足のむくみ・疲れ対策(後編)-飲み薬もあり!体質に合わせたドラッグストアおすすめアイテム

2016年04月19日

はぐれ薬学院生(♀)の “しみる” ひととき 第18回

 

 

続くとつらい、足のむくみと疲れ。足のマッサージも気持ちよくて効果的ですが、できれば根本的に改善したいですよね。今回は体の内側からむくみ対策をするアイテムをご紹介します。

 

 

足のむくみに効く薬はあるの?

 

 

足のむくみにはまず弾性ストッキングでの対策をオススメしますが、ドラッグストアで働いていると、サプリメントや薬でどうにかしたいというお客様もよくいらっしゃいます。
そのような方に薬剤師として強くオススメできるのは、赤ブドウ葉エキスを使った医薬品です。数年前から足のむくみに効果のある薬として発売されています。

 

赤ブドウ葉エキスの医薬品は薬というより食品に近く、副作用は殆ど無いのですが、現在は薬剤師がいないと購入することができません。これまで病院で使われたことがなく、いきなり市販薬として世に出回る製品のため、念のためにまずは薬剤師だけが売れるようにしているのです。
この製品は、食品に近いとはいえ、医薬品として販売されている以上、薬に求められる製造方法やヒトでの効能効果、安全性など厳しい規制基準をクリアしています。もともとはドイツで開発された薬ですが、日本人を対象にした臨床試験でもむくみ改善効果が確認されています。足の体積や太さといった客観的な数値だけでなく、「むくみ感」「疲れ」「痛み」といった症状の改善も認められています。弾性ストッキングとの併用もオススメです。
むくみに効くメカニズムとして、毛細血管の細胞のスキマから水分が漏れ出るのを防ぐ作用、血流改善作用、炎症を抑えてむくみを抑制する作用が考えられています。
1ヶ月あたり約4500円といかんせんお値段が高いのが難点ですが、質の保証がなくても売れてしまうサプリメントと比べて、効果や安全面で安心して使うことができます。(私も使ってみたいのですが手が届かず、弾性ストッキングとマッサージで頑張っています・・・)

 

 

漢方にもむくみに使える薬がある!

 

 

むくみやそこからくる足のしびれ、という点では、漢方の利用も選択肢になります。ドラッグストアで手に入れやすいのは、当帰芍薬散、牛車腎気丸、五苓散などです。それぞれ体質との相性がありますので、自分に合ったものをセレクトしましょう。
ただし、本来漢方は症状でなく体の状態や体質から処方を決めるものです。体質を自己判断するのは難しいので、本格的に漢方で対策したい方は、漢方医や漢方薬局を利用することをオススメします。

 

当帰芍薬散
【向いている人】体力がなく疲れやすい・体の冷えを感じやすい・貧血気味・腰痛も気になる人。足の筋肉があまりない人・立ち仕事の人。特に女性。月経前後に症状が強くなる人。

【特徴】体力虚弱な方に用いる補血剤(人を構成する気・血・水のうち、「血」が足りていないのを補う)として、特に婦人科領域で使われています。下肢静脈瘤は血の停滞でおこる病気ですので、血のトラブルに働きかける漢方は適しています。立ちっぱなしで足がむくんでいる方にはオススメです。
【生薬の効果】当帰[トウキ]…鎮痛・鎮静・血行促進。芍薬[シャクヤク]…筋肉のけいれんやうっ血による痛みに対する鎮痛・鎮静。川芎[センキュウ]…補血、冷えによる痛みに対する鎮痛・鎮静。沢瀉[タクシャ]…むくみに対する利尿。茯苓[ブクリョウ]…利尿、止瀉、鎮静。白朮[ビャクジュツ]または蒼朮[ソウジュツ]…利尿、健胃。
牛車腎気丸
【向いている人】あまり体力がない・加齢による疲れを感じる・手足の冷えを感じやすい・足のしびれや痛みを感じる人。

【特徴】体力が中等度以下の方に用いる補腎剤(エネルギーや生命力をコントロールする「腎」の衰えを補う)として、特に高齢の方に使われています。
【主な生薬の効果】地黄[ジオウ]…強壮、補血、消炎。山茱萸[サンシュユ]…滋養強壮、収斂。山薬[サンヤク]…滋養強壮、止瀉、止渇。沢瀉、茯苓
③ 五苓散
【向いている人】体全体がむくんでいる感じがする・水が溜まった感じがする・頭痛、めまい、吐き気がある・のどの渇きが気になる・下痢・尿が出にくい人。

【特徴】体力の程度に関わらず使うことのできる利水剤(気・血・水のうちの「水」が滞っているのを取り除く)で、二日酔いの予防にも使われる漢方です。利尿効果が高く、下肢静脈瘤というよりは、食生活の影響で水が溜まっているむくみに適しています。
【生薬の効果】沢瀉、茯苓、蒼朮または白朮、猪苓[チョレイ]…利尿。桂皮[ケイヒ]…鎮痛、健胃。

 

 

 

 

サプリは要注意! 利尿剤ダイエットは逆にむくみが悪化する可能性も

 

 

むくみが気になる方にオススメのアイテムをご紹介しましたが、反対に薬剤師として絶対にオススメできないのは、利尿剤や利尿効果のあるサプリをネットで購入することです。
ネットでは足のむくみ対策や利尿剤ダイエットなどと称して、強い利尿剤「ラシックス」(医薬品)の海外ジェネリック品を販売するサイトがあります。むくみに利尿剤を使うこと自体は問題ありませんが、医師の診断なく勝手に使うのは危険です。利尿剤は腎臓がもつ電解質を調節する機能に直接働きかけ、体の水分を出すものです。下手に使うと電解質のバランスが崩れ、逆にむくみが悪化することがあります。自分で利尿をしたい場合は漢方を試してみましょう。むくみの原因はさまざまですので、強力な利尿剤が必要なくらいひどい場合は、まずお医者さんに診てもらいましょう。
また、同じ赤ブドウ葉エキスでも、安価で購入できるサプリメントをどうしても使いたい場合は、質の保証がされているか注意を払う必要があります。推測ですが、ひどいケースだと、こっそり利尿剤を入れているところもあるのではと思います(以前、痩せるサプリに下剤が混ぜられており、お腹を下す女性が多発したことが問題になりました。それと同じです)。店舗でなく、ネットだけで流通しているようなものは、特に注意が必要です。

 

 

弾性ストッキングと医薬品をうまく活用して、足のむくみ、疲れを退治しよう

 

 

私は、むくみに効く薬やサプリメントをお求めに来られたお客様には、まず弾性ストッキングをオススメしてから、それぞれの製品のご案内をしています。静脈の弁を保護する作用があるとわかっているのは、今のところ弾性ストッキングのみだからです。
ただし、むくみの原因となる炎症や水分停滞の改善など、弾性ストッキングだけではカバーしきれない部分もあります。こういった部分を医薬品で補うと、相乗効果でより快適な生活ができると思います。
それぞれの良い所(もちろん、デメリットも)を知って、うまく取り入れてみてくださいね。お近くの薬剤師さんも、きっと力になってくれると思います。

 

 

<出典・参考文献>
『ビジュアル版 東洋医学 漢方薬・生薬の教科書』(花輪嘉彦監修/新星出版社)
『漢方医学』(渡辺賢治/講談社選書メチエ)

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