そのダイエット法、間違ってるかも…? あなたに本当に合うダイエットとは

2015年12月14日

はぐれ薬学院生(♀)の “しみる” ひととき 第3回

「糖質制限」「低インシュリンダイエット」—世の中には様々なダイエット情報があります。一体、どれが自分に合った方法なのでしょう? 話題のダイエットを頑張って続けているけど、あまり効果が出ていない。色々手を出してダイエットに疲れてしまった…そんな方におすすめです。

最近のダイエット法は“平均値”でしか語られていない!

 

今話題の「糖質制限」「低インシュリンダイエット」。炭水化物・砂糖やGI(食品によって血糖値が上昇するスピード)の高い食品を避けることで、血糖値の急上昇を抑えようというダイエットです。よく耳にしますよね。でもこれは、大勢の人の血糖値の“平均”を見た結果から言われていることなんです。つまり、同じ食事をしても血糖値がぐーんと上がる人もいれば、あまり変わらない人もいるかもしれないということ。もしこれが本当なら、巷でよく耳にするダイエット法は、あなたに合っていないのかもしれません。

血糖値の急上昇は、インスリン(血糖値を下げるホルモン)への耐性を引き起こします。これが2型糖尿病をはじめとした慢性疾患につながることはよく知られていて、「血糖値の急上昇を抑える」という考え方自体は間違いではないのです。ただ、「どんな食事が血糖値の急上昇を引き起こすのか」「良い食事、悪い食事は何か」ということは、今まで血糖値の“平均値”でしか語られてきませんでした。
そこでこの11月にイスラエルの研究チームが『Cell』誌(自然科学の三大トップジャーナルの一つ:参考文献*3)に発表した研究結果が、とても話題になっています。

「良い食事」「悪い食事」は人によって違う

 

研究結果を大きく3つに分けると、次のようになります。

• 800人の集団で食後の血糖値の動きを一人ひとり調べて見たところ、人によってかなりバラバラだった
• 血糖値がバラバラになった原因は腸内フローラ(腸内細菌嚢)の違いで説明できる
• この調査からわかった、人それぞれに合った食事を1週間取ってもらったところ、血糖値の動きや糖代謝にとても良い影響があった

結果はやはり、人によってバラバラ! 研究チームによると、似たような食事をした人同士でも、血糖値の動きが異なっていたそうです。また、血糖値をよく上げた(=悪い)食事とあまり上げなかった(=良い)食事を調べてみたところ、これもまた人によってバラバラだったのだそうです。実際に良い食事をそれぞれ取ってもらって改善が見られたというのですから、すごいですね。研究チームは長期的な食事の影響も見る予定とのことで、ますます期待が湧きます。

しかも、その原因がこれもよく聞く「腸内フローラ」。食べ物を吸収するのは腸ですし、人によって良い食べ物と悪い食べ物が違うというのを聞くと、確かに腸内環境が関係していそうな気がします。

 

本当に自分にあったダイエット法とは?

 

 

では、自分に合っているダイエット法を探すにはどうすれば良いのでしょうか?

今回紹介した研究のように、オーダーメイドの良い食事を見つけて取るというのは、現実にはまだまだ難しいと思います。DNAを調べて自分に合ったダイエット法をおすすめするサービスもありますが、それに囚われてダイエットに疲れてしまっては本末転倒です。技術が進歩するまでは、こういったサービスをうまく取り入れながら、自分で試して一つ一つ取捨選択をするのが大事なのではないかと思います。

人によって体の作りが違うのだから、食事の影響も人によって違うというのは、考えてみれば当たり前ではないでしょうか。健康になりたい、美しくなりたいという気持ちから色々と手を出してしまいがちですが、自分の「カラダ」の声をよく聞くのが今は一番のダイエット法かもしれません。

とりあえず1週間試してみて、良さそうだったら続けてみる。でも、ダメだったときは暗い気持ちにならず、「私にはこれが合っていなかったんだな」と、軽く受け流して、楽しく気長にダイエットができると良いですね。

 

 

<出典・参考文献>
1)Nala Rogers Why you shouldn’t always listen to dietary guidelines Science News 19 November, 2015
2)Tal K et al. Growth dynamics of gut microbiota in health and disease ingerred from single metagenomics samples. Science 2015, 349(6252): 1101-06
3)Zeevi D et al. Personalized Nutrition by Prediction of Glycemic Responses. Cell 2015, 163(5): 1079-94 [PMID: 26590418]

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