足のむくみ・疲れ対策(前編)-キレイで健康な足を保つ「弾性ストッキング」の選び方

2016年04月12日

はぐれ薬学院生(♀)の “しみる” ひととき 第17回

 

 

【疲れ解消だけでなく、下肢静脈瘤の進行防止にも!】立ち仕事でも、デスクワークでも、どんな方も悩まされる「足のむくみと疲れ」。特に女性にとって、足のむくみは美容の大敵ですよね。実は、足のむくみを放置すると、血管が浮き出て足がボコボコになる「下肢静脈瘤」という病気になることが。日頃のケアで今から対策しましょう。

 

 

足のむくみを侮るなかれ!
自然には治らない「下肢静脈瘤」、妊娠・出産後や立ち仕事の女性は注意

 

 

足のむくみ、つらいですよね。ふくらはぎをマッサージするとちょっと気持ちよくなりますが、また翌日にはむくんでしまう。家事・子育てに忙しい奥様や働く女性には、切っても切り離せない悩みかもしれません。
実は、足のむくみに悩んでいる方の中に、「下肢静脈瘤」という状態になっている人がいます。下肢静脈瘤は、最初はあまり目立たないですが、進行すると足の血管がボコボコと浮き出てしまう、自然には治らない病気です。命に関わる病気ではありませんが、見た目にも良く無いので、早くからの対策が大事です。

【下肢静脈瘤とは?】

 

血管には心臓から出て体中に新鮮な酸素をはこぶ“動脈”と、体から老廃物を運んで心臓にもどす“静脈”があります。足(下肢)の静脈は、筋肉の中にあるメインの静脈(深部静脈)と、ひざの裏からかかとにかけて走っているサブの静脈(表在静脈)があります。下肢静脈瘤は、サブの表在静脈にトラブルが起きる病気です。

静脈を流れる血液は、足の筋肉がポンプの役割を果たすことにより、下から上へと押し出されていきます。これは、重力に逆らっているので、筋肉が伸びている状態(ポンプが押されていない状態)だと、あっという間に血液が逆流して下に落ちてしまいます。

これを防ぐため、血液の逆流を防ぐ“弁”が、静脈には取り付けられています。しかし、この弁には耐久力の限界があり、経年劣化(加齢)や激しい使用(立ち仕事や妊娠・出産など)によって壊れてしまいます。一度壊れた弁は元に戻ることがないので、弁が壊れた足では血液が逆流して溜まっていき、血管がボコボコと浮き出てきます。幾つかある足の弁が1つ壊れると、残りの弁にかかる負荷が大きくなるため、放置していると弁が次々と壊れていき、静脈瘤が悪化してしまうのです。

 

 

足のむくみや疲れ、実は下肢静脈瘤のサインかも?―2分でできる簡単チェック

 

 

もしかしたら、あなたも下肢静脈瘤かも。まずは下記の方法で自分の足をチェックしてみましょう。


【あなたは下肢静脈瘤? 2分でふくらはぎをチェック】
① 平らな床面にまっすぐ立ち、そのまま動かず1分間じっとしています。
② 足の裏面、特にひざの裏や足の付け根を手で触ってみて、血管(静脈)がプクっと膨らんでいたり、蛇行している血管がないか探します。鏡を利用すると探しやすいです。


正確な診断は医師によるエコー検査で行われます。このチェックで気になる部分があった場合は、一度医師の診察を受けてみるのもよいかもしれません。特に、妊娠・出産がきっかけで発症することが多いと言われること、立ち仕事の方に発症しやすいことから、これらに当てはまる人は自分の足の変化をチェックしましょう。

特に問題がなさそうな方でも、この記事を読まれているということは、足のお疲れに悩んでいらっしゃる「下肢静脈瘤予備軍」の可能性があります。

今回は、下肢静脈瘤の治療にも使われていて、なおかつ足の疲れやむくみにも有効な「弾性ストッキング」についてご紹介します。

 

 

 

 

血管の弁を守る唯一の方法は「弾性ストッキング」!
履くと足のむくみがスッキリ、疲れも溜まりにくい

 

下肢静脈瘤は、血液の逆流を防ぐ「弁」が使いすぎで壊れてしまった状態。残念ながら、もとに戻す方法はありません。しかし、まだ残っている正常な弁がそれ以上壊れるのを防ぐ方法があります。その唯一の方法が、「弾性ストッキング」です。

弾性ストッキングは医療用に販売されている、圧力の高いストッキングで、下肢静脈瘤の方だけでなく、足の疲れやむくみを感じる方にも効果的なアイテムです。お医者さんの処方で出されることがあるほか、調剤薬局で入手可能なこともあります。筋肉にかかる圧力を強めることで、滞っている静脈の血流を促進し、弁にかかる負担を軽くすることで、結果的に弁が破壊されるのを防ぐ効果があります。

しかし弾性ストッキングは、かなり圧力が高めに設計されていて、履きやすいとはいえません。初めて使う際は必ず看護師さんなどに履き方を説明して貰う必要があります。また、人によっては汗などでかぶれてしまい、中々続かないというケースもあるようです。

もう少し手軽に手に入り、日常使いしやすいものがあります。
女性の方だと、ドラッグストアで「着圧ソックス」を買ったことがあるかもしれません。また、スポーツをされる方だと、足が疲れにくいタイプの締め付けのあるタイツをお使いの方がいらっしゃるかもしれないですね。これらも、弾性ストッキングに効果は劣りますが、似た効果を得ることができます。

立ち仕事の方だと、着圧ストッキングや弾性ストッキングが必須アイテムという方もいらっしゃいます。かく言う私も、ドラッグストアのバイトの日には必ず着圧ソックスを履いて出かけます。これを履くと、仕事終わりの足の疲れ方が全然違うし、翌朝起きた時の体のだるさも軽いことが多いです。

 

 

日頃の足の疲れ、むくみケアに。ドラッグストアで手に入る着圧ソックスの選び方

 

 

医療用、スポーツ用、ドラッグストアで手に入るもの。この中でお値段がそれほど高くなく、日常使いしやすいのは、ドラッグストアで手に入る「着圧ソックス」です。
実際にドラッグストアに足を運んでみると、実にたくさんの着圧ソックスが並んでいます。最近、NHKなどでも紹介されたこともあって、種類は増えるし売り切れ商品は出るしで、大盛況です。価格を見ると、着圧ソックスは両足で1000円~3000円、2500円前後の商品が一番多いように感じます。やはり有名ブランドのものは値段が高くつくようです。
一体どれを選べばよいでしょうか?
ここでは、効果的な着圧ソックス選ぶポイントをお伝えします。

圧力が高い
着圧ストッキングは、だいたいの製品に圧力の記載があります。おおよそ10~30mmHgといったところです。足の疲れ、むくみに対する効果は、やはり圧力が高いほうが強いと言えます。
「血行促進」「段階着圧設計」「段階的着圧」といった表記がある
併せて、商品を選ぶポイントとして、「血行促進」「段階着圧設計」「段階的着圧」といった文言があるかどうかが重要です。この様な文言のある商品は、医療用の弾性ストッキングと同様に血行促進を目的として設計されており、静脈の逆流を防止し、弁を保護するのに役立ちます。
つま先までカバーしている
つま先のないタイプの商品は、人によっては足先に圧が強くかかり、うっ血して痛みを感じることがあります。なるべくつま先まですっぽりカバーするタイプの商品が良いでしょう。(水虫の方は衛生面からつま先なしの方が良いです)
寝るときに履く、横になることが多い人は、20mmHg以下
寝ているときは足の血圧が下がるため、あまり圧力が高過ぎると動脈閉塞のリスクが高くなるようです。
長時間立ち仕事をしたり、一日中履く機会が多い人は、ドライ+抗菌繊維
④とは逆に、動くことの多い方は、通気性、抗菌、防臭などに配慮した商品を選ぶと快適です。一般に、ナイロンや綿は蒸れやすくニオイの原因となるため、ドライ繊維や抗菌加工をしてある繊維で作られた着圧ソックスが良いでしょう。

【注意1】着圧ソックスを履いてはいけない人
・動脈の血行障害がある人(閉塞性動脈硬化症、バージャー病など)
・糖尿病(末梢血行障害がある場合)

【注意2】次のような症状が現れたら、締め付けが強すぎたり、素材にアレルギーを起こしているサインです。使用を中止し、場合によっては医療機関を受信しましょう。
皮膚が赤くなる、かゆみ、痛み、発疹(ブツブツ)、しびれ、むくみの悪化

いかがでしょうか? 今回の前編では、体の外側からのアプローチをご紹介しました。
後編では、体の内側からのアプローチ=むくみに効果的な医薬品について、ドラッグストアで買えるものをご紹介します。
 

 

 

<出典・参考文献>
日本皮膚科学会ガイドライン『下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療ガイドライン』
下肢静脈瘤広報センター
コヴィディエン『知ってください 下肢静脈瘤のこと』

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