体の中で燃えている火

2015年12月25日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第8回

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吹き出物ができたり、口の中が乾いたりしているときは、体の中の「火気(フオチー)」が大きくなりすぎているんだと、台湾の友人たちが教えてくれました。それで、「火気」ってなに? 台湾で知った、漢方医学の「火気」の考え方をご紹介します。

体の中の火加減、ちょうどいいですか?


顔に吹き出物ができてしまった時、台湾の人は「あーあ、『火気(フオチー)』が大きくなっちゃったんだよね」と当たり前のように言うのです。「火気」? どう考えても「火気厳禁」の火気ではなさそうなので、「それってどういう意味?」と聞いてみると、「うーん、体の中の『火気』が大きくなってさ・・・」。と答えにならない答え。台湾で暮らすうちにだんだんとその感覚がわかってきました。「熱が出る」とはまったく違う概念です。

日本では、チョコレートを食べすぎると吹き出物ができるというのは常識ですよね。この時に体の中で起きていることを、漢方の言葉では「火気が大きい(火気大)」とか「火が上がる(上火)」と表現します。

人の体の中では絶えずエネルギーが燃焼していて、それを昔の漢方医学では「火」と呼びました。体のバランスがとれている時、その「火」の大きさはちょうどよく保たれています。そして、新陳代謝や食べ物の消化・吸収、血液の循環などを担っているといわれます。

ところが、過労やストレス、睡眠不足などが引き金となり、ときに「火」が大きくなりすぎてしまうことがあります。もちろん、体を暖める「熱性」の食べ物のとりすぎも原因となります。

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悪者を退治するのではなく、バランスをとるという考え方


「火」が大きくなると、目や唇が乾燥する、口の中が乾く、吹き出物ができる、寝付きが悪くなる、便秘になるなどの症状を引き起こします。逆に言うと、こういう症状が出てきたら「火気」が大きくなっちゃったんだなあと感じるわけです。代謝が過剰になってのぼせた感じになったり、神経の昂ぶりが続いたりする状態です。特に夏場に多いと言われます。

「火」のバランスについては、ラーメン屋で麺をゆでる大鍋みたいなものだとイメージするとわかりやすいかもしれません。ずっといい具合に沸き続けているのがバランスの良い状態で、火が強すぎたら水が減り、最後は空焚きになってしまいます。ですから、「火気」が大きすぎると気づいたら、それを小さくすること(退火)が必要になります。「退火」は消火ではありません。火が消えてしまったら麺がゆでられなくなってお店が営業できません(=生きていられません)から。
病原菌を壊滅させれば治るというような考え方ではなく、あくまでもバランス調整を図るというのが漢方の特徴で、とてもおもしろいと思います。

「上火」には、クールダウン食材でまず対応


さて、「退火」の方法ですが、まずは水分をしっかりとり、刺激物を避け、体のクールダウンを促す「涼性」の食物をとることが最初の手段です。夏ならスイカ、秋なら梨などたくさんあります。その他、漢方薬としての効能を持つ「涼性食品」を使ったお茶やスープもいいです。
突然ふらふらとするような急性の「上火」の場合には、気とともに体内を循環しているとされる「津液(リンパ液)」の流れを良くする民間療法「刮痧(グワシャー:かっさ)」をしたりもします。「刮痧」については、また別の機会にご紹介しましょう。

プロフィール

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松浦優子
東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾に語学留学。帰国後に日本語教師資格を取得、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの翻訳などを手掛ける。台湾には年数回「里帰り」。

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