今日から使えるビタミンBの正しい知識と手軽な摂り方

2017年02月17日

管理栄養士に聞く、栄養の基礎と簡単レシピ 第7回

ビタミンB1、B2、B6、B12などビタミンBには様々な種類があります。それぞれ体の中で酵素の働きを助け、糖質や脂質、タンパク質の代謝を促しています。体内に蓄積されないため、毎日必要量を摂取することが求められる栄養素です。

 

 

ビタミンB群は糖質や脂質、タンパク質の代謝や神経組織に欠かせない栄養素です。ビタミンB群はどんな食品に入っているのか、効率よく摂取できる食べ方など、今回はビタミンB群について詳しくお伝えしていきます。

 

ビタミンB群とは

 

ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種類があり、これらを総称して「ビタミンB群」と呼ばれています。すべて水に溶けやすい水溶性のビタミンで、熱に弱い性質を持っています。

 

ビタミンB群の重要な働きは「補酵素」になることです。私たちの体は糖質、脂質、タンパク質を消化してエネルギーや体を作る材料を合成していますが、その時に活躍しているのが酵素です。ビタミンB群はこれらの酵素の働きを助けています。ご飯やパン、肉や魚をしっかり食べていても、ビタミンB群がとれていないとエネルギーや体の材料が作られにくくなり、あらゆる不調の原因につながってしまいます。体の中で作ることができないので食事でしっかり補っていきましょう。

 

炭水化物大好きなあなたにビタミンB1

 

ビタミンB1は糖質の代謝に必要な酵素の働きをサポートしています。つまり、糖質(炭水化物)から活動に必要なエネルギーを生み出すのに欠かせない物質です。また脳の中枢神経や手足の末端神経の機能、心機能の正常化にも関わっています。

 

ビタミンB1が不足すると、摂取した糖質はエネルギーに変わることができず、疲れやすくなったり、体がだるくなったり、さらには代謝の低下から太りやすくなってしまいます。またイライラや集中力の低下などの症状もあらわれます。極端な不足の例として、かつて国民病のひとつといわれた脚気(かっけ)があります。炭水化物ばかりの食生活をしている人やお酒をたくさん飲む人、運動によるエネルギー消費量の多い人はビタミンB1の消費が激しいので積極的に補う必要があります。

 

日本人の食事摂取基準(2015年版)では1日の推奨量は男性1.4mg(18~49歳)/1.3mg(50~69歳)、女性1.1mg(18~49歳)/1.0mg(50~69歳)とされています。通常の食事をしていれば摂りすぎの心配はまずありません。

 

ビタミンB1は豚肉の赤身に多く含まれています。脂身の少ない豚ヒレ肉が一番多く、100gに0.98mg含まれています。次いで豚もも肉(0.90mg/100g)、豚ロース(0.68mg/100g)の順となります。他にはうなぎ(0.75mg/1串)や鶏レバー(0.48mg/100g)、玄米、豆類、ナッツ類にも含まれています。また、にんにくやニラ、玉ねぎや長ねぎに含まれる「アリシン」と結びついたビタミンB1は熱に強く、吸収もよくなるので組み合わせてとるのがオススメです。

 

お肉大好きなあなたにビタミンB2

 

脂質の代謝に必要なビタミン、それが「ビタミンB2」です。ビタミンB2は「発育のビタミン」とも呼ばれ、脂質の代謝に関わる他、皮膚や髪、爪などの細胞の再生に働き、成長を促す作用が知られています。肌荒れなどのトラブルを解消してくれるので、美しくやせたいダイエッターには必須の栄養素といえますね。

 

また、ビタミンB2には粘膜を保護する働きがあり、口角炎や口内炎などの予防にも効果的です。疲れ目や目の充血も改善してくれるので、パソコンやスマホなどで目を酷使する現代人は意識してとりたい栄養素でもあります。不足すると、皮膚や粘膜の炎症の原因になったり、肌荒れや口内炎、目の充血、枝毛や切れ毛などの髪のトラブルにつながってしまいます。そんな症状が出ていたら、ビタミンB2が不足していて、脂質の代謝が落ちているサインかもしれません。なお、子どものビタミンB2不足は深刻な成長障害を引き起こす場合があるため、小さいお子さんのいる家庭は注意が必要です。

 

ビタミンB2の推奨量は、男性1.5~1.6mg(18~69歳)、女性1.1~1.2mg(18~69歳)です。レバーに多く含まれ最も含有量が多いのは豚レバー(3.6mg/100g)です。うなぎ、納豆、卵、乳製品、葉物野菜、魚にも含まれています。ビタミンB2は熱に弱いため、納豆(0.28mg/パック)、(0.26mg/個)、牛乳など、加熱せずに食べられるものを活用すると、効率よくビタミンB2をとることができますよ。

 

筋肉をつけたいあなたにビタミンB6

 

ビタミンB6はタンパク質、脂質の代謝を行う重要な栄養素です。タンパク質からエネルギーを作り出す過程で酵素を手助けする役割もあり、その働きにより皮膚や粘膜の健康にも重要な働きをしています。また、ドーパミン、アドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質の合成にも関与しており、神経機能を正常に保つ働きもあります。他にもアレルギー症状、月経前症候群(PMS)、つわり症状の緩和にも効果があると言われています。

 

日本人の食事摂取基準(2015年版)では成人男性1.4mg 女性1.2mgが推奨されています。近年食の欧米化により肉の摂取量も増えたため、ビタミンB6が注目されています。たんぱく質摂取量が多い人ほど必要量も増えてきます。また妊娠・授乳中やピルを服用している女性は、ホルモンの関係で必要量が増加しますので、積極的にとるようにしましょう。

 

肉、魚、豆類、ナッツなどに含まれていて、特にマグロ(0.86mg/100g)、カツオ(0.76mg/100g)に豊富に含まれています。その他、バナナ・にんにくにも多く含まれます。熱に弱いため、魚であれば刺身のように生で食べるのがオススメです。マグロのお刺身なら7、8切れで1日の必要量の50%が摂取できます。毎日お刺身を食べるのは難しいので手軽に食べられるバナナが便利。1本で必要量の約30%が摂取できますよ。ビタミンB6は腸内細菌からわずかですが合成されるため、欠乏することも少なく、水溶性ビタミンのため過剰に摂取しても尿中などに排泄されやすいです。

 

ベジタリアンが不足しがちなビタミンB12

 

ビタミンB12はタンパク質のもととなるアミノ酸の代謝や、タンパク質の合成に関わるビタミンです。DNA合成の調整をしたり、赤血球を作り出し、同じビタミンB群である葉酸と共に悪性貧血を予防する働きもあります。悪性貧血とは、鉄分不足で起こる貧血ではなく、赤血球の形成や再生がうまく行われないことにより起こる貧血で、全身のだるさやめまい、動悸、息切れ、食欲不振などの症状が現れます。

 

日本人の食事摂取基準(2015年版)ではビタミンB12の必要量は男女共に2.4µg/日とされています。体内の腸内細菌によって作られ肝臓にも蓄えられるため、不足することはほとんどありません

 

しかしビタミンB12は、植物性食品にはほとんど含まれず、ベジタリアンで動物性食品を食べない方など、極端な偏食の場合はビタミンB12が不足しかねません。また胃切除した方や高齢者ではうまく吸収ができなくなるため、注意が必要です。主に動物の肝臓に蓄えられるので、牛、豚、鶏などのレバー魚類なら内臓も含めて食べると効率よくとることができます。またビタミンB12は貝類にも多く含まれていて、しじみ(10個:6.2µg)、あさり(5個:10µg)は汁物1人前食べれば簡単に1日分がとれるのでオススメです。他にも牛乳、チーズなどの乳製品、植物性食品では納豆や味噌などの発酵食品からもとることができます。

 

ビタミンB群がとれるおすすめレシピ

 

ビタミンB群は互いに協力し合って糖質、脂質、タンパク質の代謝に関わっていますので、複数のビタミンを合わせてとると高い効果が期待できます。ビタミンB群がとりやすいレシピをご紹介します。

 

(1)まぐろとアボカドの納豆玄米丼

ご飯を玄米にするとビタミンB1がプラスできます。マグロやアボカド、納豆、卵が加わることで玄米が苦手な方も食べやすくなっています。ビタミンB群もたっぷりとれる1品です。

 

(2)簡単☆あさりのクラムチャウダー

ビタミンB12は比較的乳製品だと取り入れやすいかと思います。牛乳に魚介類のアサリを組み合わせるクラムチャウダーは、ビタミンB12がたくさんとれます。汁ごと食べられるので栄養素も逃さず、体も温めてくれるので寒い時期にもオススメです。

 

最後に

 

ビタミンB群は水溶性なので生で食べたり、煮汁ごと食べられる料理がおすすめですよ。余ったビタミンB群は尿中に排泄されるので、安心してしっかりビタミンB群をとっていきましょう。

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参考資料

1) 日本人の食事摂取基準(2015年)

2) 香川靖雄教授のやさしい栄養学 香川靖雄 著

3) 五訂増補食品成分表

4) 厚生労働省HP

5) クックパッド, 『まぐろとアボカドの納豆玄米丼

6) クックパッド, 『簡単☆あさりのクラムチャウダー

 

<プロフィール>

一般社団法人NS Labo [栄養サポート研究所]

 

全国600名の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やヘルスケア事業に取り組む企業のコンサルティングや商品開発、コンテンツ提供などの事業サポートと、ヘルスケア分野で活躍できる管理栄養士の人材育成、人材紹介を行うほか、ダイエットアプリ『Mealthy』内で管理栄養士による食事サポートなどの事業支援を行う。

 

《WEB》 一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)

《ダイエットアプリ》 Mealthy

 

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