いつもぐりぐりが吉、最強のツボ「合谷」

2016年04月28日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第25回

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「気」が体内を巡るルート「経絡」。その上にあるツボ(穴)を刺激することで経絡の巡りが改善されます。中でも、「合谷穴(フーグーシュエ)」は効果の高い最強のツボ。不調の予防のために覚えておくべきツボです。

ジャスミンの花と、痛み止めのツボ


私は台湾映画が好きで、よくDVDを買ってきます。日本でも2014年に公開されたヤン・ヤーチェ監督作品『GF*BF』(原題:『女朋友。男朋友』)の冒頭に、とても印象的なシーンがありました。

仲良しの、高校生の少女一人と少年二人。ある時、少女が腹痛を起こします(生理痛だと思われる)。すると、少年の一人が傍らの木に咲くジャスミンの花と葉を摘み取り、少女に渡します。少女はそれを両手で揉み、そのまま鼻と口を覆って深呼吸を繰り返します。

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▲ジャスミン。漢方では鎮痛作用があるとされる


それから、少年は少女の隣に座り、彼女の手を取って、親指と人差し指の付け根あたりを黙ったまま、ぐっ、ぐっと揉みます。
2012年、台北の映画館でこのシーンを見た時、私ははっとしたのでした。ああ、これは!

その前にまず、経絡(けいらく)のこと


今日の話題はツボなのですが、そのためにまず少しだけ「経絡(ジンルオ:けいらく)」についてふれておきます。

「経絡(けいらく)」とは、漢方医学で「気・血・水」の循環網のこと。目には見えませんが、ちょうど血管のように体内に張り巡らされています。血管網のことは「血脈」といいますので、「経絡」は主に「気」がめぐるルートだとイメージしてよいと思います。

その経絡上にたくさんあるのがツボです。中国語では「穴道(シュエダオ)」とか「穴位(シュエウェイ)」といいます。漢方は「循環とバランス」の医学です。具合が悪いというのは経絡の流れが滞っていることが大きな原因とされます。そして、ツボを刺激することにより、それが改善される訳ですね。

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▲漢方医学書『十四経発揮』・「手陽明大腸経」図

不調の改善と予防、両方に役立つ最強のツボ「合谷穴」


さて、映画『GF*BF』の中で少年が押してあげていたのは「合谷穴(フーグーシュエ)」というツボでした。日本でも「合谷(ごうこく)」と呼ばれる有名なツボです。
場所は、手の親指と人差し指の骨が分かれているあたりの、やや人差し指寄り。まあ、指で押すのでおおまかで大丈夫ですが、押した時にじーんと響くような感じがすればツボがちゃんと刺激できています。

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▲親指と人差し指の骨の分かれ目あたり


経絡はあたかも川のように分岐しており、ツボ(穴)も大きさによって「溝・池・渓・谷」と名前が異なります。「谷」は最も大きな経絡の合流点であり、体の中でも特に重要なツボだそうです。両手の「合谷」には、腸から上ってきた「水気・湿気」が集まり、そこから上昇して口のわきを通り、鼻のあたりで交差して頭部へ抜ける経絡が通っているとされます。
そのため、「合谷」のマッサージは特に顔面~頭部に効果的。効果をざっと挙げますと、

①頭痛、顔面のけいれん、目の腫れ・痛みの軽減
②高血圧や中風の予防
③風邪の予防、風邪による咳・喉の腫れや痛みの軽減
④アレルギー性鼻炎の改善
⑤歯痛の軽減
⑥肌荒れや吹き出物の改善
⑦生理痛の軽減
⑧首・肩などの関節炎の改善
⑨胃痛・便秘・下痢などの改善


・・・これはなかなかにすごい。痛みによく効くツボなんですね。

良いことづくしの「合谷穴」ですが、一つだけ気を付けることがあります。このツボは体の中でも影響が大きいのですが、その効果の一つに「子宮の収縮を促す」というのがあります。古代中国では、出産中の女性の「合谷穴」と、足の「三陰交」(これもとても重要なツボ)に同時に鍼を打つことでお産がスムーズになったという言い伝えがあります。逆に言うと、妊娠中の女性にとっては良くないということになります。

実はこのツボ、台湾で体調を崩していた時に友人に教えてもらったのです。結構な強さでごりごりとこの「合谷穴」を揉んでくれました。そして、その時言われたのが、「調子が悪い時だけじゃなくて、普段からよく揉んでおくといいんだよ」。
そう、調子を崩す前から日常的に予防する、これ本当に大事。

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▲こんな風に、もう片方の手の親指でぐりぐりする


それ以来、私も手持ちぶさたな時になんとなく、ここを揉むようになりました。マッサージすると気持ちいいですし、人目を気にせず気軽に揉める位置にあるので便利です。台北の地下鉄の中でも、何気なく「合谷穴」を揉んでいる人を見かけたことがあります。
ツボの押し方は、一点をぐっと押し込む方法と、円を描くようにぐりぐりする方法があるそうですが、私が台湾で見たのは「ぐりぐり派」だけだった気がします。

体には、無自覚の不調、自覚できる不調、病気の三段階があると思います。経絡の流れを改善し、無自覚の不調から効く「合谷穴」、あなたも今日からぐりぐりしてみませんか?

プロフィール

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松浦優子
東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾・台北に語学留学し、すっかり台湾に魅了される。帰国後に日本語教師資格を取得し、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの日本語翻訳などを手掛ける。その後も台湾には年数回のペースで訪れ、一年のうち約1か月は台湾に滞在。現地の友達との旧交を温めつつ、もっと深く台湾を知るべく取材活動を行っている。

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