漢方の安眠学「こう寝る・こう食べる」

2016年06月10日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第30回


漢方では、陰陽や「気血水」のバランスの崩れが原因で不眠が起こります。内臓を順番に修復してくれる「気」の動きを把握し、正しい時間に眠りましょう。不眠やイライラに効く漢方食材・ユリ根のレシピも紹介します。

 

漢方の不眠「不寐(ふび)」と「気」の関係


「健康じまん.com」でも多くの記事がある「睡眠」。
漢方ではどんな風に考えられているのかな?と、調べてみました。

中医学では、いわゆる不眠(睡眠障害)を「不寐(フーメイ:ふび)」といいます。「寐」という字は「寝る」という意味。

「不寐(ふび)」は、体内のバランスの乱れによって起こります。原因としては、精神的ストレスや不摂生により体内に余計な熱が生まれてしまったり(「火気」の過多)、「血」が不足したりすることなどが挙げられます。

人体には「気・血・水」が流れており、陰陽のバランスを保っています。そのバランスは、外界(自然界)の影響を受けて常に変動します。自然界の陰陽バランスが刻々と変化するからです。

昼間は自然界の陽の気が高まるのに呼応して、人体の「気(精気)」は活発に流れ、体外に発散します。日が暮れて陰の気が満ちてくると「気」の活動も落ち着いて体の深部に留まり、内臓の不調などを修復してくれます。

「気」が内臓を巡回して体をメンテしてくれる順番と時間帯は決まっています。

なので、「何時間寝ればいい」というものではなく、睡眠をとる時間も大事です。この養生法を「十二時辰養生法」といいます。

 

 

「気」が巡回して内臓をメンテ、そのためには11時前の就寝を

 


中国最古の医学書『黄帝内経』によると、健康のために就寝するべき時間は「子(ね)の刻」の前。子の刻は午後11時から午前1時を指します。この時、「気」は「胆」を修復してくれます。

続く丑の刻(1~3時)は「気」が「肝」に移動し、寅の刻(3~5時)は「肺」へ。

この3つの時間帯に熟睡していることが、健康にとってとても大事だとされます。

卯の刻(5~7時)は「大腸」のメンテタイム。目覚めたらぬるま湯を一杯飲んで排便を促しましょう。

辰の刻(7~9時)、「気」は「胃」に集中しているので、きちんと朝ごはんを食べましょう

 

 

▲午後11時~5時は熟睡していることが大事

 


睡眠のゴールデンタイムは午後11時~朝7時ごろ。特に、11時前に就寝した方が良い。これは西洋医学と共通した見解ですね。

ただ、漢方では、睡眠の時刻と長さについて、季節ごとのアドバイスもあります。

自然界では、夏至に陽の気のピーク、冬至に陰の気がピークとなります。それに対応するため、

春と夏:「遅寝-早起き」

秋:「早寝-早起き」

冬:「遅寝-遅起き」


が良いとされているのです。

春と夏に早起きした方がいいのは、太陽の光を浴びて陽の気を吸収し、冬場にたまった体内の陰の気や湿気を飛ばすのにいいからです。

夜更かしって、陰の気をためちゃう上に、内臓メンテナンスもし損なっちゃうということですね。

 

良質な睡眠の味方・漢方食材「ユリ根」を食べよう!


さて、不眠を解消して良質な睡眠を促してくれる漢方レシピはものすごくたくさんあります。が、材料が本格的すぎて、日本ではなかなか取り入れるのが難しそう。

日本で比較的手に入りやすいものだと、小米(アワ)、大棗(ナツメ)、そしてユリ根が「安眠食品」の優等生のようです。

東京出身の私には、ユリ根はあまり馴染みがありません。が、ユリ根はとても有能な漢方食材。気分を沈静化し安眠を促すほか、咳止めにも効果が高いんだそう。

生のものは冬が旬ですが、乾燥したものならいつでも使えます。

では、超簡単に作れる甘いお粥のレシピをご紹介しておきます。

◆ユリ根ともち米の甘い「安眠粥」

 

【材料】

もち米50グラム

ユリ根(生30gまたは乾燥10g)

氷砂糖(グラニュー糖や砂糖でも)適量

※水は、全粥でもち米の5倍量(250cc)、七分粥で7倍量(350cc)など、お好みで。

 


【作り方】

①もち米に水を加え、粥状になるまで煮る。

②ユリ根(生)を加えてさらに煮る。氷砂糖でお好みの甘さに。

※乾燥ユリ根の場合は、最初からもち米と一緒に煮込む。

 

 

▲ユリ根

 


ユリ根のリラックス作用は、安眠のため以外に、PMS(月経前症候群)や更年期障害のイライラにも効果があるそうですよ。

試してみてくださいね。


プロフィール

 


松浦優子
 

 


東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾・台北に語学留学し、すっかり台湾に魅了される。帰国後に日本語教師資格を取得し、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの日本語翻訳などを手掛ける。その後も台湾には年数回のペースで訪れ、一年のうち約1か月は台湾に滞在。現地の友達との旧交を温めつつ、もっと深く台湾を知るべく取材活動を行っている。

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