海と太陽の恵み、台南の天然塩

2016年03月04日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第17回

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フルーツや海鮮など、台湾は自然の恵み豊かな宝島。最近日本人にも人気の古都・台南からバスでのんびり海辺に向かえば、そこにはきれいな海と南国の輝く太陽があるからこその、昔ながらの美しい塩造りがありました。

古都・台南はグルメの都、ピュアな天然塩を探す旅へ


留学先が台北だったので、最近は南部に興味が湧いています。特に、台湾の最初の首都となった古都・台南には、数多くの古蹟やレトロな建物が建ち並び、近年は日本人観光客からの人気も上昇中。そして、忘れてはいけないのが、台南はグルメの都でもあるということ。「台湾のおいしいものは、みんな台南からだよ!」と、台南人の友人は胸を張ります。

台湾ホームシックのあまり東京の自宅で台湾料理を作ってみることが多い私は、台湾でいつも色々な調味料を買って帰ります。最初はスーパーで適当に買っていたのですが、友人たちのありがたい口コミのおかげで、どんどん良い物がわかってきました。健康は食べ物から。そして、調味料もやっぱり質の良いものがいい。

という訳で、台南在住の友人に付き合ってもらい、ナチュラルでおいしい塩探しの小旅行に出かけました。待ち合わせは台南駅。そこからバスを2本乗り継いで、約2時間半。目的地は、昔ながらの方法を守っている塩田です。

台湾最古、唯一食用可能な伝統的な塩田


何しろ沖縄よりも南にある台湾ですから、海のきれいさは折り紙付きです。そして、照りつける灼熱の太陽は、塩を作るのにうってつけ。台湾では現在は多くが大規模な工場生産になっていますが、ここ・井仔腳瓦盤塩田(台南市北門区)では、昔ながらの手作業で製塩を続けています。

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▲井仔腳瓦盤塩田。入場は無料

このような伝統的な塩田は台南地域に数ヶ所残っていますが、食用にできる品質の塩が採れるのは台湾でここだけだそうです。その歴史は台湾で最も古く、創業は1818年。日本が台湾を統治していた時代には、最高級の塩として皇室にも献上されていたのだとか。

塩田の床はタイル貼りのようになっていて、海水を供給する細いパイプが張り巡らされています。少しずつ海水を流し入れ、太陽の光で乾燥させていくわけです。

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▲手作業で塩を真ん中にかき集める

比べてびっくり!塩の「甘み」を初めて知った日


塩田の横には小さな売店があって、ここで採れた塩を購入することができます。精製方法によって数種類ありますが、どれも海水100%・手作りです。(ちなみに、台北市内でも数ヶ所の店舗で扱いがあります。)

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▲パッケージもおしゃれ

お店のお兄さんが、台湾で一般的に売られている安い塩と、ここの最高級塩「鹽花」(「鹽」は「塩」の旧字体です)を比べさせてくれました。まず、普通の塩は、はい…塩ですねえ。

そして、この塩田の塩。舌にのせた瞬間、「あれ?!甘い!」と思いました。塩なのでもちろんしょっぱいんですが、その塩辛さがやわらかいんですね。そして、のどを通り過ぎると同時に、その塩気がふわっと消えてなくなります。
普通の塩の方は、最初にがつんと舌に塩辛さが刺さり、飲み込んだ後ものどにしょっぱさが残ります。同じ塩なのに、こんなに違うんだ!

目を丸くしている私に、売店のお兄さんはものすごい得意顔。いや、フレーバーソルトではなく、プレーンな塩でここまで違いを実感したのは本当に初めてだったんです。
この塩は、煮込み料理などに使うよりも、直接振りかけて食感と味を楽しむのに向いているとのこと。これをステーキとか天ぷらに合わせたら、絶対絶品に違いない。

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▲「鹽花」を接写。塩の四角い結晶がごろごろ

渡り鳥の憩う海と、南国の太陽の光の恵みの中で


この塩田、昼間も素敵な風景なのですが、夕方の景色はまた格別です。売店のお兄さんとひとしきりおしゃべりしていると、徐々に空が色づいてきました。そして、鏡のようにその夕焼けを映す塩田の色が、刻々と変化していきます。

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▲塩田の夕暮れ。息をのむ美しさ

私と友人は、息をするのも忘れてその色彩の変化に見とれていました。塩田の向こうは多くの渡り鳥が飛来する干潟です。多くの生き物を育む澄んだ海水と、日本にはない熱帯の輝く太陽が、ゆっくりゆっくり時間をかけて生み出してくれた塩。これをいただくときは、宝島・台湾のエネルギーを一緒にいただいているような、そんな気分になります。食べるって、そういうことなのかもしれません。

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▲夕闇に沈んでいく塩田(この後、真っ暗な中で最終バスを待った)

プロフィール

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松浦優子
東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾・台北に語学留学し、すっかり台湾に魅了される。帰国後に日本語教師資格を取得し、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの日本語翻訳などを手掛ける。その後も台湾には年数回のペースで訪れ、一年のうち約1か月は台湾に滞在。現地の友達との旧交を温めつつ、もっと深く台湾を知るべく取材活動を行っている。

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