千年続く滋養強壮の健康飲料・擂茶(レイチャ)

2016年08月05日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第38回


その由来は三国時代とも言われる、客家(ハッカ)人の健康茶・擂茶(レイチャ)。緑茶の茶葉や黒ごま、ピーナッツなど、健康に良い素材をすり鉢ですり、お湯を加えて飲みます。台湾の苗栗県・南庄で体験してきました。

 

言葉も文化も食べ物も独特な客家(ハッカ)の人たち


台湾には、言語も文化も多様な人たちが住んでいます。台湾島に一番古くから住んでいたのはマレー・ポリネシア系の先住民。17世紀ごろ、中国大陸・福建省から多くの福佬(ホーロー)系漢民族が台湾へやってきました。それにやや遅れる形で、同じく漢民族の客家(ハッカ)人が。そして、日本が統治していた時代には日本人もいました。

客家(ハッカ)人は古代から続く漢民族のひとつです。中国大陸だけでなく、台湾や東南アジアなどあちこちに移動していますが、長年続いた血統や独自の文化、言葉(客家語)を大事に守っています。台湾の人口の18%ほどを占め(※)、北部では、新竹・苗栗県あたりに多く住んでいます。

「台湾料理」と「客家料理」のレストランでは、全然違う料理が出てきますよ。

※中華民国客家委員会/民國103(西暦2014)年度人口推計(2014年6月公表)

 

客家の里・苗栗県南庄で、客家の栄養飲料を体験


という訳で、台北から特急で約1時間半、駅からは友達に車を出してもらい、苗栗県・南庄郷へ。

さて、客家人の友達から教えてもらったのが、客家の健康茶「擂茶(レイチャ)」です。「擂」は「ごまをする」の「擂る」の字。すり鉢で材料をゴリゴリすって粉にし、お湯を注いで作ります。「結構大変よ~」と言われましたが、どうでしょう?

 

▲友達の知人の店「古早味擂茶坊」(南庄)


擂茶(レイチャ)作りの工程は以下の通りです。

① 緑茶の茶葉をすり鉢でする
② 黒ゴマ、白ゴマ、ピーナッツ、カボチャの種を加え、ひたすらする
③ 「養生粉」を加えてよく混ぜる。
④ お湯を注ぐ。(アイスの場合はお湯を少なめにし、氷を入れる)
⑤ 玄米と一緒に小椀に注いでいただく


まずは緑茶から。すりばちでゴリゴリすって、茶こしでふるいます。

 

▲緑茶をする

次はメインの材料。
▲黒ゴマ、白ゴマ、ピーナッツ、カボチャの種


ひたすらすります。ごりごりごり。カボチャの種がなかなか細かくなってくれない。
いちおう、がんばってる風の写真を撮る。

▲擂茶(レイチャ)作成中!


そして、すぐ疲れて台湾男子たちに任せる。その後は応援に尽力する私。

ゴリゴリするのはここまでで、この後はきな粉のような「養生粉」を加えて混ぜ、お湯を注げばだいたい完成。ポン菓子のようにさくさくした玄米を入れて、いただきます。

 

▲すり終わったら、さらに粉を加えてお湯を入れる
 
▲玄米を入れたお椀に分ける


今回は夏だったので、お湯を入れた後に氷を加えたアイスにしました。味は、抹茶に砂糖ときな粉が溶けたものだと思っていただければ。手作業ですったので結構舌触りは粗めです。


▲完成!!アイス擂茶(レイチャ)


少し甘みがあって、すりたてのピーナッツやゴマの香りが広がり、さくさくの玄米と一緒にいただくと、とっても美味しいです。
 

元々は滋養にいい栄養食だった擂茶(レイチャ)


一説には三国志時代からあると言われている擂茶(レイチャ)。宋代には客家の飲食文化として定着していたそうです。

原型は、茶葉・ショウガ・米が材料だったそうで、その栄養の豊富さから「三生湯」「三生茶」などと呼ばれていました。

その後、塩味の食品として発展。茶葉・ゴマ・ピーナッツ・香菜・バジルなどをペースト状にすりつぶし、炒めたエビや青菜を加え、お茶漬けのようにごはんにかけて食べていたそう。

現代では、ほんのり甘くて美味しい飲み物になりました。擂茶(レイチャ)は渇きをいやし、「気血水」の「水(津液=リンパ液)」の増加に役立つとされます。客家の伝統では毎日朝10時と午後3時ごろに飲むそうで、「1日3回飲めば夜まで疲れ知らず、毎日飲めば98歳まで長生き」と言われる、スーパー栄養飲料です。

ゴリゴリするのがめんどくさい人のために、パウダータイプもあります。
 


▲お湯を注ぐだけのパウダータイプ


DIYの時「養生粉」の中身が気になっていたのですが、この製品の原材料を見ると、「養生粉」にも、きな粉、砂糖、麦などの雑穀や豆類、茯苓(ブクリョウ)、山芋(淮山)、蓮の実(雪蓮子)など、いろいろ栄養のある材料が入っていたようです。

客家の長い伝統の中で大事にされてきた擂茶(レイチャ)。台北でも、客家料理店で出してくれるところがあるとか。時間があれば客家の街に足を運んで、台湾の多様な文化を味わってみていただけたら嬉しいです。


プロフィール

松浦優子


東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾・台北に語学留学し、すっかり台湾に魅了される。帰国後に日本語教師資格を取得し、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの日本語翻訳などを手掛ける。その後も台湾には年数回のペースで訪れ、一年のうち約1か月は台湾に滞在。現地の友達との旧交を温めつつ、もっと深く台湾を知るべく取材活動を行っている。

 

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