冷え性撃退! ぽかぽかの鶏薬膳スープ

2016年02月26日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第16回

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台湾に行って「内臓コンシャス」になりました。冬になると世界は「陰の気」が強くなります。人の体も「陰」が勝りがちになるため、体を暖める薬膳スープが大活躍。今必要なものは何か、しっかり選んで補充しましょう。

ちょっとした体調不良は食べて調整するのが漢方式


台湾のスラングに「爆肝(バオガン)」という言葉があります。仕事や勉強で長期にわたり夜更かしなどをして疲労困憊することなのですが、「肝臓が爆発する」というインパクトのある表現です。初めてこの言葉を聞いた時、日本人の若者は、どんなに疲れてもたぶん肝臓には思い至らないよなあと妙に感心しました。

中国語では人の肝臓も動物の肝臓も「肝臓」なので、普段から「豚の肝臓スープ飲もう」とか言うことになります。もっとすごいのは「モツ」で、ずばり「大腸」と言ってしまいます。直訳すると「大腸食べる?」「この大腸おいしいよね」とまあ、ずいぶん直截な物言いになる訳です。夜市のB級グルメには「大腸包小腸(大腸で小腸を包む)」というすごい名前の食べ物まであります。

台湾で何だか「内臓コンシャス」になってしまった私、そんな目で生活してみると、街なかで見かけて気になる言葉がいくつも出てきました。
のど飴は「潤喉糖」、なるほど、喉を潤すのね。でも「潤肺」って何? 肺を潤す…?

前に、台湾は「養生(ヤンシェン)」にあふれていると書きましたが、養生の他に「養胃」も「養肝」も「養肺」もあるのです。それから、「補~」もたくさんあります。「補血」やら「補腎」、「補陰」も「補陽」もあります。実はこれらの言葉、全部漢方医学の用語です。

動けなくなる前に「食べて治す!」


体調がちょっと悪い時というのは、漢方的に言うと陰陽のバランスが崩れている訳ですが、それを何とかするためには、足りないものを補ってやり、多すぎるものを減らします。
これは私の印象ですが、台湾では足りないものを補うのがとても盛んです。

私が通っていた学校の近くに、薬膳鶏スープのチェーン店がありました。そのメニューがこちら。右側にぎっしりと効能が書いてあります。

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▲薬膳鶏スープチェーン「龍涎居」のメニュー

こんなに「効能あるよ!どれにする?!」とアピールされたら、さすがに考えざるを得ません。うーん、今の自分には何を補充したらいいのかな、と意識するようになりました。
風邪気味の時、かつての私は胃腸を休めるためにシンプルな食事になりがちだったのですが、台湾に行ってからは「食べて治す!」という攻めの考え方に変わりました。

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▲何かいろいろ補給できそうな薬膳鶏スープ

陰の気が高まる冬限定、鴨の薬膳スープ


体の中だけでなく、世界そのものも陰と陽のエネルギーが満ちています。夏には陽の気が最も高まり、秋から冬にかけて陰の気の方が強くなってきます。陰の気が最大になるのが冬至です。

体の中も影響を受けて、秋から冬にかけては陰の気が攻勢になります。従って、体を暖めてくれる漢方を使った食べ物を食べなくちゃ!となるわけです。実際のところ、台湾はそこまで寒くならないので、あまりがんばって食べ過ぎると、今度は「陽の気」が過多になり(=火気が大きくなりすぎて)、逆に調子を崩したりもしますが。

ともあれ、台湾の冬の風物詩の薬膳スープ鍋といえば、「薑母雞(ジャンムージー)」です。「薑」はショウガ、「鶏」と書いてありますが鴨肉を使います。鴨肉や押し豆腐、キャベツ、キノコ、そしてショウガなどがたっぷり入っており、味付けはごま油と酒という、身体の芯から暖まるスープです。そして、スープには桂皮、當歸(当帰)、川芎、熟地など、あの「四物飲」にも入っている「ぽかぽか系」漢方が入っています。

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▲冬の名物鍋・薑母雞(ジャンムージー)。鍋の深さがすごい

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▲これも立派な「養生鍋」です

これを夏に食べる人はまずいないので、台湾では秋から冬限定でお店がオープンします。もっとも、この冬は歴史的な暖冬だということでお店はだいぶ困っているようですが。

家でも作れる簡単薬膳セット、あります


日本にいて、「冬には体を暖める漢方スープを飲まなきゃ!」と思った時の強い味方が、パックで売っている薬膳スープ用漢方食材セットです。普通のスーパーで簡単に買えるので、私は台湾に行った時にまとめて買ってきます。肉類を買って、鍋で煮るときに加えるだけなのでとても簡単。

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▲ブレンド済みの漢方食材が入っているのでとても便利

風邪をひいた時にはとにかく暖かいものを! というのは間違いで、既に本格的に風邪をひいて、空咳が出たり、喉に炎症が起きたりしている時に「陽」のものを補充すると逆効果になります。その場合は「補涼」、つまり「陰」の気を補充して温度を下げ、潤いを与えなければなりません。風邪にも実はたくさん種類があるのですが、その話はまた今度。


プロフィール

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松浦優子
東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾・台北に語学留学し、すっかり台湾に魅了される。帰国後に日本語教師資格を取得し、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの日本語翻訳などを手掛ける。その後も台湾には年数回のペースで訪れ、一年のうち約1か月は台湾に滞在。現地の友達との旧交を温めつつ、もっと深く台湾を知るべく取材活動を行っている。

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