再び注目を浴びている海洋深層水ってどんな水?

2016年10月03日

 

海洋深層水入りの飲料水を買ったことはありますか? 登場以来、話題になっていてなんとなく体に良さそうですが、どんな効果が期待できるのでしょうか。そもそも、海洋深層水って何でしょう?

 

海洋表層から200メートル以深を2000年かけて巡っている海水

 

「海は広いな大きいな」と歌う童謡のとおり、海は地球表面の7割を占めるほど広大。平均水深は富士山をすっぽり飲み込む約3800メートル。地球の半径から見たら表面のわずかな層とはいえ、海水は相当なボリュームで存在しています。その量の95%にあたる水深200メートル以深の水がすべて、「海洋深層水」です。つまり、世界じゅう至る所に大量にあります。

 

思わず「なーんだ」と言いそうになりますが、海洋深層水は昨日今日にできた水ではありません。海水は温度と塩分で比重が変わります。地球の両極付近で冷やされた海水はぐんぐん沈み込み、深層海流となって海洋をゆっくりと循環しています。やがて浮上しますが、また冷やされて沈み、メビウスの輪を描くように、なんと約2000年もかけて世界を巡っているのです。

 

深海はヒトが簡単には行けない場所なので、取水にもそれなりの技術とコストが必要です。深海から汲み上げた海洋深層水は、清潔で冷たく高圧に長期間さらされて表層水にはない性質を帯びています。たくさんあるけれど手に入りにくく、今でも研究者にとっても興味深い水、それが海洋深層水なのです。

 

心身の健康に役立つとされている海洋深層水


暗い深海には光合成をする植物プランクトンが棲めないので、彼らが消費する無機栄養塩(硝酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩など)が表層水の5~10倍の濃度で残されています。海洋深層水で育てると高級アオノリも栄養たっぷり、効率よく増えるといいます。

 

さらに、深海の水には細菌や微生物が少なく、陸上由来の化学物質汚染が極めて少ない。ですから、飲料水や食品、化粧品に応用しやすく、重宝されています。醤油や酒など発酵食品に海洋深層水を使うと、発酵が促進されて風味が増すことがわかっています。介護福祉の分野でも、淡水化した海洋深層水を半年ほど飲用した高齢者の便通や血流などが改善され、免疫力が向上したと報告されています。

 

最も普及している関連商品といえば、やはりボトルドウォーターでしょうか。海洋深層水由来の水は、カルシウムやマグネシウムなどミネラル成分が豊富です。マグネシウムは、喘息や偏頭痛の改善に有効と言われています。ただし硬度の高い水は味に癖があるので、大人買いする前にテイスティングをお忘れなく。

 

日本では、1980年代に室戸から始まっている海洋深層水開発。今では全国10カ所以上で取水され、各地でその活用が進んでいます。全身を海洋深層水に浸せるタラソテラピー(海洋療法)施設も、高知、富山、静岡にできています。おいしい水や食事を楽しみ、海水の浮力に身をあずけて、母なる海の腕の中でリラックスする海洋深層水三昧の旅。次のお休みにでも、いかがでしょうか。


◇参考文献
『よくわかる海洋深層水』高橋正征監修、吉田秀樹著(コスモトゥーワン刊)

◇参照サイト
http://www.aori.u-tokyo.ac.jp/project/hadeep/knowledge.html#ds4

http://www.pref.kochi.lg.jp/shinsosui/qa/qa.html

http://www.pref.kochi.lg.jp/shinsosui/use/use.html

https://newspicks.com/news/1084234/body/

 

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