「春眠暁を覚えず」は体調不良! しっかり養生、すっきり快調!

2016年04月08日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第22回

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いよいよ春。「春眠暁を覚えず」といいますが、春になると眠くなるのはなぜでしょう? 漢方の考え方では、春に眠いのは体の不調の表れ。すっきり元気な新年度を始めるための秘訣を、陰陽五行の概念から見てみましょう。

春が来た! 陰陽五行では何にあたる?


春がやってまいりました。季節・色・方角、そして中醫(漢方医学)の概念は、すべて「陰陽五行」に集約されています。世界は「木・火・土・金・水」の五要素から成っており、その五つのグループに様々なものが対応しているとされます。
そして、それらは「相生(生み出す関係)」と「相克(打ち勝つ関係)」を持っています。
今回の話に関連するものだけを抜粋して挙げると、こんな感じです。

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▲陰陽五行と季節・五臓の対応


自然界の陰陽の気は、冬至に陰のピークが訪れ、夏至の陽のピークに向けて変化していきます。人体の気もその影響を受けます。春は、草木がいっせいに芽吹く季節。陽の気が徐々に強まっていきます。なので、この自然界の勢いに従って「春夏養陽」、つまり人も春夏には陽の気を養わなければなりません。でないと体内の陽の気を消耗してしまいます。

外界に「陽」が多いから足りるという訳ではなくて、相応して陰陽のバランスを保つ必要があるというのが陰陽の面白いところですね。私はふと、熱帯魚の「水合わせ」をイメージしました。

五行では、「木」、「春」、そして色は「青」、対応する五臓(五つの主要な内臓)は「肝臓」とされています。

春の倦怠感「春困(チュンクン)」は体の自然な反応


陰の気が勝っていた冬の状態から、陽の気が亢進する春への変化により、対応しきれない体が倦怠感や眠気を覚えることがあります。これが「春困(チュンクン)」です。(中国語では「困」には眠いという意味があります)

漢方の考え方では、ざっくり言うとこんなメカニズムだとされています。
①自然界の陽の気が亢進すると、血管が拡張し体内の陽の気が発散しやすい状態になる。
②血管が拡張したことで、冬の間に減っていた血流が相対的に足りない状態になり、巡りが悪くなる。このため、だるい感じがしたり、眠くなったりする(=「春困」)。
これに加え、
③春は湿度が高まり、体内に入り込んだ「湿気」が体調を崩す。
この「体に湿気がたまる」という考え方は、台湾で見た様々な民間療法にも関係します。

春は特に、肝臓の陽の気が過剰になりやすく(=「火気(フオチー)」が大きくなる)、それにより消化を司る脾(ひ)や胃を傷めたり、肺が乾燥したりしてしまうそう。

そんな訳で、「春眠暁を覚えず」というのは、皆さんにも経験があるかと思うのですが、漢方では、季節の変わり目に起こる軽い体調不良として昔から認知されていたのですね。もちろん、温かくなってきて気持ちいいというのもありますけど。

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▲春は眠いですよね(写真はうちの猫)

春の「養生」は、「青」の食材で肝臓をいたわる


「春天養肝」(春には肝臓をいたわる)というのが春の養生のポイントのようで、台湾のネット上にはたくさんの「お勧め食材」が載っています。
ただし、陰陽というのはあくまでもバランスなので、「単品ダイエット」のように極端に走るのは良くありません。熱性・温性・平性・涼性・寒性の食材をバランス良く摂りつつ、体調をみながら調整することが大事です。

食べ物の味も、五行の考えでは「五味」つまり「酸・苦・甘・辛・鹹(しょっぱい)」に分類されるのですが、肝臓の気が過剰にならないためには、春は「酸」を控え目にし、脾や胃に良い「甘」を積極的に摂った方が良いとされています。

また、「湿熱」を避けるためにはさっぱりした料理が良いといいます。「春」は五行で「青」が対応するので、ほうれん草や苦瓜など緑の野菜がお勧めされていました。

この他、陽の気を補うニラやネギ、タケノコ、五味の「甘」に分類される雑穀類や果物、カボチャ、シイタケ、ニンジン、キャベツ、白菜、ジャガイモ、ヤマイモなど、それから、血液を補うレバー、鶏肉、豚肉なども良いそうです。

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▲春は青野菜が体調を整える


こう見てくると、「陽の気補充のぽかぽか食材」、「酸は控え目」、「味付けはさっぱり」、「消化の良いもの」、「血液を作る」など、代謝が上がってくる季節に合わせたアドバイスになっていることがわかります。
「春は眠い」は、もしかしたら体が「色々足りないよ」と言っているサインかもしれません。少しだけ意識して「春天養肝」の食材を取り入れたら、調子が良くなると思いますよ。

プロフィール

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松浦優子
東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾・台北に語学留学し、すっかり台湾に魅了される。帰国後に日本語教師資格を取得し、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの日本語翻訳などを手掛ける。その後も台湾には年数回のペースで訪れ、一年のうち約1か月は台湾に滞在。現地の友達との旧交を温めつつ、もっと深く台湾を知るべく取材活動を行っている。

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