ボケ予防に効果的な食べ物とは? 〜その1

2015年11月04日

年齢を重ねるにつれリスクが高まる認知症。研究が進む中、見えてきたアルツハイマー病の原因と、認知症予防の道を探ります。

アルツハイマー病の正体

 

急速に高齢化が進む日本。そのなかで増えている病気が認知症です。認知症は、アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、その他と、大きく4種類に分けられます。そのうち最も多いのがアルツハイマー病です。

アルツハイマー病は、脳の委縮によって引き起こされます。脳の委縮により機能が徐々に低下していき、記憶障害が生じたり、これまでできていたことができなくなったりします。現在、アルツハイマー病を根本的に治療することはできませんが、アルツハイマー病発症のメカニズムは少しずつ解明されつつあります。

1970年代、通常の脳に比べて、ある物質が多く蓄積することがアルツハイマー病の原因ではないかという仮説が立てられ、研究が進められた結果、その主成分が“βアミロイド”だとわかったのです。

βアミロイドは、神経の細胞膜にあるアミロイド前駆体たんぱく(APP)から2種類の酵素の作用によって作られます。それがβセクレターゼとγセクレターゼです。正常な脳では、βアミロイドは分解されてしまうので何の問題もありません。しかし、加齢とともに分解機能が衰えると、βアミロイドが溜まり始め、老人斑という病変になります。これが第一の原因です。

 

 

もう一つの原因は“タウたんぱく”です。タウたんぱくは、神経細胞の軸索というところにあるレール状のものに付いたり、離れたりしています。それがリン酸化して離れ、糸くず状に固まります。これを神経原線維変化といいます。

βアミロイドが溜まると記憶障害が始まり、タウたんぱくが神経原線維変化すると神経細胞が死滅していくと考えられます。

 

アルツハイマーの予防は40代から

 

アルツハイマー病の原因が特定できても、それを防ぐことは簡単ではありません。新薬の開発にも取り組んでいますが、根本的に効く薬は今のところありません。アルツハイマーにならないよう予防するしかないのです。

認知症予防、とくにアルツハイマー病の予防の基本は老化を防ぐことです。アンチエイジングな食べ物を積極的に摂ることが肝心です。では何が効果的なのか?

その一つがカレーです。「インド人にはアルツハイマー病が少ない」……これは多くの学者の知るところです。インド人の食生活と切っても切れないものといえばカレーです。カレーにはウコン(ターメリック)が入っています。漢字で「鬱金」と書きますが、インドでは黄金と同じ価値があるのです。

ウコンには「クルクミン」という成分が含まれており、このクルクミンにアルツハイマー病を抑制する効果があるとわかってきました。もちろん、カレーだけ食べていればボケない、というわけではありません。

アルツハイマー病の原因物質・βアミロイドは40代から溜まり始めるといわれています。予防への取り組みを今すぐ始めましょう。

 

 

参考文献:『加齢に勝つにはカレーを食べよう』杉本八郎 著(インプレス・クイックブックス)

 

プロフィール

 

  杉本八郎(すぎもと・はちろう)先生
同志社大学大学院脳科学研究科チェアプロフェッサー、京都大学大学院薬学研究科最先端創薬研究センター客員教授、薬学博士。日本薬学会理事、有機合成化学協会理事。世界に先駆けてアルツハイマー病の治療薬「アリセプト」を創った研究者。エーザイ株式会社に就職後、中央大学理工学部工業化学科を卒業。15年の歳月をかけ1000を超える化合物を合成し、アリセプトの開発に成功した。1998年に英国ガリアン賞特別賞を受賞(薬のノーベル賞と言われる)、1999年に日本薬学会技術賞、化学バイオつくば賞、2002年に恩賜発明賞を受賞。2014年に新薬ベンチャーのグリーン・テック株式会社を立ち上げ、代表取締役社長となる。著書に『杉本八郎 創薬への途』(京都廣川書店)等がある。

コメント

この記事へのコメントはありません。

この記事の関連ワード

新着の記事

Sidekibit b fefa1c4699a4986147a527399409cd3c5417e373a7c81d98947fd955971daf54

人工知能KIBITが、あなたに合った記事をおすすめします。 初めてKIBITに教えた時は翌朝までお待ちください。