本物のエキストラヴァージンオリーブオイルに出会うには?(前編)

2016年04月14日

スローフード・スローライフの地イタリア*シエナより愛をこめて 第24回


高齢化に伴い予防医学への関心が高まり、エキストラヴァージンオリーブオイルの需要が増えている。しかし残念なことに、ニセ物も多い。そこで前編・後編の2回にわたって、本物のエキストラヴァージンオイルとの出会い方を伝授します。本気で健康を考えている方、心身ともに美味しい生活を謳歌してください!

 

すっかり定着したエキストラヴァージンオリーブオイル


私がシエナにあるワインショップで働き始めたのは2000年。
そこではトスカーナ産のエキストラヴァージンオリーブオイルも扱っていて、
テイスティングをしながら、オリーブオイルを紹介していた。

「これは、北の方角にあるキャンティクラッシコゾーンのものです。ピリッと辛いですよ。
 お次は、60キロほど南下した村のものです。ちょっとマイルドですね・・・」

お客様は、作り手ごとの味やテクスチャーの違いを楽しみ、
秋に搾りたてのオリーブオイルが入荷した時は、
そのあまりに溌剌とした色と風味に、「ワ~オ!」と声をあげた。

当時、お店に訪れるお客様のほとんどは、アメリカ人やカナダ人、ドイツ人など。
日本人は、1週間に数人みかける程度だったが、
どの方にもオリーブオイルを珍しがられた。

あれから16年。

今では、海外旅行をしない人でも、イタリア料理を食べない人でも、
オリーブオイルのある生活を送る人が多くなった。

 


▲シエナの城壁内にあったワインショップ

 

ニセのエキストラヴァージンオリーブオイルを見分けるのは、プロでも難しい


エキストラヴァージンオリーブオイルは抗酸化成分が豊富なことから、
動脈硬化、心臓病、がんの予防、コレステロールを減らす等の効能があり、
闘病生活を送っている人だけでなく、老後も自立した生活を送りたいと願う方にも支持されている。

決して安くはない調味料。予防医学の需要が膨らむ中、ニセ物も増えている。

本来、エキストラヴァージンオリーブオイルとは、オリーブの実を絞っただけのフレッシュジュース。だが、精製されたオイルに色や香料を添加したり、古いエキストラヴァージンオリーブオイルに「コラティーナ」と呼ばれるピリ辛の品種を加え、搾りたてを装って販売されるケースもある。

ニセのエキストラヴァージンオリーブオイルには巧妙に偽造されたものもあり、
化学分析やテイスティングの鑑定士でも気付かぬことも多々ある。

 


▲本物のエキストラヴァージンオリーブオイルがあると、高齢者も元気

 

信頼性の目安となるマーク


イタリアでは、エキストラヴァージンオリーブオイルの不正防止と品質の維持のため、厚生省、不純物防止のための警察、保護協会(DOP やIGP)、無農薬協会などが検査や調査を行っている。

保護協会では、その地域の伝統の味を守り、高品質なエキストラヴァージンオリーブオイルを維持するために、1ヘクタールごとに植えてよいオリーブの木の本数、品種、オリーブの実の収穫量など、細部にわたる規則を設け、生産者は畑ごとのデータを提出する。

毎年、協会は農園に抜き打ちで訪れ、提出されたデータ内容が合っているかどうかを調査する。
そして秋、収穫~圧搾を終え、新しいオリーブオイルを瓶詰めする前の段階でサンプルが品質検査とテイスティングにかけられ、合格すると保護協会(DOP やIGP)の認定マークの使用が認められる。この認定マークは、本物を選ぶ際にぜひ覚えておきたい。

 


▲DOP(Denominazione di Origine Protetta 原産地名称保護)の検査報告書

 

限られた狭い町や村に限定された特産品認証
DOP “Terre di Siena”の規定では、地元で採集された、約2品種以上を使用したもので、
1種類は約10%が存在すること。フラントイオ、コレッジョーロ、モライオーロ、レッチーノの混乗は、85%を下回ってはならない。それ以外の品種を混ぜても良いが、15%を越えないこと。
収穫から、24時間以内に搾油工場に持ち込む。酸度は、上限0.5%とする、等が規定されている。

 


▲DOP(Denominazione di Origine Protetta 原産地名称保護)の認定マーク

 


▲IGP(Indicazione Geografica Protetta 地理的表示保護)の検査報告書

 

トスカーナ州の広い地域の特産品認証
 収穫から、24時間以内に搾油工場に持ち込む。
酸度は、上限0.6%とするなどが規定されている。

 


▲IGP(Indicazione Geografica Protetta 地理的表示保護)の認定マーク

 


私は、搾りたてのオリーブオイルができると、サンプルの提出~検査の結果を待たずに、
すぐに日本のお客様にオリーブオイルを発送し始めます。
このため、一部、DOP やIGPの認定マークがついていないパッケージが生じますが、
私が取り扱う2015年の秋に搾油されたエキストラヴァージンオリーブオイルは全て、
検査に合格しています。

次回は、本物のエキストラヴァージンオリーブオイルに出会えるもう一歩踏み込んだ方法をご紹介しましょう!

<プロフィール>


大多和聖美(おおたわきよみ)

 


トスカーナ州・シエナ在住。ソムリエ。ワインショップ、小麦粉アレルギー対応レストランでのコック体験を経て独立。「エノテカトスカーナ」を立ち上げ、日本にワインやオリーブオイルの販売を行う。

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