お正月といわず、いつでも食べて。数の子は質の良いオイルが摂れる「天然のサプリメント」

2016年01月01日

はぐれ薬学院生(♀)の “しみる” ひととき 第6回

 

 

おせちに必ず入っている数の子。子宝、子孫繁栄を祈るめでたい物として、古くから食べられてきました。子持ち昆布なんて特に美味しいですよね。実は最近、数の子は縁起物というだけでなく、身体にもとても良いことがわかってきました。

 

 

EPA、DHAを取るなら数の子! 実は切り身よりも多い、魚卵の栄養分

 

 

健康や美容が気になる方なら、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)のことはよくご存じかもしれません。これらは「オメガ3脂肪酸」とよばれる必須脂肪酸の仲間で、心血管疾患のリスク低下作用、血中中性脂肪低下作用、血圧改善作用、うつ症状の緩和、発生率低下などの効果が報告されています。「青魚を食べると頭がよくなる」というのは、このEPAやDHAの効果のことを言っているんですね。

北海道大学の宮下和夫教授の研究で、数の子にはそのEPAやDHAが豊富に含まれていることがわかっています。

実は、魚卵はもともと魚本体よりもEPA、DHAの含有量が多いそうです。さらに、イクラやマスの卵といった他の魚卵では脂質が中性脂肪として蓄えられているのに対し、数の子ではそのほとんどがリン脂質として蓄えられていることがわかりました。

リン脂質は、細胞を作るのに欠かせない脂質ですが、食事から摂ることによって肝機能を正常にし、脂質代謝異常を改善する効果があることがわかっています。同じEPAやDHAを摂るにしても、中性脂肪として摂るよりも、リン脂質として摂取する方が身体に良いのです。

また数の子の油分は、他の魚油(マグロ油、イワシ油、イクラ油)と比べて酸化に強いという特徴があります。これは、数の子に入っているタンパク質がEPAやDHAをカプセルの様に覆っており、空気に触れる回数が少ないことや、ビタミンEやコエンザイムQ10、ルテインといった抗酸化物質が多く含まれていることが理由とされています。

つまり、数の子は質の良い、天然のサプリメントというわけです。

 

 

 

数の子は痛風の人でも食べられる魚卵製品

 

 

魚卵はプリン体の多い食品だから避けている・・・という方もいらっしゃると思います。

実は、数の子は魚卵の中でも特にプリン体が少ない食品なのです!

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(参考文献* 3)に載っている、プリン体の多い食品と少ない食品の表を見てみると、


● プリン体が極めて多い(100gあたり300mg以上):鶏レバー、マイワシ干物など

● プリン体が多い(100gあたり200~300mg):豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシなど

● プリン体が少ない(100gあたり50~100mg):豚バラ、ベーコン、ほうれん草など

● プリン体が極めて少ない(100gあたり50mg以下):数の子、筋子、チーズ、バター、鶏卵など


と、数の子は「極めて少ない」に分類されているのがわかります。数の子のプリン体含有量は100gあたり21.9mgと、とっても少ないのです。親であるニシンは100gあたり130mg前後といわれています。切り身とこんなに差があるなんてびっくりですね!

ちなみに、1日のプリン体摂取量の目安は400mgです。気になる方は数の子を食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。


 

 

<出典・参考文献>
1)宮下和夫「カズノコは、すぐれた"栄養機能食品"--動脈硬化、高血圧、癌など生活習慣病の予防、アレルギー軽減に効果的。 (特集 ニシン&カズノコ)」 食の科学 (314)、 24-30、 2004-04
2)カナディアン・パシフィック・カズノコ協会 3)日本痛風・核酸代謝学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版」(メディカルレビュー社)

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