ひざ痛に効く注目の栄養素「グルコサミン」に注目!

2016年05月31日


今や広く知られるようになった「グルコサミン」。ひざ関節の痛みをやわらげ、腰痛やスポーツ障害にも効果があるといわれて、サプリメントが大人気です。今回は、高齢化社会に必須の栄養素・グルコサミンを紹介します。

 

グルコサミンはなぜ売れているか?


テレビのCMなどでもすっかりおなじみの「グルコサミン」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
グルコサミンは、動物や人間の体内で生成され、軟骨、爪、靭帯、心臓弁などに存在する天然のアミノ糖の一種です。自然界では、カニやエビなどの甲殻類の殻にキチン質として多く含まれています。
ヨーロッパでは広く関節炎の治療薬として用いられており、アメリカでも1997年に変形性間節症の特効薬として、サプリメント(栄養補助食品)が登場して話題となりました。それまで変形性関節症にはこれといった治療法がなく、傷んだ軟骨を再生するというグルコサミンの働きは画期的なものだったのです。
日本でも、1997年に初めて臨床試験が行われ、グルコサミンの働きが認められるようになりました。今や「青汁」や「マルチビタミン/ミネラル」と並んで、国内人気サプリメント・トップ3に入るほどの売り上げとか。裏を返せば、それだけひざ痛など関節の問題に悩んでいる人が多いということでしょう。

 

人ごとではない! 中高年を悩ます関節の痛み


私たちが自在に手足を動かしたりできるのは、関節が正常に機能しているからです。しかし、年とともに関節の機能も衰えてきて、早い人だと40代前半ぐらいから、その兆候が現れるようになります。階段の昇り降りでひざが痛んだり、立ち上がるだけで腰に痛みを感じたり…中高年の方にはおなじみの悩みといえます。
中高年のひざ痛や腰痛の原因は、ほとんどが「変形性関節症」です。骨と骨との間にある軟骨がすり減って、骨同士の摩擦を緩和したり骨にかかる衝撃をやわらげたりする役目が果たせなくなってしまう症状です。グルコサミンは、こうした症状の改善や予防に効果があるといわれているのです。 
では、グルコサミンは関節にどのように作用するのでしょうか。
関節の軟骨は、水分とコラーゲン、プロテオグリカン、軟骨細胞などによって形成されています。コラーゲンは軟骨に弾力性をもたらす役目があります。プロテオグリカンにはスポンジのように水を吸収する性質があり、水分を含むことで軟骨の動きをスムーズにしています。軟骨細胞は、コラーゲンやプロテオグリカンを生成し、それらの量を一定に保つ機能を持っているので、軟骨細胞がダメージを受けると、その成分バランスが崩れてしまいます。
グルコサミンは、プロテオグリカンの生成を促進し、さらには損傷した軟骨細胞を修復する作用があるのです。
こうした働きは、変形性関節症には至らないまでも、スポーツ選手や関節にトラブルを抱えている人にとって歓迎されるべきものです。特にスポーツ選手は、体を酷使するためスポーツ障害に悩む人も多いと聞きます。グルコサミンへの期待はますます高まっていきそうです。

 

 

関節症になってからも、なる前にもグルコサミンを


人が体内でグルコサミンを生成する能力は、加齢とともに落ちてきます。食品の中にはわずかしか含まれないため、十分な量を摂取するのは難しく、その点、サプリメントはおすすめの補給方法といえます。カニやエビから抽出したキチン質をさらに分解して、グルコサミンを効率よく吸収できるように加工してあるからです。
グルコサミンは単独で摂取するより、コンドロイチンと一緒に摂取したほうが相乗効果が期待できます。コンドロイチンは、俗に「ネバネバ物質」と呼ばれ、ウナギ、なめこ、魚の煮こごりなどに含まれる成分です。この二つの成分を組み合わせたサプリメントもたくさん売られていますので試してみてください。

グルコサミンは、肌の老化対策にも効果があるといわれています。肌の潤いを保つコンドロイチンやヒアルロン酸の合成を活発にするので、つややハリがよみがえるのです。
関節症は、男性より女性に発症しやすいというデータもあります。関節痛をやわらげ、肌にハリとつやをもたらすグルコサミンは、女性にとっては欠かせない栄養成分といえるのではないでしょうか。

著者プロフィール


矢澤 一良(やざわ・かずなが)先生

 

「日本を健康にする!」研究会会長。早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所 ヘルスフード科学部門研究院教授。1972年京都大学工学部工業化学科卒業。株式会社ヤクルト本社・中央研究所入社、微生物生態研究室勤務ののち財団法人相模中央化学研究所に入所。東京大学より農学博士号を授与される。2000年湘南予防医科学研究所設立、東京海洋大学大学院ヘルスフード科学講座客員教授、東京海洋大学「食の安全と機能(ヘルスフード科学)に関する研究プロジェクト特任教授を経て2014年より現職。予防医学、ヘルスフード科学、脂質栄養学、海洋微生物学、食品薬理学を専門とする。

◆参考文献:『ひざ、関節の激痛にグルコサミン』矢澤一良 著(ハート出版)

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