ココナッツオイルはなぜ人気なのか?

2015年11月04日

世界のセレブたちに選ばれ、日本でも2014年に品切れになるほどのブームを巻き起こしたココナッツオイル。店には特設コーナーができ、何冊もの関連書籍が出版されました。炒め物にドレッシングにと愛用する人が増えています。

素早くエネルギーになりアルツハイマーにも効くとも言われている

 

一般的に、健康に良いのはオリーブオイルやエゴマ油など、不飽和脂肪酸を多く含み、血液をサラサラにする油です。一方、ココナッツオイルは、無色透明でサラッとしていますが飽和脂肪酸を多く含み、約25℃以下で白濁したり固まったりします。高脂血症や動脈硬化を招く動物性脂肪と同類です。

では、なぜ健康に良いと言われるのでしょうか。その秘密は、バージンココナッツオイルに60%ほど含まれる「中鎖脂肪酸」にあります。キャノーラ油などが含む長鎖脂肪酸よりも分子量が小さく、10倍も早く消化吸収されるのです。

貯蔵されず、直接エネルギーになることから、アスリートにも人気です。すでに蓄積されている体脂肪を減らす作用さえあるので、ダイエット目的で飲む人もいます。

医療現場では、全身に素早く栄養を届ける中鎖脂肪酸が、1960年代から乳幼児や入院患者に使われていました。近年のブームの発端は、米国の医師が2008年に発表した報告書でした。アルツハイマー型認知症が、ココナッツオイルで劇的に改善したというのです。

その後の研究で、ブドウ糖を上手に使えなくなったアルツハイマー患者の脳が、ケトン体からエネルギーを得て動き出すことが分かってきました。ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸が分解される際に合成されるケトン体は、抜群に効率の良い脳の燃料で、元気な人にも有効です。

 

適量を摂取して美しく健康に

 

ココナッツオイルは、アブラヤシから作るパーム油とは別物です。原料は、ココヤシの種子の胚乳。白い固形の胚乳を削って絞ったココナッツミルクから分離して作ります。

産地の東南アジアでは、昔からココナッツオイルを日焼け止め剤や塗り薬にしてきました。ビタミンEの一種であるトコトリエノールや、母乳の成分でもあるラウリン酸を含み、紫外線を防ぐはたらきや保湿効果があるからです。

トコトリエノールの抗酸化作用は、さびない体をつくり、ラウリン酸の抗菌活性は、免疫力を高めます。ココナッツオイルは、美容にも健康にも役立つ万能油というわけです。

とはいえ、南国産なので身土不二(住む土地のものをいただくのが最良という仏教の考え)に背くという意見もありますし、性ホルモンの働きを阻害するという研究結果もあるようです。絶賛の裏側の情報にもアンテナを張りながら、適度に生活に取り入れていきたいですね。

 

ライター/瀬戸内千代 (せとうち・ちよ)

 

参考文献:『脳の老化を止める! ココナッツオイル健康法』(朝日出版社)

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