目のケア~その1 頭痛、肩こり、倦怠感…。その原因は「疲れ目」かも!?

2015年11月04日

最近、なんとなく体がだるい。頭痛がする。肩こりがひどい……。
そんな体の不調を訴える人が増えています。
ところが病院に行って診察を受けても、特に問題はないと言われてしまいます。

実はその不調、原因は「疲れ目」にあるかもしれません。

たかが「疲れ目」、されど「疲れ目」

 

肩こりはまだしも、体のだるさなんて目とは関係ないのでは?
そう思う人がいるかもしれません。
しかし「目」は、頭のてっぺんから爪先まで、皆さんが思っている以上に全身に関係してくる器官なのです。

例えば、現代人はストレスから逃れることはできません。仕事、家庭、人間関係など、様々なストレスに囲まれて過ごしています。
そしてストレスが許容量を超えると、自律神経のバランスが崩れます。自律神経とは、人間の生命維持をつかさどるもので、緊張しているときは交感神経が、リラックスしているときは副交感神経が優位になるようになっています。
交感神経と副交感神経のバランスがとれていれば、人は元気よくすごせるのですが、過度なストレスがかかると交感神経が過敏になり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。

そんな状態に加えて、パソコン操作などで目の筋肉が緊張を強いられる状況が長く続くと、さらに交感神経の緊張が続くことになってしまうのです。

そうなると、体のあちこちから悲鳴があがります。
頭痛、肩こり、そして倦怠感。それだけではありません。不眠になったり、胃がもたれたりと、実に様々な症状が現れます。
たかが「疲れ目」と侮るなかれ。
「疲れ目」は、自律神経からくる体の不調をさらに悪化させてしまう可能性があります。

 

ブルーライトは疲れ目の原因

 

電車やバスの中ではほとんどの人がスマホの画面を眺めています。かつては新聞や雑誌、文庫本が占めていた位置を、現在はスマホが独占しつつあります。

それだけではありません。仕事で長時間パソコン画面を凝視し、家では液晶テレビを見るといったように、誰もが知らず知らずのうちに目を酷使しているのです。

パソコンやスマホ、液晶テレビにタブレット。これらから発せられるブルーライトは、疲れ目の原因になると考えられています。
最近では、このブルーライトをカットするメガネが話題になり、言葉だけは知っているという人も多いでしょう。
では、なぜブルーライトは疲れ目の原因になるのでしょうか。

太陽の光は、私たちの目には白っぽく見えますが、実際には赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色をしています。いわゆる虹色と言われる七つの色です。
これらの光は色によって波長が異なり、赤い光は波長が長く、紫に向かって徐々に波長は短くなっていきます。
そして、この波長の長さが光のエネルギーの大きさに関係してきます。

例えば、こたつに利用されている赤外線は波長が長い光です。この赤外線では日焼けはしませんが、波長の短い紫外線では日焼けをしてしまいます。そのほかにも、食品や製薬工場などでは殺菌用に紫外線ランプが使われています。つまり波長が短い光のほうが強いエネルギーを持っているということ。
実際、波長の短いブルーライトのエネルギーは、赤い色の光と比べて倍近い強さのエネルギーを持っています。

この強いエネルギーを持つ波長の短い光を受けると、目にダメージを与える活性酸素が増加します。これが、ブルーライトが目に良くないと言われている理由です。

それだけではありません。パソコン画面やスマホに夢中になっていると、ついつい瞬きを忘れてしまいがちです。通常は1分間に10~20回ほどの瞬きをしています。ところがスマホの画面に集中していると、1分間の回数が5~6回に減っているという報告があります。
瞬きは眼球に水分を補給するという重要な役割を担っているのですが、瞬きの回数が減ると目の表面が乾いてドライアイになったり、充血したり、視力が落ちてしまったりするのです。

パソコンやスマホ、液晶テレビにタブレットなど以外にも、ブルーライトを発するものはあります。例えばエコな光源として爆発的に普及したLEDライトもブルーライトを発しています。
もちろん、ブルーライトのすべてが悪いのかといえばそういうわけではなく、体内時計を調整する役割も果たしています。朝に太陽の光の中のブルーライトを浴びることで体が目覚め、夜になって太陽光のブルーライトがなくなると寝る……これが体内時計の基本でした。
ところが現代では24時間、ブルーライトに囲まれていますから、何もしないと体内時計は狂いっぱなし。
特に、目に限って言えばブルーライトを浴び続けるのは避けるべきです。就寝時、ベッドの中でスマホ画面を見ている人は要注意。ブルーライトによって睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が低下して、眠れなくなったり、睡眠の質が低下したりします。

仕事でパソコンを使う時には時々目を休める、ブルーライトカットのメガネを使う、スマホを見る時間を意識的に減らすなど、まずは意識的にブルーライト対策を始め、疲れ目にならないように気をつけましょう。

プロフィール

 

  味木 幸(あまき・さち)
眼科専門医(オフサルモロジスト)。医学博士。
1967年広島県生まれ。1992年慶応義塾大学医学部卒業後、同大学眼科学教室入局。国家公務員共済組合連合会立川病院眼科、亀田総合病院眼科、川崎市立川川崎病院眼科副医長などを経て、2003年4月に「あまきクリニック」を開設。
最近では、テレビのコメンテーターとしてPC・スマホ時代の新しい目のケアを唱え、一躍脚光を浴びている。近著に、『近視・老眼を放っておくと脳がバカになる』(青萠堂)がある。

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