健康を支える腸内の花畑(腸内フローラ)を大切に

2016年01月12日

 

私たちの腸内には1000兆個もの微生物「腸内細菌」が棲んでいます。その種類は約3万とも言われ、テニスコートの広さに匹敵する腸管壁を彩る様子はまるでお花畑のよう。このお花畑「腸内フローラ」をいかに元気づけるかが、健康の決め手となります。

細菌の花畑は十人十色

 

私たちは当たり前に「自力で」食べ物を消化・吸収していると信じています。でも実際に活躍しているのは、わずか1マイクロメートル(1ミリメートルの1000分の1)程度の微生物たち。小腸や大腸に住む「腸内細菌」に助けられて生きているのです。

彼らは、人体の厳しい免疫機構も敢えて見逃すほど古い付き合いの「同居人」で、ビタミンやホルモンや酵素の合成まで担い、健康のために欠かせない存在です。その数、実に1000兆個。総重量は約1.5キログラムにもなります。

テニスコートに匹敵する広さを持つ腸管壁の表面で、約3万種もの細菌が領地を争うように増殖している様子は、まるで色とりどりの花畑のよう。このため、腸内細菌群は「腸内フローラ(花畑)」と呼ばれています。

まっさらな胎児の腸には、誕生してオギャアと泣いた瞬間から多種多様な細菌が入り込みます。腸内フローラの構成メンバーは1歳前に決まり、その後は、細菌の顔ぶれはほぼ変わらず、種ごとの生存量が増減します。

そのため、幼い子に抗生物質を使うと腸内フローラに悪影響を及ぼし、アレルギー疾患や自閉症の引き金になるという医者もいます。また、他人の優れた腸内フローラを後天的に得たい大人のために、「うんち移植」という大胆な治療法もあります。

 

ブドウ糖から乳酸をつくる乳酸菌は、腸内を弱酸性に保ち、病原菌や悪玉菌の増殖を抑える大切な善玉菌です。でも、その種類も人生の早々に固定されるので、「生きたまま届く」が売りの乳酸菌製品を食べ続けるなら、自分の腸内フローラと相性の良いタイプを選ぶのがポイント。

もちろん、相性がイマイチでも無意味ではありません。死んだ細菌から出る菌体成分が、腸内にいる細菌たちを元気づけることが分かっているからです。おなかの中の花畑をイキイキと保つためには、乳酸菌やビフィズス菌たっぷりのヨーグルトや、納豆や味噌などの発酵食品が有効です。

「日和見菌」を味方につけてハッピーに

 

腸には、人体の免疫細胞の6割以上があると言われています。神経細胞も脳の次に多く、「第二の脳」と言われる所以であり、ドーパミンやセロトニンといった幸せホルモンの前駆体もつくっています。認知症やうつ病、さらにはがん予防にも関係が深い腸内フローラへの関心は、年々高まるばかりです。

腸内細菌は、よく善玉菌と悪玉菌に分けられますが、実は全体の7割を占めるのは、状況次第で善にも悪にも加担する日和見(ひよりみ)菌。このサイレント・マジョリティを、どちらに動かすかで、勝負が決まると言えます。

腸内フローラのバランスは老化とともに悪化し、日ごろの不摂生によっても崩れますが、食事内容や生活習慣を変えれば、改善が望めます。腸内に悪玉菌がはびこっても、2週間もあれば立て直しが可能というのは、なんとも救いのある話です。

最近では、「腸活」という言葉も登場しました。ストレスとウンチを溜めない、よく眠る、悪玉菌の勢力を抑える乳酸菌や、腸を鍛え免疫力アップにも役立つ食物繊維やオリゴ糖をしっかり摂る、腸内細菌の敵「活性酸素」を減らす野菜やフルーツ、ニンニクを積極的に食べるなどが、そのメイン活動。
腸内フローラを整えるために、早速、「腸活」を始めてみませんか?

 


◆参考文献:『最新!腸内細菌を味方につける30の方法~健康・長寿・美容のカギ 腸内フローラと腸内細菌!』藤田紘一郎(ワニブックス)

 

(文/瀬戸内千代)

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