユーロほどで、そこにはボトルなどのパッケージ代は含まれない。

「トスカーナ産DOP またはIGP」と記載されたエキストラヴァージンオリーブオイルで、もし、1ℓ当たり5ユーロで販売されているものを見かけたら、是非、作り手にこの価格で販売できる秘訣を聞いてみたいところだ。 

本物のエキストラヴァージンオリーブオイルには、豊かな自然のエキスがたっぷり。

賢く出会って、心身ともにに美味しい生活を堪能しましょう!


<プロフィール>


大多和聖美(おおたわきよみ)

 


トスカーナ州・シエナ在住。ソムリエ。ワインショップ、小麦粉アレルギー対応レストランでのコック体験を経て独立。「エノテカトスカーナ」を立ち上げ、日本にワインやオリーブオイルの販売を行う。

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